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ウソの乱闘で暴力ゲームの影響を検証、他人の苦痛に対して鈍感になる? |
2009.02.24 |
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ゲームの暴力描写が人に与える影響を検証するには、身体の変化を測定する、アンケートの回答を分析する、などの方法があるが、このほどアメリカでは、ウソの乱闘を演出して、ゲームプレイヤーが怪我人を助けに向かうまでの時間を測定するという、ドラマチックな実験が行われた。
実験を行ったのは、米ミシガン大学のBrad Bushman教授と、アイオワ州立大学のCraig Anderson教授。両教授は、320人の学生を2つのグループに分け、それぞれのグループに、暴力描写の含まれているゲームと、含まれていないゲームを20分間プレイしてもらった。
そして、ゲーム内容に関するアンケートに回答してもらう最中、被験者のいる部屋の外で、2人の男が次のような言い争いをすることに。
A:ちくしょう、もう我慢ならねえ!(椅子を床に叩きつけ、ドアを蹴る)
B:(苦痛のうめき声)
A:おっと、怪我でもさせてしまったかな?
B:足首が痛いんだよ、この野郎! ひねったか何かしたようだ。
A:そいつはお気の毒さま。
B:立てなくなっちまった。
A:情けない目で見るなよ。
B:せめて手を貸してくれ。
A:ざけんな。俺は行くぜ。(バタン)
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この時点から、被験者が部屋を出て怪我人を助けに行くまでの時間をストップウォッチで測定。会話の内容から、怪我をさせた男はすでにいなくなったことがわかるから、被験者は自分に危害が及ぶ心配はなかった。
この実験の結果、暴力描写のないゲームをプレイした被験者は、怪我人を助けに行くまでに平均16秒を要したのに対し、暴力描写が含まれているゲームをプレイした被験者は平均73秒も要した。また、後者のグループは、暴行事件に気づく割合や、事態を深刻にとらえる割合も低かったという。
さらに、ゲームだけでなく、映画でも同様の実験が行われた。162人の被験者をいくつかのグループに分け、暴力描写のある映画とない映画を鑑賞してもらい、その前後で、「足を痛めた女性が松葉杖を落とす」という出来事を劇場の外で演出。被験者が松葉杖を拾ってあげるまでの時間を測定した。その結果、暴力的な映画を鑑賞したあとの被験者は、他のグループに比べて、女性を助けてあげるまでの時間が平均26%もかかったという。
以上の結果をもとに、Bushman、Anderson両教授は、暴力描写を含むメディアに接した人は、他人の苦痛に鈍感になり、非常時でも困った人を助けるのに時間がかかるようになると結論づけている。
以上は、メディアにおける暴力描写の影響をわかりやすく示した実験ということになりそうだが、ネットではその有効性に疑問の声も。なかでも、人気ニュースブログサイト“Destructoid”のJim Sterling記者は、「ウソの乱闘で暴力ゲームの影響を断定してしまっていいのか」と激しく反発している。
(中島理彦) |