米ロサンゼルス市で7月15日(火)から17日(木)にかけて開催された“E3 Media & Business Summit”。かつては世界最大のゲーム見本市として注目を集めていた同イベントに対し、ここ数日批判の嵐が吹き荒れている。
E3は、一部の大手メーカーから出展コストに見合うショウではなくなっているという指摘を受け、昨年から規模を大幅に縮小。招待者限定になったことで、来場者数は6万人から4千人にまでしぼられたと言われている。その結果、従来より落ち着いた雰囲気の中で新作ゲームを見ることができるようになったが、会場がサンタモニカの複数のホテルに分散されていたため、移動に手間がかかると来場者から不満が出ていた。
そこで今年は、以前の開催地だったロサンゼルス・コンベンションセンターに場所を戻したのだが、評判を回復するどころか、むしろ悪化させてしまったようだ。とくに、華やかな祭典だった当時を知る人々にとっては、新生E3のあまりの地味さや閑散ぶりがより強調される結果になってしまった。
例えば、有名ブログ“GamePolitics”の編集者であるDennis McCauley氏は、“主要なプレスカンファレンスと開催期間を重ねた日取りのまずさ”や“一般メディアの関心を引かない内容”“大きな発表やサプライズの欠如”などを指摘。このことから「E3は死んだ」と断じている。
また、同ブログは有名アナリストのMichael Pachter氏の声も紹介。今年のE3を「夏休みの大学図書館みたいに静か」と評する同氏は、開催規模の縮小は誤った決断だったと分析し、「現在の開催時期だと大半のメーカーがホリデーシーズン向けの発表を終えてしまっているので、遅くとも6月頭に早めるべき」「かつての規模を取り戻して一般メディアの注意を引くべき」と進言している。
さらに、出展者側からも不満の声が。“San Francisco Chronicles”紙の公式サイトが報じたところによると、Electronic Arts社のCEOであるJohn Riccitiello氏は、「こういう形式のE3は気に入らない。以前の形式に戻すか、我々が自前のイベントを開催するかのどちらかにする必要がある」。同様に、Ubisoft North AmericaのLaurent Detoc社長も「今年のE3はひどかった。以前は世界中の人々が訪れてきたのに、今回はまるで地下室でひっそりと開催しているようだった」と語ったという。
このほかにも、米国のニュースメディアやブログでは数え切れないほどの批判が報じられ、E3の存在意義に疑問を呈する声すら出ている。
その一方で、弁護にまわるパブリッシャもある。ニュースサイト“TechRadar UK”の報道によると、Bethesda Softworks社のPete Hines氏は、「私はE3は必要だと固く信じている。ただし、今年のようなやり方をくり返すわけにはいかない」と語っているということだ。
これらの声を受けて、E3の主催団体であるESAのMike Gallagher会長は、今後も参加企業の意向に沿うように向上を続けていくとの方針を明らかにした。具体的には、来年のE3は規模を拡大することになるだろうと語っているそうだが、どの程度の拡大になるのかは明らかではない。
(中島理彦)
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