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噛み合わない議論にため息… 英国で放映された暴力ゲームの討論番組 |
2010.03.26 |
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英政府は最近、ようやくゲーム業界への態度を軟化し、映画などと同様の税優遇策を適用することを決めた。しかしその一方、マスメディアの認識はまだまだ低いことが、あるテレビ番組で露呈してしまったようだ。
その番組とは、同国で著名なAlan Titchmarsh氏が司会を務めるトークショー。映画テレビ芸術アカデミー(BAFTA)が栄えあるゲーム賞授賞式を催したのと同じころ、同番組では“暴力描写を含む成人向けゲーム”をテーマに討論が行われた。
しかし、ゲーム擁護派ゲストとして登場したのは、ニュースサイト“CVG”でエディターを務めるTim Ingham氏だけ。一方、糾弾派ゲストとしては、女優/セックスアドバイザーのJulie Peasgood氏と、大衆紙“Sun”の元編集者・Kelvin MacKenzie氏の2人が参加。ゲームに関する先入観や誤解が終始先行する内容となってしまった。
例えば、討論が始まって早々、Ingham氏が「ビデオゲームの暴力描写は映画と変わらないんです」と発言したあとで、以下のようなやり取りが。
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司会(Alan Titchmarsh氏):「でも映画には年齢制限があります」
ゲスト(Ingham氏):「いや、ゲームにだって、まったく同じような年齢制限があるんですよ」
司会:「でも場所が自宅ですから」
ゲスト:「え、何ですって?」
司会:「子供が家でゲームを始めるのを止めることはできません。映画館に行くのを止めることはできますけれどね」
ゲスト:「……いや、DVDを買う時と同じで、ゲームを買うのを止めることだってできますよ」
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どうもイマイチ噛み合っていない。司会者は、ゲームにも、レーティングやペアレンタルコントロールの仕組みができていることを知らないのだ。
Ingham氏はそれでも、ゲームに関する誤解を正そうと健気にがんばるのだが、番組プロデューサーが糾弾派の肩を持っているのは明らか。
例えば、糾弾派のPeasgood氏が、「ゲームは中毒性があるし、憎しみや人種差別、性差別を助長する。暴力行為に報酬を与えて誤ったメッセージを送っているのよ!」と声を上げると、スタジオの客席からは割れんばかりの拍手。一方、Ingham氏が「暴力ゲームと反社会行動の間に、長期的な相関性はないと分かったんです」と対抗すると、一斉に不信のブーイングが起こるというありさま。
海外のゲーム記者たちはため息をついている。Ingham氏を番組に送り出した“CVG”は、「糾弾派の発言は笑い飛ばすべきものだが、全国放送の番組となるとしゃれにならない」。“GamePolitics”は、「討論内容は知性に欠け、視聴や分析をする価値もない」。さらに“Destructoid”の記者に至っては、「英国大衆はまたさらに後退した。自分がこの国の血筋を引いていることが本当に恥ずかしくなる」と言い捨てている。
(中島理彦)
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