[CEDEC]ゲームプロデューサー「シブサワ・コウ」としても活躍するコーエーテクモホールディングス社長襟川陽一氏の野望

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岡安 学
2016年08月28日
[CEDEC]ゲームプロデューサー「シブサワ・コウ」としても活躍するコーエーテクモホールディングス社長襟川陽一氏の野望
▲登壇したコーエーテクモホールディングス代表取締役社長、襟川陽一氏

 1980年から約36年間ゲーム開発に携わっているコーエーテクモホールディングス社長、襟川陽一氏による、これまでの歩みとこれからのゲームの未来についての講演がCEDEC 2016のメインステージで行われた。
 講演のテーマは「ゲームの未来」
 襟川氏は祖父の代から始まる繊維・染料の会社を経営する家庭に生まれた。父親がそうであったように、丁稚奉公的に外の会社で修行してくる意味もあり、まずは中堅の商社に勤務。
 その後、繊維業界の不況により、会社の経営が傾いたことで、引き戻された。立て直せる見込みが薄かったこともあり、そのまま会社を整理し、光栄を企業。

 光栄設立時は、前の会社と同じく、染料の会社として業態だったが、数年間赤字が続き、経営状態は改善されなかった。
 そんな折、経営を学ぶべく、経営学の書籍を読み漁っていた時、パソコン雑誌が目に止まり、パソコンの存在を知ったという。ただ、赤字経営の会社には、初任給8万円の時代に20万円以上もするパソコンは手が出せずにいたそうだ。その様子を見かねた襟川恵子会長からプレゼント。そこからパソコンと過ごす日々が続いたという。

 プログラミングは独学で覚え、昼は会社用の財務管理ソフトなどを作成し、プライベートの夜にはゲームの作成に勤しんでいたという。そのゲームは、パソコン雑誌に通販の広告を出し、販売を開始すると、多くのユーザーから支持され、最終的には染料の業務をやめ、ゲームの開発、販売をする会社へと移行することに。

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▲光栄のゲーム第一弾としてリリースしたのが、『川中島の合戦』。襟川恵子さんがデザインを担当し、通販で販売
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▲歴史シミュレーションゲームの金字塔となった『信長の野望』
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▲1994年には東証二部に上場し、歴史シミュレーションとは違うジャンルの女性向け恋愛シミュレーションゲーム『アンジェリーク』を発売

 歴史シミュレーションゲームを中心に、マネジメント、恋愛など他ジャンルのシミュレーションゲームを展開し、さらにはアクションゲームの『三國無双』に至っている。

 染料を売っていた時は同じモノを同じように販売していたので、結果的には値引き競争に陥ってっしまい、業績悪化の原因になっていた。同じシミュレーションゲームでも、多様な展開をすることで、業績を保ってこれたと言う。実際この6年だけみても、連続で増益を記録しており、その要因は多方面にIPを展開していることを挙げている。

 コーエーテクモの基本理念である「創造と貢献」には“IPの創造と展開”での発展という考えが込められている。
 IPの創造は、新しいオリジナルのタイトルをリリースし続けることだ。近々では完全新作タイトルの『NIOH』の発売も。
 プラットフォーム展開は家庭用ゲーム機のみならずスマホやPCのブラウザゲームなどにも展開。コラボやタイアップなど、メディアミックスや共同開発により、IPをより強化している。

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▲利益増加に大きく寄与しているのが、IPの創造と展開。創造は当然のことだが、展開先を広げることで、より収益性の高いIPとなった
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▲IPの展開先もコンシューマゲーム機にとどまらず、スマホやPCブラウザなどのソフトウェアプラットフォームにも提供している
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▲歴史シミュレーションから始まったコーエーテクモの歴史だが、それだけにとどまらず、さまざまなジャンルのゲームタイトルをリリース
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▲IPの魅力をそのまま他のメディアで展開するタイアップ展開も積極的だ

 新しいIPを創造するにあたり、避けて通れないのが開発費だ。世界では500万~1000万本の販売を基準にしているところも多く、開発費は膨れ上がっている。比較的開発費が低いスマホタイトルでも開発費と運営費は軒並み上がっている。なので、いかに効率化をはかれるかが重要になってきているのだ。
 他にもグローバル化するゲームにおいてのCG表現や新しいゲームのトレンド、ライフスタイルなども積極的に取り込むことで、ゲームの未来を構築していくことを考えている。

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▲グローバル展開と言えば、最近日本のアニメ系のCGが海外で人気を持ち始めていることもあり、アニメ系のCGと、今でも人気の高いリアル系のCGの両方をしっかりと抑えている
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▲スマホとコンシューマ機の垣根がなくなり、今後は融合したゲームが展開される予定だ
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▲ゲーム業界で話題の中心であるVRにも着目。『DEAD OR ALIVE Xtreme 3』が対応予定
[CEDEC]ゲームプロデューサー「シブサワ・コウ」としても活躍するコーエーテクモホールディングス社長襟川陽一氏の野望
▲最大8人まで同時プレイができた『信長の野望』は、マルチプレイの元祖。当然、今後のタイトルでもマルチプレイを視野に入れたゲームを開発する

 「FOSTも外せません」とは襟川氏。
 シミュレーションゲームの研究・開発の助成を行う団体で、襟川氏が個人で出資をしている。さまざまな研究機関を助成することで、各分野で多大なる成果もあげている。
 そして、襟川氏の社長としての顔、ゲームプロデューサーシブサワ・コウとしての活動だ。
 先述した新作の『NIOH』のプロデュースを担当し、現在もゲーム制作には携わっている。
 そもそも信長の野望も、社長であったという立場から、戦闘だけでなく、マネジメントのパートを入れられることができたという。社長以外にも、コーエーの経営陣のほとんどがプレイングマネージャーでもあるのだ。

[CEDEC]ゲームプロデューサー「シブサワ・コウ」としても活躍するコーエーテクモホールディングス社長襟川陽一氏の野望
▲襟川氏が出資をしているシミュレーションゲームの研究・開発の助成を行っているFOST
[CEDEC]ゲームプロデューサー「シブサワ・コウ」としても活躍するコーエーテクモホールディングス社長襟川陽一氏の野望
▲2015年度の補助金のリスト、多くの大学の研究者の助成として、資金の提供を行っている

 襟川氏から、これから開発者を目指す若者へのメッセージ「野望を抱け」と。
 野望は一見、分不相応なモノを目指すことになることが多いが、それくらいのことを目指すので良いのだと言う。
 コーエーテクモゲームスもまだスマートフォン向けコンテンツで大ヒットタイトルが存在していない。スマホでも成功を収めたいと野望を抱いているのだ。

 

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岡安 学

 
40歳を超えてもまだ格闘ゲームにうつつを抜かしています。当然、反射
神経とか動体視力とか劣化しまくりなので、ヒット確認などはせ ず(でき
ず)、ぶっ放しと先読みでプレイ。早い所、eSportsでシニア部門ができないか
と日々待ちわびています。ゲーム以外では、デジモ ノ、家電、アニメ、マンガ
あたりも扱っていたりします。『スプラトゥーン』はローラー派。
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