欧米ゲーム事情  

あの騒動から1年――
学園体験シム『Bully』への懸念が再燃?

2008.01.24
ゲーム公式サイト(英語)

  2006年10月、米Rockstar社がPS2向けにリリースした学園生活体験シム『Bully』。以前の欧米ゲーム事情では、米国や英国などで本作への激しいバッシングがあったことをお伝えしたが、今年3月、Wii/Xbox 360に移植されるのにともなって、英国ではまたもや懸念が巻き起こっている。

  もともとこのゲームは、寄宿制私立学校の生徒となった主人公の少年が、厳しい先生やいじめっ子をやり過ごしながら学園生活を体験するという内容。ところが、『Bully(弱い者いじめ)』というタイトルから、“いじめや暴力を賛美するゲーム”という誤解が生まれてしまった。
  そのため、英国でのPS2版発売にあたっては『Canis Canem Edit』(ラテン語で“共食い”の意)というタイトルに変更されたのだが、今回はなぜか元のタイトルが復活し、『Bully: Scholarship Edition』となっている。これが、批判する側には格好の攻撃材料になっているようなのだ。

  なかでも、英国のニュースサイト“Telegraph”は、本作を「学校を舞台にした暴力ゲームの新作で、生徒仲間や教師への暴力行為を奨励している」と紹介。また、いじめ撲滅を訴える慈善団体や教職員組合は、「そもそも、こういうゲームが作られること自体に失望した。思慮の欠けた人々が面白いと思って作ったのだろうが、当団体の活動をないがしろにするものだ」「学校やネットにおけるいじめを防止する我々の活動は、ゲーム開発者の心には届いていないらしい」と、憤りの声をあげているという。

  暴力的ゲームに反対の立場をとる労働党のKeith Vaz議員も、「いじめを賛美する描写はまったくもって悪趣味。正しい社会的価値観を子供に示していない。『Bully』というタイトルだけでも、若い人々が飛びついてしまうだろう」と非難。さらに、一部の大手ショップチェーンも、前回と同様、本作を販売しない方針を決めている。

  こうした動きに対して、Rockstar社のスポークスマンは、「本作はプレイヤーがいじめっ子になるゲームではありません。新入生となった1人の少年が数
々の試練に立ち向かうゲームです」と訴えているところ。オリジナルのゲームが発売されてからすでに1年以上もたつのに、誤解の連鎖はいまだにやんでいないようだ。

【参考】
Telegraphの記事(英語)
【関連記事】
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(中島理彦)

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