[CEDEC 2017]サービスから4年を迎えた『チェインクロニクル』。結果と向き合い“正しく”変えて行くことが重要だった

記事カテゴリ: iPhone Android
2017年08月31日
[CEDEC 2017]サービスから4年を迎えた『チェインクロニクル』。結果と向き合い“正しく”変えて行くことが重要だった ▲セガ・インタラクティブの松永純氏

 CEDEC 2017でも昨年に引き続き、セガ・インタラクティブの松永純氏の講演をウォッチ。
 昨年のCEDECでは、『チェインクロニクル』のヒットを、パッケージゲームではない運営するゲームであっても、ゲームやストーリーが面白く、キャラクターが魅力的なコンテンツができるというテーマで、「スマホゲームにおけるゲーム性と物語性の"運用で摩耗しない"基礎設計手法 ~チェインクロニクル3年の運用と開発の事例を交えて~」という講演が行われています。
 今回は、“スマホゲームで物語を更新し続けること。4年間のストーリー制作コンセプトの変遷をファクトに重ねて”と題して、ゲームのストーリーに絞った講演になります。

 コンセプトを変えてはいけない。そう松永氏は話を切り出します。
 『チェンクロ』のコンセプトは、
 “スマホRPGで熱くて泣ける物語を提供する”
 “「仲間が増える」ことは最高に嬉しいRPG”

これらのコンセプトを体現する為に『チェインクロニクル』で次のような工夫を凝らしたと松永氏は話を続けます。

 ・全キャラクターに専用ストーリー
 ・1話あたりの構成をスマホに特化
 ・王道メインストーリー提供
 ・スマホだけどエンディングを作る

 これらの話は、昨年CEDECで講義された内容もあるのでこちら(http://www.gpara.com/infos/view/36865
)をご確認ください。
 ストーリーというテーマで、『チェンクロ』4年のサービスを当初の目的、その結果という形で講演は続きます。


■関連コンテンツ
・[CEDEC 2016]『チェインクロニクル』3年の運用と開発事例から、スマホゲームにおけるゲーム性と物語性を運用で摩耗させないその方法
http://www.gpara.com/infos/view/36865


・開発チームも運営チームもユーザーも、みんながみんな『チェンクロ』らしさについて、一家言を持っている〜『チェインクロニクル3』に向けた特別鼎談
http://www.gpara.com/infos/view/36319


・[チェンクロ]10年後・20年後も続くゲームにするための分岐点〜『チェインクロニクル3』に向けた特別鼎談
http://www.gpara.com/infos/view/36506

すべてのキャラクターにストーリーを用意し、スマホゲームにも関わらずエンディングを用意した『チェンクロ』1年目

 ここで注目すべきはすべてのキャラクターにシナリオを設けたこと。
 そして、実施前からかなり議論があったスマホゲームなのにエンディングを設けるという施策はどうなったのか。

 キャラクターシナリオは、低レアリティのキャラクターにこそ、より良い物語を用意したということに注目です。
 多くのプレイヤーが手にするキャラクターのシナリオレベルが高ければ、その他のキャラクターへの期待度が高まります。結果、高レアリティ同様に読まれる良い結果をもたらしています。

 そしてエンディング注目のエンディングを用意したことによる結果。
 離脱率は想定通り増加。これは2年目の課題が残ることとなります。
 しかし、悪い結果だけではなかったようです。
 DAUが大幅に増加。さらに、エンディングを設けたことによって、各方面で話題となり、プロモーションとしての呼び水になったと松永氏は話を続けます。

 しかし、1年のサービスを終え、いくつかの問題も浮き彫りになってきたと言います。
 ひとつは、ストーリーのネタがきつい。
 運営しながら作るのが辛すぎる…。

メインストーリーの到達率の減少、新キャラクターに日が当たりにくい『チェンクロ』2年目

 王道ストーリーで展開してきた『チェンクロ』の1年。
 ネタの枯渇から、異なる大陸を舞台として用意し、王道から1歩踏み出したストーリーも用意します。しかし、運営のキモとも言えるイベントに関しては、新大陸というよりはこれまで登場してきたキャラクターにフィーチャーする方法をとりました。
 これは、運用上スピード感が重要なための対応。仕方のないことかもしれません。
 しかし、これが裏目に出ます。新キャラクターの人気が出ない…。

 新しい大陸による新しいストーリーは、新章追加時の復帰率は維持できたものの、重いテーマのシナリオで離脱する傾向が現れてきます。
 このあたりも、気軽に楽しむスマホゲームだからなのでしょうか。

 さらに、メインストーリーの到達率の減少が大きな形になって出てきました。
 1本道でストーリーが繋がっている以上、どんなに面白い内容のものでも減って行くのは確か。
 これをうけ、『チェンクロ』サービス3年目はどのような対策を練ってきたのでしょうか。

満足いく物語体験が、ユーザーをつなぎ止める『チェンクロ』3年目

 サービス3年目を迎えるにあたり、松永氏は大きな決断をします。
 第3部スタートにあたり、メインストーリーの到達率の減少、エンディングを作れば離脱率は確実に上がる。
 さらに、スマホゲームにエンディングがあることにマーケティングメリットが生じなくなって生きている。

 そこでとった施策は、もっとコストをかけて第2部の最終章を作ることです。
 最終章を全3章にわたって全力で展開します。
 「最終章の盛り上がりそれが長ければ、到達率の上昇が、離脱率以上にあるのでは。松永氏の狙いはそこにありました。

 その結果、期間中のユーザー数が倍増。
 大きな結果を残しました。
 その一方で離脱率を下げることができないことも分かりました。

 しかし、よく調べて行くと意外な事実が明らかになったと松永氏は言葉を繋ぎます。

 離脱したユーザーは、3部発表時点で最終章未達のユーザーが多く、その一方でエンディング到達者の定着率が逆に高いことが分かった。
 つまり、これまで『チェンクロ』で掲げてきたコンセプト。
 満足いく物語体験が、ユーザーをつなぎ止めることがKPI分析上立証できたと松永氏は結論づけます。

 しかし、次の問題は積み残されたままです。
 ・最終章の到達率が下がり続ける
 ・テーマにより、クリア率に差
 ・後出キャラほど人気が出づらい
 ・そして本当にもうネタがない…

システム的な大きなチャレンジをし結果が出た『チェンクロ』4年目

 サービス4年目に入り第3部としてスタートを切ることになった『チェンクロ』
 3年目で浮き彫りになったさまざまな問題をひとつひとつ、対策を実装して行きます。

 第3部では、大きなシステム的テコ入れが入ります。
 いきなり第3部からプレイを始められるように仕様を変更。
 さらにメインストーリーを5つに分割し、新たな主人公を配しました。

 テーマを分けた5つの物語。
 好みの合わない物語であったとしても、回避してストーリーを進められる。
 すべてのストーリーを読まないユーザー比率が下がったものの、到達率が向上。
 さらにプレイヤーが新主人公として活躍することで、新しいキャラクターでも人気を獲得することができるようになりました。
 さらに、主人公を増やすことでネタ枯渇も解消されていると言います。

 そして松永氏は最後に、ストーリーを正しく提供する為には、“土台となるシステムと物語構成”が必要で、これらを長く続けて行く為には、結果と向き合い“正しく”変えて行くことが重要だと説きます。
 最も大切なことは「コンセプトを実現する為に変えるのだということ」。
 それは、ユーザーがゲームを続けているのは、コンセプトを支持してくれているからだと講演とまとめました。

 また質疑応答において興味深い質問がなされたのでここに記しておきます。

 『チェンクロ』において王道のストーリーとは?という質問。

 松永氏は「王道を一言で語ることはできません。チームの中でディスカッションは必要で、これはやってはいけない、これはやってよいということを可視化していく。『チェンクロ』で言うと、目の前で人は死なないといったルールがあります。しかし、絶対目の前で死んではいけないのかというとそうではなく、それが発生しても良いレギュレーションも存在します。そのレギュレーションの可視化とディスカッションで(『チェンクロ』の王道を)深めていくことが大事だと考えています。」

 王道という言葉だけが一人歩きするのではなく、各スタッフと“『チェンクロ』の王道”の深度を深め、共有し展開する。
 ゆえにコンセプトがブレない、きちんとしたストーリーがゲーム内で紡がれる。
 ゲームシステムを作り以上に、非常に難しいことのように思います。

 
ジャンル RPG / ファンタジー / 声優 / 経営・育成
リリース日 2013年07月26日 (【スマホ】Android(アプリ))
2013年08月01日 (【スマホ】iPhone(アプリ))
価格 基本プレイ無料
コピーライト (C) SEGA / (C) SEGA Networks
公式コミュ https://twitter.com/PirikaChro
PRサイト http://chronicle.sega-net.com/
 

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