欧米ゲーム事情  

警官殺しの増大に“ビデオゲームが原因”と現場の声

2007.10.11
Time誌の報道(英語)
GamePoliticsの記事(英語)
Joystiqの記事(英語)

 米Time誌の公式サイトはつい先ごろ、米国では今年に入って警官が殺害されるケースが急増していると伝えた。その原因として、暴力的描写を含むビデオゲームを槍玉に挙げる声も出ているという。

 National Law Enforcement Officers Memorial Fundの調べによると、今年9月18日の時点で、警官が射殺されるケースは昨年に比べて60%近くも増加。昨年は34人だったのに対し、今年はすでに54人にものぼっており(なお、最悪だったのは1975年で99人)、1つの現場で複数の警官が死亡するケースも増えているとのこと。

 この原因として、軍用武器が一般に流通していることや、ギャングが入団儀式として警官を襲うようになったことなどが挙げられているが、「暴力的なビデオゲームによって若者の感覚が麻痺し、警官に発砲することを何とも思わなくなっている」という意見も出ているのだ。

 例えば、FBIや警察で教官を務め、本も書いているDave Grossman氏はこう指摘している。「ギャングのたまり場をつぶすたびに、必ずビデオゲームが見つかる。奴らにとってゲームは新聞やテレビと同じようなもので、夢中になってプレイしている。それらはすべて警官殺しと犯罪のシミュレータだ」

 この報道は欧米のゲームニュースサイトでも大きく取り上げられ、一般のゲーマーから「見当外れの指摘だ」など反対意見が多数寄せられている模様だ。人気ニュースブログ“Joystiq”などは、「そういや、警官殺しが最悪の件数にのぼった1975年は、卓球ゲーム『Pong』が家庭用にリリースされた年だったね」と皮肉を述べているほど。

 ところで、警官殺しとゲームといえば、2003年にアラバマ州で3人の警官が殺害された事件で、被告人の弁護士が「本人が『Grand Theft Auto III』をプレイしていたことにも原因がある」と訴えたことが記憶に新しい(結局、殺人罪での有罪が決定)。あれからすでに4年たつわけだが、暴力とビデオゲームをめぐる見識はあまり進展を見せていないのかもしれない。

(中島理彦)

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