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MMOプレイヤーは“檻の中のネズミ”? ゲーム開発者の秘密テクニック |
2010.03.10 |
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“スキナーボックス”というものをご存知だろうか? これは、アメリカの心理学者バラス・F・スキナーが、条件付けの実験用に考案した小動物の檻で、中にいるネズミがレバーを押すと、エサ(報酬)が出てくる仕組みになっている。
最近のMMOゲームで“中毒者”が後を絶たないのは、ゲームがまさに、このスキナーボックスになっているからではないかと、ユーモアサイト“Cracked.com”のDavid Wong記者は考えている。
Wong記者によると、以前のゲーム開発者は、50ドルのゲームをいったん売ってしまえば、プレイヤーが遊んでいる時間などはあまり気にする必要はなかった。しかし、『World of Warcraft』など、課金制のMMOゲームにおいては、長期間にわたりプレイし続けてもらう必要がある。
だが、何千時間にもわたるコンテンツやストーリーを用意するのは現実的ではないから、開発者たちはゲームの仕組みそのものを変えることにした。ゲームが楽しいかどうかに関わらず、同じ行動を何回もくり返してもらうために、スキナーの手法を採用したというわけだ。
この場合の“エサ”にあたるのは、報酬アイテムという仮想上のものにすぎないが、ゲームをプレイする人ならよくお分かりのように、たとえ仮想的でも、人間の頭はそれを現実と受け止めるようにできている。しかもMMOゲームの場合、ゲーム全体の目的とは無関係に、アイテムの収集それ自体が目的になっている。
また、スキナーボックスの実験では、“レバーを押せば必ずエサが出る”のではなく、“一定確率で出る”ようにすると、ネズミは一心不乱にレバーを押し始めることがわかっている。スロットマシンに夢中になる人が多いのもそのためだ。アイテムをゲットしたいがために、モンスターを一生懸命倒し続けるのも同じことではないだろうか。
このほか、ゲーム開発者は、“導入部でレベルアップを容易にする”“セーブポイント間を短くする”“しばらくログインしなかったら軽いペナルティを与える”などの手法により、プレイヤーがひたすら踏み輪を回し続けるよう工夫を凝らしている。
本来ゲームは、やりがいのある課題に挑戦してスキルを習得するところに面白みがあったのに、今のMMOゲームは、マウスを何千回もクリックし続ける単純作業でしかない……とWong記者。
それにしても、なぜ“ゲーム中毒”になる人は後を絶たないのか? 記者によれば、大多数の人にとって、現実世界の報酬体系は満足のいくものではなく、ゲームというスキナーボックスが逃避の手段になっているのだという。
かつて、教育や仕事から得ることのできた達成感を、ゲームが驚くほど効率的に提供しているという事実。これにより若い世代は、頭脳と才覚があっても現実に満足できず、ゲームに時間を費やしている。その結果、さらに現実への不満を重ねる悪循環に陥っているのではないかと、Wong記者は危機感を抱いているようだ。
(中島理彦)
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