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ピューリッツァー賞受賞作家が“『GTA IV』への世間の評価は甘すぎ” |
2008.07.03 |
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現在アメリカで発売されているゲームの中で、もっともゲーム以外の分野からの関心が高いと思われるクライムアクションの最新作『Grand Theft Auto IV(以下、GTA IV)』。以前のゲーム事情では、「Rolling Stone」誌の映画批評家が本作をベタぼめしていることをお伝えしたが、今度は正反対の意見が「Wall Street Journal」紙の公式サイトに掲載された。
今回、ゲームの感想を述べているのは、初の小説「The Brief Wondrous Life of Oscar Wao」で、2008年ピューリッツァー賞フィクション部門賞を受賞したJunot Diaz氏。ゲームは門外漢かと思えばさにあらず、『GTA』の第1作目が'98年にプレイステーションでリリースされた当時から、シリーズの大ファンだという。
そんな彼から見ると、世間一般の『GTA IV』に対する評価は甘すぎ。「大好きなゲームだし、アートだとも確信しているが、世間が言うようにTVドラマ「ザ・ソプラノズ」や映画「ゴッドファーザー」に匹敵するかどうか。物語芸術は先入観をゆさぶり、私たちが見ないふりをしてきた世界を直視させるものだが、『GTA IV』がそういう奇跡をなしとげたとは思えない」
シリーズの過去作をよく知るDiaz氏にとって、本当の意味で革命的なのは『GTA III』だという。車のドライブと3人称視点プレイの切り替えや、数多くのミッションが用意されたオープンな空間、バックに流れるいかした音楽など、シリーズの基本を確立した作品だ。
Diaz氏によれば、『GTA III』は、ゲーム中の人間となっていかようにでもプレイでき、没入感が深いという意味で頂点に立つ作品であり、以後に出てきたゲームはいずれもその改良版にしかなっていないという。
また、純粋な悪人だったシリーズ過去作の主人公とは違って、『GTA IV』の主人公Niko Bellicは内心のためらいを見せる人物となっているのも気に入らないようだ。『GTA』の魅力は主人公に感情移入できることではなく、プレイヤーが悪の主人公として傍若無人に振る舞えること。Nikoの移民としての描写も、映画「スカーフェイス」などと比べて物足りないという。
『GTA IV』は夢中になって遊べるゲーム、でも物語はあまり心を動かされない――Diaz氏の批評はなかなか辛口だが、『GTA』シリーズの魅力を知り尽くしていることがうかがい知れる内容となっており、アメリカのゲーマーからはおおむね好意的に迎えられている。
(中島理彦)
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