オンラインゲーム、MMORPG、アプリ、ソーシャルゲーム、家庭用ゲームなどゲーム情報を毎日お届け!

欧米ゲーム事情  

欧米ゲームメディアが震撼! 広告主の圧力でレビュワーが解雇?

2007.12.07
Gamespotの公式発表#1(英語)
Gamespotの公式発表#2(英語)
Gamespotのレビュー記事(英語)※内容変更後
『Kane&Lynch:Dead Men』公式サイト(英語)

 先週から今週にかけて、欧米のゲームメディアを騒がせた一番のビッグニュースといえば、間違いなくこれだろう。

 北米などで知名度の高い大手のゲーム情報サイト“Gamespot”。そこに長年勤めていたエディトリアル・ディレクターのJeff Gerstmann氏は、11月末をもって同サイトを辞職した。ところがその理由は、氏が酷評したゲームの販売元であるEidos Interactive社が、同サイトに圧力をかけためだというウワサが広まったのだ。

 そのゲームとは、脱走した2人の死刑囚が逃走劇を繰り広げるバイオレンスアクション『Kane & Lynch:Dead Men』(PS3/Xbox 360/PC向け)。発売日の2007年11月13日(火)ごろ、Gamespotのトップページは本作の広告をあしらった見栄えのよいデザインとなっていた。しかし、Gerstmann氏は10点中6点のスコアを付けたうえで、キャラクタ設定やシステムなどをこきおろす辛辣なレビューを載せていたのである。

 その後、11月28日(水)ごろから、同氏が解雇されたという情報と、“内部事情に詳しい者”をソースとする冒頭のウワサがネットを介してまたたく間に広まっていった。ニュースブログサイト“joystiq”が本人への取材を行ったことで辞職の事実は確認されたが、11年近く勤続していたサイトを去った理由については、本人も「法的な事情から明かせない」と固く口を閉ざすばかり。Gamespotの編集スタッフやフリーライターも、長年の同僚の辞職に憤慨する発言をしているが、やはり事情は不明なままだ。

 それでも、この一件は数多くのブログや掲示板で取り上げられるようになり、“言論の自由が広告主の圧力に屈した”として猛烈な非難が巻き起こった。Eidos社とGamespotの掲示板には連日攻撃的なコメントが殺到し、まさに“炎上”。ほぼタイミングを同じくして、Gamespot上にある『Kane & Lynch』の紹介ページでは動画レビューの閲覧ができなくなり、テキストレビューも一部内容に手が加えられた。また、1.0という最低スコアを付けるユーザーが相次いだため、本作の採点システムは一時停止に追い込まれている(現時点で、ユーザースコア平均は“2.7”)。

 騒動はますます拡大し、“Gamespot有料会員の人はキャンセルしよう”“親会社CNET Networksのサイト全ての閲覧を一時的にやめよう”と、ボイコット運動を呼びかける声まで聞かれるようになった。
  12月1日(土)からの週末には、Gamespotのライバルサイト“1UP”の運営元であるZiff Davis社のスタッフが、CNET社の前でデモ(画像)を行っている。また、週明けの3日(月)からは、USA TodayやThe Guardianなど、一般メディアの記者も公式ブログ記事で騒動を取り上げるようになった。

 こうした流れを受け、ノーコメントの立場を貫いていたGamespotは、ようやく公式声明を発表。「Gerstmann氏は確かに辞職しました。その理由は法的な事情により明かせませんが、広告主の圧力によるものではありません。CNET NetworksもGameSpotも、広告営業が編集に口を出すことは許していません」と明言した。さらに12月5日(水)には、解雇理由を除く詳細を一問一答形式で説明しているので、主なものを紹介しておこう。

Q:Gerstmann氏は本当に解雇されたのか?
A:2007年11月28日付で辞職しました。経営陣による社内査定のあとのことです。

Q:なぜ辞職したのか?
A:法的な理由から明かすことはできませんが、あくまでGamespotの内部事情によるもので、ゲーム販売元・広告主とは関係がありません。

Q:レビュー記事の内容が変更されたのはなぜ?
A:記事内容が、6.0(並)というスコアに合致していないと判断されたためです。また、マルチプレイモードと、Xbox 360版とPS3版の相違点についても記述を加えました。

Q:動画レビューを停止したのはなぜか?
A:動画のクオリティが理由です。マイクがよく音声を拾っていませんでした。また、ゲーム内容を紹介できるほどの動画があまり入っていなかったことも要因の1つです。(※現在は再び閲覧が可能になっている)

Q:Eidos社はレビューにどんな反応を示したのか?
A:Eidos社の代表は当サイトの担当者に落胆の意を伝えましたが、編集スタッフには直接接触していません。ゲーム販売元がレビュー内容に不満を示すのはよくあることですが、Gamespotはそれを理由にスコアを変更したり、ビデオレビューの掲載をとりやめたりすることはありません。

Q:Gamespotの信頼性に疑問の声が出ている。信用をどう回復していくのか?
A:この発表が第一歩になればと考えています。また、今回の一件について内部調査も進めています。Gamespotはこれまで一度たりとも、サイトにも明記されたレビューの指針から外れたことはありません。膨大な労力を割いて営業と編集を完全に分割し、不適切な影響が及ぶことのないようにしています。
  Gamespotは長年にわたって高い倫理基準を維持し、信頼性のおけるレビュー/プレビュー/ニュースを掲載してきたことで知られています。Gerstmann氏が職場を去ったあともその方針に変わりはありません。


  今回の出来事は、渦中となった人物の名前をとり、ウォーターゲート事件ならぬ“Gerstmann-gate事件”と名付けられている。一時は憶測や陰謀説がかなりエスカレートしていたが、Gamespotが声明を行ったことにより、やや沈静化している模様だ。本人の解雇理由は今後も明らかになるとは思えないが、少なくともこの一件は、ゲームレビューの信頼性を揺るがす騒動として、欧米のゲームファンの記憶に刻まれることは間違いなさそうである。

(中島理彦)

最近記事が追加されたゲームタイトル
スポンサーサーチ
    ◆体質改善 ◆注目のワード ◆リアルラブプラス
よく見られている画像