『Back in 1995』 一條貴彰”ゲームとシンセサイザー、それぞれのデボリューション”|シシララ安藤武博のインディーズを見ずに死ねるか!#22

記事カテゴリ: PCゲーム
小野憲史
2016年03月18日

 新作『Back in 1995』で「デボリューション(退化)」をキーワードに掲げるヘッドハイ代表の一條貴彰氏。
 なぜ進化ではなく退化なのか。
 なぜゲームの舞台が1995年なのか。
 インディゲームシーンではピクセルアート(ドット絵)がスタンダードなレトロ表現手法である中、PS1時代のゲームグラフィックには、どのような価値があるのか?

 自ら「90年代のゲーム体験が愛おしい」と語る一條氏。かたや「シンセサイザーの進化はデボリューションの歴史」だと語るシシララ安藤武博氏。
 対談はシンセサイザーの歴史を振り返りつつ、安藤氏が実際に楽器を弾きながらゲームの歴史との関係性について解説するという、予想外の方向へと突き進んでいった。

『Back in 1995』 一條貴彰”ゲームとシンセサイザー、それぞれのデボリューション”|シシララ安藤武博のインディーズを見ずに死ねるか!#22
▲写真左からシシララ代表安藤武博氏、ヘッドハイ代表の一條貴彰氏

ゲームエンジンに「嘘をつく」ということ

★一條氏:
今日はせっかく安藤さんにお会いするので、こういうデモをUnityで作ってきたんです。

★安藤氏: 
おお、かの有名な「みかん爆弾」じゃないですか!(笑)
しかもグラフィックがPS1風のテイストですね。

★一條氏: 
ここでやっているデボリューションは3つあります。
一つは低解像度化。
これでおもしろいのは、いまUnity自身は、自分が720P(1280×720)の解像度で表示していると思い込んでいますが、そこにいくつか処理をかませることで、内部で低解像度にしています。

★安藤氏: 
そういうモードがあるんですか?

★一條氏: 
それはないので、内部的に嘘をついているような処理をしています。

★安藤氏: 
出た、まさにデボリューションですね!
話の腰を折るようで申し訳ないんですが、家庭用ゲームだとドリームキャストの頃に日本でも本格的にネットゲームが作られはじめたじゃないですか。
あのころエニックスとドワンゴが『クロスゲート』(2001年、PC、エニックス、開発ドワンゴ・ツェナワークス・ポンスビック)というRPGを作っていて、当時ドワンゴさんが使っていたパケットの演算プログラムが、今の話とまったく逆のことをやっていたということを聞いたことがありますね。

★一條氏:
そうなんですか?

★安藤氏:
ある命令をコールすると、本当は大量のパケットをやりとりしているんだけど、プログラム上は少ないパケットのやりとりですんでいる……そんな嘘をついてコンピューターをだますようなテクニックがあったんです。
そうすることで、モデムの遅い回線速度でも快適に通信ができるプログラムを、当時最先端のネットワークエンジニアが作っていたんですよ。
これは川上量生さんの著作でも描かれているお話ですね。

★一條氏:
おもしろい技術ですね!

★安藤氏:
そんなふうに、いかにコンピュータを騙して通信効率を高めるなんかも、ネットワークエンジニアの腕の見せどころでした。
でも、『Back in 1995』では反対ですよね。

★一條氏: 
実は仕掛けは単純で、小さいテクスチャに描画結果を縮小描画して、それをカメラの前に配置しています。
こうすることで、仮にPS4やPS Vitaでプログラムを動かしたとしても、高解像度で描画されることを回避できます。

★安藤氏: 
なるほど。
このデモでも、みごとに当時の質感が再現されていますね。
背景が青一色なところも、懐かしいですね。

★一條氏: 
それは単純に時間がなかったんですよ(笑)。

★安藤氏: 
でもこんな感じですよ。
本体のポリゴンに演算をさいたから背景は省略せざるを得なかった、みたいな。

★一條氏: 
デボリューション二つ目は、モデルを動かすと頂点がガタガタするところ。
PS1は頂点の演算の精度が低かったんで、こういう感じになるんです。

★安藤氏: 
なるほど、これもシミュレーションしているんですか?

★一條氏: 
はい、そうですね。
でも、僕一人では半分くらいしかできなくて、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの高橋啓治郎さんに手伝ってもらいました。

★安藤氏:
おもしろいなあ。

★一條氏:
最後に、これはちょっとわかりにくいんですが、鋭角から見るとテクスチャが歪むんです。
カメラをモデルに近づけていくと、テクスチャがぐいーっと歪むという。
それも実装されています。

★安藤氏: 
今後こういったものがライブラリになって、楽器のエフェクターみたいに、いろいろ選べるようになるとおもしろいですね。

★一條氏: 
そうですね。
今のままだとただのノウハウなので、講演などで共有できないかなあと画策しています。

★安藤氏:
それにしても、みかん爆弾を作ってくれて、ありがとうございました。

★一條氏:
これまで遊んできたゲームの中でも、『鈴木爆発』(2000年、PS1、エニックス、開発SOL)はすごく印象的だったんです。

★安藤氏: 
でも僕が『鈴木爆発』をつくったのは15年前。一條さんが小学生の頃のゲームでしょ?

★一條氏: 
後追いで遊んでいるんですよね。
スーファミ世代なんですが、親が厳しかったので小学生の頃はゲームを遊べなかったんです。
中学二年生ころからゲームが遊べるようになって、その頃はもうPS1時代でした。

PS1時代のゲームはなぜ「奇妙」なのか

★安藤氏:
どんなゲームを遊んでいたんですか?

★一條氏:
アクションゲームが多かったかなあ。
そんなころに『鈴木爆発』を遊んで、わけのわからなさに驚きました。
まず設定がよくわからないし(笑)。

★安藤氏: 
そうですよね(笑)
ただ、それって『鈴木爆発』だけじゃなかったんですよ。
実際にPS1のゲームって奇妙なもの。「ストレンジ」なものが多いんです。
当時のテレビCMがYouTubeで膨大にアーカイブされていて、まとめて見直したんですが、今見ると軒並みストレンジなんですよね。

★一條氏: 
実写映像でオバチャンとかが出てきて。

★安藤氏: 
それってなぜなのか、ずっと考えていて。
二つ理由があるなと思ったんですよね。
一つ目はハードが16ビットから32ビットになって、CD-ROMが搭載されて、ゲームの表現の幅が広がった。
それとともに異業界のクリエイターが一気に入ってきて、新しいムーブメントがおきました。
『I.Q』(1997年、PS1、ソニー・コンピュータエンタテインメント、開発ソニー・コンピュータエンタテインメント、シュガーロケッツ)『パラッパラッパー』(1996年、PS1、ソニー・コンピュータエンタテインメント、開発七音社)などが典型ですよね。

★一條氏:
懐かしいですね。

★安藤氏:
もう一つはハードが進化したことで、ゲームクリエイターも夢が広がったんです。
『鈴木爆発』は、まさにそのどっちもハイブリッドタイトルで。
僕は、このゲームが処女作。22歳の若造で何のノウハウもなかったわけです。
結構いろんなことができると思っていたんですね。
ゲーム開発の知識なんかほとんどなかったから思いついたことは何でも実現可能だと思っていた。
当時は『ファイナルファンタジーVII』(1997年、PS1、スクウェア)の衝撃がすごかった頃で、若造には「ゲームって何でもできるんだ!」という気がした。

★一條氏:
ああ、そんなタイミングだったんですね。

★安藤氏:
特に『パラッパラッパー』の登場が強烈だったかな。
音楽のゲームだったし、ミュージシャンの松浦雅也さんが作られていた。
自分も音楽をやっていたし、「シティハンター」が好きだったから、松浦さんの作曲されたPSY・Sの主題歌「ANGEL NIGHT 〜天使のいる場所〜」などはよく聞いていました。
PS1って、いわゆる専門的ではない人達がのびのびと自由に描けるキャンバスのような気がしていたんです。

★一條氏:
夢が広がりますね。

★安藤氏:
だから、いま振り返ると古参のゲームクリエイターを前にして、かなり無茶苦茶なことをいっていましたよ。
写真を導入したいとか、世の中にあるすべてのものが爆弾だったら良いとか、ゲームとして簡単には着地不可能なことをいろいろと(笑)
でも、その無茶を全部着してくれたディレクターの四井浩一さんも、その勢いみたいなのは理解していもらっていたんじゃないかなあ。
僕はPS1は何でも叶えてくれると思っていたから、むちゃくちゃいっていた。
四井さんたちも新しい時代が来たから、多少無茶な要求でも、何とかしてやると思っていた。
でもPS1って、何でも叶えてくれるハードじゃなかったんですよね(笑)。

★一條氏:
作ってみてはじめて気がついたんですね。

★安藤氏:
たかだが640MBのメディアで、演算能力も今から考えるとチープでしたしね。
だから、ホントはここまでやりたいけれど、実際に表現できるのはここまでですよというときに、妙なひずみが生じて。
そこで不思議な色合いが出たんですよ。
それがPS1のゲームの「奇妙」なところかな。

★一條氏:
やりたいことと、できることのバランスがとれていない感じというか。

★安藤氏:
実際に今、『ファイナルファンタジーVII』を遊んでみると、ポリゴンキャラの見た目などがけっこう奇妙なんですよ。
レンダリングのムービーも、キャラクターが今と比べると当然マネキンっぽい。
でも、当時はみんなすごいと思っていたわけです。もちろん今でもすごい部分もものすごくあります。
極端に言うとサイケデリックロックに近いかもしれませんね。
ヒッピーがラリッた感じの色合いや音の感じは、今になって聞くとすごく奇妙なんだけど、当時はそれが割と新しくて普通だったという。
そういったところが、あの頃のゲームのおもしろさなのかなあとも感じますね。

★一條氏: 
いろんなタイミングが重なったんでしょうね。
業界外の才能が入ってきたし、ハードの限界があったからこそ、それが味のある表現になったんだろうし。

★安藤氏: 
でも、それを「味」として本格的に捉えたのは一條さんがはじめてじゃないですか?
ほとんどの人は、そんなローテクなものは意味がないよといっていたわけで。

★一條氏: 
繰り返しになってしまいますが、『Back in 1995』の一番のモチーフは初代『サイレントヒル』なんです。
あの当時のホラーやミステリーアドベンチャーがもつ、何かもやっとした感じというのは、ソフトの持つ作品性だけじゃなくて、ハード由来の表現も関係していると思っていて。
それと当時自分が少年だったという記憶が重なって、なにか愛着があるんですよね。

★安藤氏: 
たしかに、『バイオハザード』とか、『クロックタワー2』(1996年、PS1、ヒューマン)とか、その頃のホラーゲームはPS1だから妙に気持ち悪くて怖いというのはありますよね。
『Back in 1995』でも、もやもやーっとしたテクスチャのクリーチャーが動いているのって、絶妙に気持ち悪いんですよね。

★一條氏: 
あとは『バイオハザード』ライクな操作性ですね。
海外でタンクコントロールと呼ばれる操作法で。
実際に展示会で遊んでもらうと、ほとんどの人がアナログスティックで操作しようとして、つまづくんです。
いやいや、当時はまだアナログスティックはありませんでしたよと。

★安藤氏: 
あの操作は海外だと『アローン・イン・ザ・ダーク』(1992年、PC、インフォグラム)あたりからかな。
みんな最初は戸惑いましたよね。
しかも、それがちゃんとゲーム性になっていて。
ちゃんと動かせないから追いつかれて、犬に噛まれて殺される。

★一條氏: 
『Back in 1995』でも、『サイレントヒル』と『アローン・イン・ザ・ダーク』の、ちょうど中間くらいのグラフィックや操作感覚をめざしています。
日本のインディーゲームの世界でも、こういったグラフィクス面での多様性がもっとあっても良いなと思うんですよ。
これからもっと、こういったグラフィックのゲームがどんどん出てきて欲しいんです。

シンセサイザーの歴史にみる「デボリューション」

★安藤氏: 
そういったところは、まさに音楽と一緒ですね。
シンセサイザーの話に戻りますが、なぜ『Back in 1995』のデボリューションというコンセプトに共感するかというと、自分が音楽をやっていたからなんです。
SY-85という92年のシンセサイザーで、僕はヘビーメタルバンドのキーボードをやっていたんですよ。
もっとも、当時はハードロック系のバンドって、キーボードが少なかったんですよね。

★一條氏:
そうだったんですか? なぜでしょうか。

★安藤氏:
シンセポップの影響で、軟弱なイメージがあったんですよ。
実際、ジューダス・プリーストというバンドがシンセサイザーを導入しただけで、アルバムの評価が下がったくらいです。
ギターにシンセサイザーの音源をのせて、ギターシンセを導入したんですが、メディアから「日和った」などと書かれて。
でも、それより前だと、70年代のディープ・パープルみたいに、鍵盤楽器が主役のハードロックバンドもあったんですよね。
そのうちにヘビメタの方にもだんだんとシンセサイザーの波がきて。
僕らも、そういったバンドのコピーから始めました。
ただ、すごく不満だったことがあったんです。
SY-85では、ディープ・パープルが活躍していた頃のサウンドが作れなかったんです。
具体的にいうと、どれだけシンセサイザーを爆音でならしても、ぎゅわぎゅわわわんんん、みたいなギターのディストーション(エフェクターなどで意図的に歪ませた音)に負けてしまうんです。

★一條氏:
でも、70年代はそれができていたわけですよね。

★安藤氏:
それは70年代のシンセサイザーがアナログだったから。
これが90年代になってデジタルシンセサイザーになると、FM音源やAWMサンプリング音源の使用で楽器が進化したはずなのに、逆に昔のような音が出せなくなっちゃったんですよね。
これは、いったいなんでなんだろうと。
SY-85って当時のシンセサイザーではもっともロックに近い音が出ると思っていたから、すごい期待して買ったんですよ。
それなのに、なんで俺が新聞配達を毎日早起きして頑張って買った、20万円のシンセサイザーが、ギターの音に負けてしまうのか。

★一條氏:
そんなの聞いてないよという。

★安藤氏:
当時はシンセサイザーの出力側に、ギターのディストーションのエフェクターみたいなものをつないで、ギターに負けないような音にしていたんですが、それでもストレスで。
そのうちに自分もキーボードからベースに移っていったんです。
ところが1990年代後半から、昔のアナログシンセサイザーの音が再評価されてきて、デジタルアナログシンセサイザーが出てきたんです。
それを楽器店で試奏したとき、はじめてアナログシンセサイザーのサウンドを実感して、膝を打ちました。
デジタルでシミュレーションされた音にもかかわらず、音の抜け方や音圧がまったく違っていて、これだと思ったんですね。

★一條氏:
めざしていた音に対して、世間がおいついたみたいな。

★安藤氏:
つまり「昔の音を最新のデジタル技術でシミュレーション」しているわけじゃないですか。
やりたかったのは1970年代のアナログシンセサイザーの音。
それが1990年代には「古くさくて、価値のない音」になっていた。
それが近年再評価されて「わざわざデジタルで創り出す」ようになっていった。
これってデボリューションじゃないかと。

★一條氏:
たしかにそうですね。

★安藤氏:
今はそこからもう一周して、再びFM音源も再評価されてきて、ヤマハのDXシリーズで最新モデルとなる「reface DX」が2015年に発売されています。
そんな感じなんですよ音楽って。
だからゲームもきっとそうなると思っていたんです。
だから『Back in 1995』のコンセプトはいいなあと。

★一條氏: 
今の話も「自分はこういう音が欲しい」「でもそれをやっている連中がいない」「だから自分でいろいろサウンドを工夫して実現しよう」といった具合に、インディーゲーム開発とおきかえられますね。
もしかしたら、今となっては確固たる地位を占めているドット絵やチップチューン的な表現も、PS2の頃は古くさいものだったかもしれませんね。
でも時間が経つにつれて、あれはあれで味があっていいよね、というふうになってきたのだとしたら……。

安藤武博によるシンセサイザー実演講座

★安藤氏:
本当にそうですよね。
話ながらいろいろ思い出してきたんですが、実は初期アナログシンセサイザーの時代は、モノフォニックといって、一度に一つの音しか出せなかったんですよ。
だから、ドの音をひいているときにミの鍵盤をおさえると、ドの音がキャンセルされてミの音が鳴るんです。
でもシンセサイザーの処理能力が向上していくと、ゲーム機みたいに同時発音が可能になって、和音が出せるようになるんです。
これをポリフォニックといって、ドの音とミの音が一緒に出せる。
でも、反対にポリフォニックが過去のものとして軽視されて、一時期アナログシンセライクなリードの音でもモノフォニックがすんなりできなくなっちゃったんです。
ド→ミと鍵盤を順番におさえても、ドの音がちょっと残っちゃうんですよね。
それが嫌でした。

★一條氏:
短音だけだった時代から、和音が出せるようになって、一見進化した感じなのに……。

★安藤氏:
モノフォニックの表現をしたくてもできにくくなったんですよね。
でも、今のデジタル=アナログシンセサイザーではモノフォニックを再現できるモードがあって、ドの音をデジタルでシャットアウトできるようになったんです。

★一條氏:
あえてレトロ感を出すために最新技術が使われているわけですね。

★安藤氏:
また、一つの音から別の音に移る時に、ウァァァァンと音をつなげるポルタメントという効果があって、これがアナログシンセサイザーの味にもなっていたんです。
アナログ的に音が移っていったので、難しいことを考えなくても鍵盤を抑えるだけでできた。
でも、デジタルシンセサイザーになると、音をデジタルできっちりと再生するので、逆にこれが難しくなってしまって。
だからモノフォニックとポルタメントができなければ、70年代の頃の出音が再現できなくなっちゃったんです。
それが当時のサウンドの味になっていたわけですが……。

★一條氏:
70年代のモノフォニックサウンドに感銘を受けた世代が、90年代になって同じことをしようと思っても、それが難しくなってしまったという。
本当にゲームと同じですね。

★安藤氏: 
そうなんです、だからすごくおもしろいんです。
せっかくシンセサイザーがいっぱいあるので、ちょっと弾きながら説明してみましょうか。
読者の皆さんには直接聞かせられないので、申し訳ないんですが。

★編集部:
ぜひお願いします。

★安藤氏:
最初に90年代のデジタルシンセサイザーを弾いてみましょう。
ふぁふぁふぁふぁふぁ、みゃみゃみゃみゃみゃ、どーん、どーん♪
こんなふうに、このころのシンセサイザーは、すごく音に広がりがあって、余韻があるんです。
ふわーん、ふわーんという。
これが軟弱といわれた理由です。
まったく攻撃的ではないですよね(笑)

★編集部:
実に80年代という感じがします(笑)

★安藤氏:
じゃじゃじゃじゃじゃーん♪
ちょっと攻撃的な音色で弾いてみましたが、これでもギターとかの音に比べると、軟弱に聞こえちゃうんです。
まさに、そのとおりでして。
その後、シンセサイザーにPCM音源が搭載されて、サンプリングされた音が再生できるようになったので、たとえばベースの弦をスラップ(弾くように指を叩きつけたりひっぱたりして弾く奏法)した時の音などが、そのまま鍵盤で再生できるようになります。
ベチンベチンバキバキバキ♪
スーパーファミコンではPCM音源が搭載されたので、こういった音が出せるようになりました。
伊藤賢治さんなど(元スクウェア・エニックス、代表作『ロマンシング サ・ガ』シリーズなど)は、よくこのスラップベースのサウンドを使われていますよね。

★一條氏:
ああ、そうですね。

★安藤氏:
エフェクターをきかせて、エレキギターっぽく弾くこともできます。
ぐわぐわぐわーんとれろとれろとれろ〜♪
これでも、エコーがきいていて、ふわーっとした音になっていますよね。ギターソロのソリッドな感じが出ないんです。音抜けが悪い。
ライブでこのシンセでギターと一緒にユニゾンすると、客席ではギターの音しか聞こえなくて。これが不満だったんです。

★編集部:
これだけ聞いていると、迫力がありますが、ライブで聞くと埋もれちゃうんですね。

★安藤氏
それからこれを良く聞いてください。
ドをひいて、ミをひくと、ドーミーという感じで、切り替わりのところで音が混じってしまって、ちょっとだけ和音になってますよね。
これがすごくいやだったんです。
ところが時代がくだって、デジタル=アナログシンセサイザーになると、出音が全然違いますよ。
たとえば、ぴ、ぽぽ、ぴーぽわーん♪
前の音が全然のこらないでしょう?

★編集部:
ああ、本当ですね。

★安藤氏:
ポルタメントもやってみましょうか。
ミレドミレドミレドラソラドォワワワワァァン♪
音のつながりがギターのチョーキングみたいで、かっこいいでしょう?
これがアナログシンセサイザーの味でした。
90年代のデジタルシンセサイザーでも、やってやれないことはなかったんです。
ただ、当時はそんな音は古いといわれていて、それよりも同時発音数が多いことの方をありがたがる風潮がありました。
それが90年代後半から、モノフォニックが再評価されてきて、劇的に復活したんです。

★編集部:
時代ごとに人の好みって、移り変わっていくんですね。

(以下次号)

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