[CEDEC 2017]基調講演「ソードアート・オンライン」の世界で描かれるVR、AR、AIは果たしてオーバーテクノロジーなのか

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2017年08月31日

 横浜みなとみらいで開催されている国内コンピュータエンタテインメントのカンファレンス「CEDEC 2017」。
 初日8月30日(水)の基調講演“「ソードアート・オンライン」仮想から現実へ。 小説とゲーム技術のお話。~ソードアート・オンラインが現実になる日まで。~”には多くの人が集まった。

 オンライン小説からスタートし、ゲーム、そしてアニメ、さらには映画といったメディア展開を実現してきた「ソードアート・オンライン」。
 「ソードアート・オンライン」には、VR、AR、AIなど現代のコンピュターエンタテインメントの世界とは切っても切り話せないさまざなキーワードはが存在する。
 作家で「ソードアート・オンライン」の原作者・川原礫氏、そして「ソードアード・オンライン」のゲーム化で知られるバンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏、二見鷹介氏との対談形式で、本講演はスタートした。

[CEDEC 2017]基調講演「ソードアート・オンライン」の世界で描かれるVR、AR、AIは果たしてオーバーテクノロジーなのか
▲写真左から二見鷹介氏、川原礫氏、原田勝弘氏

VRをどのように考え「ソードアート・オンライン」を執筆したのか

 2001年Web小説として連載がスタートした「ソードアート・オンライン(SAO)」。
 (99年ぐらいからMMORPGをプレイし始めたとの川原氏の話をうけ)90年代、2D、3DともにいったんMMORPGの名作が出そろった時代。まだ国内でのプレイヤー数は数千、数万の単位。そんな中、「SOA」の価値観、面白さを小説で示しても理解できる人がいなかったのではとは原田氏の質問。
 おそらく当時、電撃ゲーム小説に応募したとしても受賞には結びつかなかったと思います。MMORPGは分かってくれているって言う前提で記していますし、と川原氏は当時を振り返る。

 また、自分の肉体がアバターとして存在。VRは想像しても想像仕切れないところがあったという。
 さらにVRで3大難しいものとして、髪の毛、液体、食べ物をどうするか…。
 例えば髪の毛の表現。普段は髪の毛一本一本を表現せず、見ているものだけをディテールで示す設定にしている、とは川原氏。
 現実でもそうなのではないかという論理が存在するぐらいで、ちょっとしたら我々はそこを先取りしているかもしれないと、その優れた世界設定に原田氏もうなずく。

「SOA」のテーマをVRMMORPGにしたのは?

 2001年連載当時、VRMMOという用語は存在していませんでしたが、仮想世界、電脳世界をテーマにした話は昔から小説で描かれていました。『SOA』の発想の元になっているのは「仮想空間計画」(著ジェイムズ・P・ホーガン:創元SF文庫)とは川原氏。

 実際にプレイしていた『ウルティマオンライン』、『ラグナロクオンライン』に費やした膨大な時間のもとを取りかえしたいと思ったのが「SAO」執筆のきっかけだという。

 自分がオーバーテクノロジーの設定を考えたのではなく、2001年当時、VRでデスレース小説は誰かが書くというのは必然。偶然先に書いてしまっただけです。今では、ネットゲーム廃人をやっていた頃の自分を肯定できることが嬉しいと、川原氏がコメントし、会場を湧かせた。

VRコンテンツはすでに壁に打ち当たっている?

 話題は「SAO」のヘッドギア型のVRマシンについて。

 「SAO」はVRMMORPGをヘッドギアとコントローラとし、デススゲームを加えた設定で物語が展開する。
 「SAO」を実現するには、破壊できない、外せない、というちょっと無理な設定が必要でした。でも外せるかもしれない。だからさらに、ヘッドギアを外した場合、残りのプレイヤーを全員殺すという設定を付け加えましたと川原氏。

 確かに当時、その内容も見かけもオーバーテクノロジーだったヘッドギア型VRマシン。
 でも最近気づいたことがあるんですと原田氏は言葉と繋げる。
 我々は多くのVRゲームをプレイし、技術検証をします。だからこそ、だんだん慣れてくると体験の先が類推できてしまう。想像の域を出ないんです。さらに、センサーをおいたり、ヘッドマウントディスプレイを装着するということにハードルの高さを感じ始めました。ヘッドマウントディスプレイをつけると汗もかいてしまいますから。ブレイクスルーには装着の手軽さが必要。ハードウェアの進化が必要だと思っています。

 では、どのような筐体になるのか。
 コンタクトレンズぐらいになるのでないかとは川原氏。
 眼鏡だと視界が狭すぎるし、安全かつ、網膜照射できれば…話は止まらない。

 インプットは脳に直接信号を送るなどして対応できそうだが、アウトプットはどう知れば良いんだろうかと川原氏。
 映画「マトリックス」や「攻殻機動隊」の世界のように延髄に外科的手術を施すしかないのかと、川原氏、原田氏がうなずく。

 でもその手術に手を挙げても、選考で落ちそうな二人ですよねとは原田氏。
 実は川原氏と原田氏、個人的にPS VRを購入しようとしてチェレンジしているものもいまだ購入できていないようだ(笑)。

「劇場版SAOオーディナルスケール」からVR、AR、AIの話に

 2017年2月より劇場で公開された「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール」。
 その世界設定については川原氏は、『女神転生』『グランツーリスモ』といったゲームに中に再現された現実の街が好きなようで、VRで再現した仮想の東京を舞台が用意された。
 さらに川原氏は言葉と繋げる。
 2014年末に作業を開始した当時、レイドバトルをAR、VRでやりたいと思いました。位置バトルゲーム『Ingress』というヒントはありましたが、『ポケモンGO!』はなかった(笑)。いま『ポケモンGO!』のレイドバトルのCMを良く見かけますが、あれをやりたかったんです。

 続いて、作品に登場してくる高度AIキャラクター「ユナ」について。
 映像だけで現実世界で歩ける場所歩けない場所を判別まででできる汎用人工知能的存在。死んだ人間をどうデジタル的にAIで生き返らせるか。人間をデジタルメディアに残しているどう再現するかといった「ライフログ」もテーマに存在しますとは川原氏。

 VRとAR、そしてAIを組み合わせることがゲーム以外の分野でもいろいろ想像できると原田氏を話を引き継ぐ。個人の持つ知識ノウハウのデータ化。今は亡き親父がこんなときにどう考えるんだろうなといった人生相談ができるのではないかと。
 またゲームでは、格闘ゲームって人間が相手だから面白いんだという話が良く出ますが、自分より強い人とやっても面白くないはず。なんで面白いかというと競っているから面白いんです。ライバルを演出してくれるAIが相手ならもっと面白くなるはずとAIの進化についても言及。

 作家はひたすら想像することが仕事なので、その想像をゲームで現実にしていただき、更に先に行っていただきたいと思っていますとは川原氏。
 川原氏は、現在リリースされているゲーム『SAO』だけでなく、「SAO」の外側を描く、オンラインゲームにVR要素を持った作品も見てみたいようだ。
 さてどう動きますバンダイナムコエンターテインメントさん(笑)。

 「ソードアート・オンライン」の話をベースにVR、AR、AIさまざまなテーマが語り尽くされた80分の基調講演となった。

 

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