『イケメンシリーズ』を支える高度な技術~サイバードが「MEETUP with サイバード」で舞台裏を披露。第2回「DB視点からのパフォーマンス改善史」「開発者と品質保証の闇」

記事カテゴリ: iPhone Android
2017年10月09日

 フィーチャーフォン時代からモバイルゲームを手がけるサイバードが、2017年9月28日(木)に同社にある「PARK CYBIRD」で、ゲーム開発者向けの技術カンファレンス「MEETUP with サイバード」を開催した。

 第1回目のテーマは「累計1700万DL『イケメンシリーズ』の開発裏側」で、クライアントエンジニア・サーバエンジニア・QAエンジニアが、それぞれの立場から15分ずつライトニングトークを実施。
 カンファレンスを通して、軽食をとりながら、参加者間でさまざまな交流が行われた。

 『イケメンシリーズ』は2012年6月にリリースされた『イケメン大奥◆恋の園』を皮切りに、最新作『イケメンヴァンパイア◆偉人たちと恋の誘惑』まで、5年間で13作品を数える人気シリーズだ。
 女性向けの恋愛ゲームシリーズで、女性なら誰もが憧れるストーリーが展開されるほか、アバターを自由に着飾れるなどの機能も備えている。
もっとも、5年間の間に開発技術も大きく変化してきた。
 本稿では、このシリーズを支えた開発技術について、ライトニングトークの内容をレポートする。

 今回は、「DB視点からのパフォーマンス改善史」「開発者と品質保証の闇」について。

[「MEETUP with サイバード」関連コンテンツ]
・モバイルゲームの雄、サイバードが「MEETUP with サイバード」を開催。採用方法を多様化させる同社の狙いとは?
http://www.gpara.com/infos/view/48016
・『イケメンシリーズ』を支える高度な技術~サイバードが「MEETUP with サイバード」で舞台裏を披露。第1回「WebからUnityへの転身」
http://www.gpara.com/infos/view/48365

イケメンシリーズ~DB視点からのパフォーマンス改善史~

 続いて登壇したのは同社でインフラチームをまとめる伊藤雅俊氏だ。
 タイトルを重ねる度に、クラウドサーバ(AWS)からオンプレミス、そしてAWSへと移転してきたイケメンシリーズ。
伊藤氏はその変遷と、パフォーマンスを上げるために現在行っている施策について説明した。

 オーソドックスなLAMP(Linux/Apache/MySQL/PHP)環境の採用をはじめ、システム構成もデータベースの使い方も、基本を踏襲していると語る伊藤氏。
『イケメン大奥』(第1作)から、『イケメン幕末』(第7作)まではAWSを採用。

 『100日間のプリンセス』(第8作)から『イケメン革命』(第12作)まではオンプレミスに移行。
 最新作の『イケメンヴァンパイア』では、改めてAWSに戻ってきた。
 オンプレミス(IIJフロンティア)に移行したのは、当時サービスがはじまった高速データベースサーバ技術「Fusion-io」の登場が大きかったという。
 しかし、「新規リリースされる度に、サーバを増築していくのが負担になってきた」ことから、再びAWSに移行することになった。

 続いてトピックは、ソーシャルゲームでつきものの、サーバの負荷対策に移った。
そのためには「計測と対策」を常時行っていくことが必要だ。
 同社ではMySQLモニタリングツールの「MONyog」と、内製ツールで計測。
 パフォーマンスの悪いSQLを特定するために基本となる「スロークエリログ」を収集し、対策を行う「スロークエリ道場」を、2015年9月から毎週、継続して行っていると述べた。
 その後、データーベースサーバのチューニングや負荷分散、サーバ自体の強化といった対策を行っている。
 プラットフォームごとにデータベースサーバを分割したり、前述のFusion-ioを導入したり、AWSのスケールアップといった機能を活用したりといった具合だ。

 もっとも、負荷分散に特効薬はなく、その時々の技術トレンドをうまく活用していくしかない。
 こうした中、伊藤氏が注目している新技術が、Googleがサービスを開始したグローバルな分散データベース「Cloud Spanner」だ。
 ただし、分散データベースはこれまでにも多くの企業が挑戦してきたものの、際だった成功事例が乏しいのも事実。
 片方ではこれらの技術トレンドを眺めつつ、片方では従来の方式を粛々と行いながら、サーバの負荷対策を進めていきたいとした。

イケメンヴァンパイア◆開発者と品質保証の闇

 最後に登壇したのは品質管理部の柿崎憲氏だ。
 ゲームにおける品質管理とは、長くデバッグのことを意味していた。
 そこから、単にバグをつぶすだけでなく、さまざまな調整や改修を加えて、ゲーム体験全体を改善させるという意味合いが加わってきた。
 それと並行して、ソーシャルゲーム市場が拡大するとともに、開発と品質管理が並行して行われる時代に突入。
 パッケージゲームで一般的だった、「開発終盤に大量のテスターを導入し、突貫作業でデバッグを実施」といった風景は、今や過去のモノになりつつある。
もっとも、人間の意識や働き方は、なかなか急には変われないのが実情だ。
 柿崎氏は2017年7月にリリースされた最新作『イケメンヴァンパイア』で、シリーズではじめて「無事故リリース」を達成したとして、その背後にある品質管理の工夫について解説した。

 「サイバードにはそれまでにも、無事故リリースができる能力が備わっていた」と語る柿崎氏。
 しかし、実際にはいくつかの問題点があった。
 開発プロセス自体は継続的インテグレーション(開発を小単位のサイクルに分割し、開発と評価を繰り返していく仕組み)が行われていたのに、テスト(デバッグ)は終盤にまとめて行われていたのだ。
 そこで阪口氏が述べたとおり、本作ではプロジェクトの初期段階からテスターを参加させることに。
 これにより、早い段階で問題に気づくことができ、プロジェクトの終盤で機能的な不具合を減らすことができた。

 また、これまで慣習的に行われてきた「プロジェクトの最後でテスターにすべての動作確認を丸投げする」やり方を修正。
 エンジニア側でレビューを行い、テストができる環境を整えてから、品質管理を行うようにエンジニアの意識改革が行われた。
 最後に開発の各々の段階で、ソフトウェアの客観的な品質把握を実施。
 バグ集計、パレード図(機能ごとのバグ数)の作成、ソフトウェア信頼度成長曲線の活用などだ。
 これらの改革により、『イケメンシリーズ』で過去に例を見ないほど、平和なリリース日が迎えられた」とした。

 もっとも、まだまだ改善を進める余地は残っているという。
 すべてのテスト項目が並列の扱いになっているため、各々を切り分けて対応することや、バグレポートの書き方を改善することなどだ。
 もともと『イケメンシリーズ』は、ユーザーからの満足度が非常に高いシリーズで、『イケメンヴァンパイア』も世界観や企画などの面は、当初からブレることなく、高い品質で開発が進んだという。
 今後はこれに加えて、品質保証の改善を通して、ユーザーの物理的な満足度を向上させていきたいと抱負を語った。

 サイバードでは今後も四半期に一度のペースで、MEETUPを継続していく予定だ。
 エンジニアに限らず、『イケメンシリーズ』の企画面についての講演なども検討されているという。
 ソーシャルゲーム開発の知見を気軽に得られる場所として、また開発者同士の交流の場として、業界で定着することを期待したい。

[「MEETUP with サイバード」関連コンテンツ]
・モバイルゲームの雄、サイバードが「MEETUP with サイバード」を開催。採用方法を多様化させる同社の狙いとは?
http://www.gpara.com/infos/view/48016
・『イケメンシリーズ』を支える高度な技術~サイバードが「MEETUP with サイバード」で舞台裏を披露。第1回「WebからUnityへの転身」
http://www.gpara.com/infos/view/48365

 
ジャンル シミュレーション / 恋愛(女性向け)
リリース日 2017年07月31日 (【スマホ】iPhone(アプリ))
2017年07月31日 (【スマホ】Android(アプリ))
価格 基本プレイ無料
コピーライト (c)2017 CYBIRD
公式コミュ https://twitter.com/IkemenVampire
PRサイト http://ikemen.cybird.ne.jp/of/title/vampire/original/index.html
 

この記事のカテゴリ

この記事を共有しよう!

イケメンヴァンパイア◆偉人たちと恋の誘惑 人気恋愛ゲーム関連記事

 

CYBIRD Co., Ltd. 関連記事

 

その他のニュース関連記事

 
『プロジェクト東京ドールズ』クラフト新機能や簡単操作のフルオート機能実装前に新SSRカード【クラシックメイド】配信開始 [シシララ]角川ゲームスの美少女スマホSLG『スターリーガールズ』を実況。ゲストは開発マネージャーの斎藤昌之さん|つくった人がゲーム実況 【マイクラPE】0から始める『マインクラフト』第8回:牛やニワトリをお世話する「牧場」を作ってみよう! 『妖怪ウォッチ ぷにぷに』「映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド」連動イベントで映画の妖怪たちが登場 『オトメ勇者』配信開始。24人のスレイヤーと魔王討伐を目指す乙女系本格ファンタジーRPG [朝刊]スマホゲームランキング・人気記事(12/17) なんか話題になってるっぽい、男顔なのか女顔なのか診断してくれて似てる有名人を検索してくれる「pictriev, 顔検索エンジン」で遊んでみる [コラボ]『ラストピリオド』と「ガールズ&パンツァー最終章第1話」とのコラボイベントを開始 『Fate/Grand Order』イベント「FGO冬祭り 2017-2018 ~冬のファラオ大感謝祭~」のメインビジュアル、展示内容公開 第二次世界大戦の兵器がかわいい女の子になったシミュレーションアドベンチャーゲーム『萌え戦』公式サイトオープン