日本のインディゲームシーンは次のステージに来ている!インディゲーム開発者よ、自分探求の旅に出よ!!

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まこと
2016年09月23日

 BitSummit 4thの会場でこんな事を聞かれた。

 「今年のBitSummitはいかがですか?」

 ゲームファンとして純粋に楽しいと感じるものの、一瞬その問いに声を詰まらせた。
 なんで言葉に詰まったのだろう・・・

 ドットからVR、学生からベテランゲームクリエーターまで、自由で魅力的なタイトルが並ぶ会場で、その時”なにか”が足りないと感じる自分がいる。

 すこし時間を空けて、自分なりに感じている”なにか”について、考えがまとまってきたので書かせて頂きたいと思います。


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▽「BitSummit 4th」大物クリエーターから学生、ドット絵からVRまで、インディゲームのサラダボウル!日本インディゲームが新しいフェーズに
http://www.gpara.com/infos/view/35632

エンターテインメントの永遠の課題”慣れ”が日本のインディーシーンにもやって来ている!

 ゲームに関わらず、エンターテインメントの世界で仕事をしていると良く言われる5年周期という言葉があります。

 これはどんなにプレイヤー・ユーザー・視聴者に愛されても、そのエンターテインメントが消費され、刺激が薄れ、飽きられてしまう周期です。

 もちろんすべてがこれに当てはまるわけではありませんが、コンシューマゲーム機が5年周期で新ハードを出すのは、決して馬鹿に出来ない周期です。

 その周期が、モバイルゲームの時代では、5年から4年周期に変化と感じてもいます。
 Mobageがガラケー向けにオープンプラットフォーム化したのが2010年。
 2013年頃を境にガラケーからスマホに主役の座を譲っています。


 ゲームのプラットフォームがスマホに移りも『パズル&ドラゴンズ』や『拡散性ミリオンアーサー』がスタートしたのが2012年。

 このブームも2015年の昨年あたりから売り上げランキングにラインナップされるタイトルも固定されつつあり、開発・発表されるタイトル数も減り、、2016年の今年はどのようなタイトルを創るべきか、どのように収益化できるか、どのようなプレイヤーに遊んで貰うかなど、各社独自の戦略を模索していると思います。
 この4年の周期がインディーズゲームシーンにも来ているのではないかと感じています。

 BitSummitが始まったのが2013年。今回のBisSummitは4回目。
 注目を集めている開発者の顔ぶれも固定されつつあります。

 インディーズゲームで話題を呼んでいるゲームも繰り返し触る機会が増えています。
 クラウドファウンディング「Kickstarter」で話題を呼んだゲームもロンチされ始めました。
 商業タイトルに比べて開発の期間も長いことが多い上に、ロンチ前から触れるイベントが増えたことで、慣れやすい環境(消費されやすい環境)にあるのではないかと感じます。

 上記のことから想像の枠を飛び越える出来事が少なくなり、規定路線と感じることが多くなって来ているのではないかと感じています。

 ロンチ時には興味が薄れていたという事態は避けたいのが開発者の気持ちだと思います。

映画「Branching Paths」から読み取れる日本のインディシーン

 「Branching Paths」(※)はフランス人監督アン・フェレロさんが昨今の日本のインディシーンを、良くも悪くも着色をせず素直に切り取った作品です。このドキュメンタリーは2013年に企画され、2014・2015年のインディゲームシーンのありのままが記録されています。

 この映画に出てくるタイトル・作家、シーンでの出来事は、まさにこの4年間に起きたインディシーンの”熱”であり”魅力”でした。

 同映画の試写会で行われたトークショウでこのような言葉がありました。

 「この映画はまるで僕らの日記のようだ」という言葉です。

 この言葉が自分に刺さりました。普段日記って読み返さない。

 どんな時に日記を手に取るかというと、次への成長の糧にする際に読み返すんだと思います。
 この映画は日本のインディシーンが1周し、起承転結の結にきていて、振り返るタイミングにあると伝えている様に感じています。

※「Branching Paths」はPLAYISMで購入、ご覧いただくことができます。

▽[PLAYISM]で購入の場合はこちら
http://playism.jp/game/456/branching-paths

日本のインディゲームシーンは次のステージに来ている!インディゲーム開発者よ、自分探求の旅に出よ!!
▲試写会の会場から

終わりは、次のステージを形作れるスタートライン!

 次のステージってなんだかワクワクしませんか?
 スタートって無限に想像が膨らんで楽しいですよね。

 そう!日本のインディシーンはとても楽しいタイミングに来てるんです!!
 でも「次ってなに?」「ここまでの4年間も誰かひとりが作ったものでもないし・・・」と思われるのではないでしょうか。

 名プロデューサーがすべて作ってきたのであれば、その人次第なんでしょうがそうではない。
 いろんな要因はあれど、基本的には自然と生まれてきた流れで、熱のある点が線になり、面になったのがこの4年間だと思います。
 プレイヤーやゲームファンにに飽きられず、これまで以上にインディシーンに熱量を感じてもらうためには、なにをすれば良いのでしょうか?

 これはとても難しい問いだと思いますし、ひとそれぞれ違う考えがあると思います。

インディーゲーム開発者よ、自分探求の旅に出よ!!

 インディシーンが、熱量のある点が線・面になって出来上がっているのであれば、基点になっている開発者の熱量をあげる必要があると私は考えます。

 そのような熱を、開発者は持ってゲームを創るのでしょうか?

 よく聞く言葉は「自分が創りたいものをつくる」

 間違っていないと思いますが、次に進むにはここを変える必要があるのではないかと考えます。

 「Branching Paths」の中で「自分にしか創れないもの」を創っているという言葉がありました。

 自分はこの一言が重要なキーワードになると感じています。
 自分にしか創れないものってなんでしょう?
 とても難しい質問です。どの開発者も言葉として明確にするのは難しいのではないでしょうか。
 自分にしか創れないものを探す旅の手がかりに、次の3つが手を貸してくれるのではなと私は考えています。

 “ゲームメカニクス”“ナラティブ”“ビジュアル”

  なぜこの3つが重要になるのかというと、この3つはゲーム開発者の視点を具現化し、プレイヤーに伝える為に効果を発揮するツールだと考えるからです。

 簡単ですが例を出してみましょう。

ゲームメカニクス

 『Downwell』を例に取ると、落下という題材をもっぴんさんの新しい目線(ゲームメカニクス)で届けたことがプレイヤーに熱狂的に支持して貰えたと考えます。

ナラティブ

 Midbossの『Read Only Memories(リード・オンリー・メモリーズ)』を例に取ると、同タイトルの開発者が愛してやまない80年代アドベンチャーゲームのスタイルを再構成し、そのスタイルでナラティブ(物語性)を伝えることでプレイヤーの心に刺さっていると考えます。

ビジュアル

 STUDIO MDHRの『Cuphead』は古き良きカートゥーンのビジュアルを、開発者が徹底的に追求したことが、ユーザーの目を奪っていると考えています。

 これらの要素は、商業の寄り添ってゲームを作っていると、ゲームの根幹にも関わらず、なかなか自由の利かない場所です。
 それは、マスに向けて合わせる事が必要とされ、開発者の視点とは別ものとして削り取りかねないものだったりするからです。

 でも、インディーゲーム開発者はお客さんを選べるのです。
 自分で選んだお客さんに向けて自由に創ることができる。

 そのお客さんに、“ゲームメカニクス”“ナラティブ”“ビジュアル”で”深く自分を伝えられるか”が、開発者の熱量を上げ、次の日本のインディーゲームシーンを創るのではないのでしょうか。


P.S.

 ゲームメディアやパブリッシャーなどの課題についても考えていますが、それはまた別の機会に!

 

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この記事を書いた人

まこと

 
多摩美術大学卒業後、某ゲーム会社でデザイナーとしてキャリアをスタート。
アートディレクター、ディレクター、マネージャーなどを経て、現在同社(勤続18年目)でプロデューサーぽいことしてます。
最近自腹でOculus Riftを購入し、インディーズゲームを計画中!
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