欧米ゲーム事情  
“暴力的ゲームに反対!”の市長、ゲーム企業誘致に躍起
2007.05.17
boston.comの記事(英語)

 米国ボストン市のThomas Menino市長は、クライムアクションゲーム『Grand Theft Auto: Vice City Stories』の広告ポスターを地下鉄構内から撤去させたり、過激な言動で知られるJack Thompson弁護士の助力を得て、暴力描写を含むビデオゲームをポルノと同じ扱いにする法案を支持したりと、かねてからゲームには厳しい態度をとり続けていることで有名。ところが、地元ニュースサイト“boston.com”の報道によると、同市長はボストン市にゲーム企業を誘致することに懸命だという。

 去る4月下旬、同市のノースイースタン大学において、ゲームビジネスの活性化をねらいとしたカンファレンスが開催されたのだが、その場に自ら赴いた市長は、「ボストンは“デジタルを歓迎する都市”であることを、若者と起業家たちに伝えたい。クリエイティブな業界の発展に力を注ぐつもりだ」と、熱い意気込みを語っている。

 市長によれば、現在、ボストン市内にはデジタルテクノロジー関連の企業が950社あって、従業員は計2万4千人、収益は年15億ドル。ところが、その中でコンピュータゲームを開発している企業はごくひと握りというのが実情だ。近郊に目をやれば、ファンタジーMMORPG『Lord of the Rings Online』のTurbine社、人気音楽ゲーム『Guitar Hero』のHarmonix Music Systems社、動物園経営シム『Zoo Tycoon』のBlue Fang Games社、さらには、ボストン・レッドソックスのピッチャー、カート・シリング選手の立ち上げた38 Studios社というメーカーがあるのだが、それらは米西海岸のElectronic Arts、Activision、Blizzard Entertainmentといった業界最大手に比べ、規模ははるかに小さい。

 そんな中、市長がゲームビジネスへの注力を宣言したことは果敢な挑戦として評価したいところだが、ネット上では、政策が首尾一貫していないと批判する声もあがっているようだ。

(中島理彦)

 
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