[CEDEC2015]「〇〇使いにはなっちゃだめ」ゲームエンジンメーカーが、ゲームエンジンを徹底比較

2015年08月29日

 Chukong Technologies Japanによる講演「ゲームエンジン徹底比較!Cocos2d-xのデメリット克服ガイド!」では、広報の清水友晶さんによる各社ゲームエンジンの比較が解説されました。
 自分を「ゲームエンジンおたく」だという清水さんは、ゲームエンジンが登場すると必ず触るようにしているとのこと。今回の講演では、自社のゲームエンジンの宣伝をするのではなく、ゲームデザイナーが最適なエンジンをチョイスできるお手伝いがしたいと語ります。

ゲームエンジンはゲームの心臓

 さて、比較に先立ち、ゲームエンジンのそもそも論を語る清水さん。ゲームエンジンはエンジンと名のつくとおり、車で言えばエンジン。人間の体にたとえるならば心臓だと説明。
 映像、音声の処理に対して、ハードとの仲介をしたり、物理シミュレーションをしたり、AIの制御をしたりとするのがゲームエンジン。今では、ゲームだけではなく、プロジェクションマッピングやドラマのキャラクター、教育や医学のシーンでも使われるようになっているそうです。

 つづいて、コンシューマーゲームとスマホゲームの開発背景を紹介する清水さん。家庭用ゲームの場合、PSやXbox、3DSなど、決まったハードでゲームをリリースするので、OSは固定され、更新の必要がないため、自社で開発したエンジンを使用する場合が多いとのこと。それにくらべ、スマホゲームではOSは随時更新されアップデートが求められるため、エンジンの開発コストが大きくなるとのこと。そのため、メーカーが提供するエンジンを利用するとこが大きくなるとのことです。
 さらに、メーカーのエンジンを使ってゲームを開発するメリットとして、外部からの開発者が即戦力になると語る清水さん。自社エンジンでは、それに慣れる時間が必要となりますが、メーカーのエンジンだと、知識を教える時間は必要がないというわけですね。

ゲームはエンジンから生まれるのではなく、企画を最適な形でゲーム化するツールがエンジン。企画にあったエンジン選びを

 エンジンの基礎を説明後、いよいよ清水さんによるゲームエンジン比較が開始されます。清水さんは「〇〇使いって開発者にはなってほしくない」といいます。というのも、それではゲーム開発の際に選択肢が少なくなりますし、表現の手法を狭めるということからです。ゲームエンジンは企画、アイディアを見て、そのプロジェクトに最適なエンジンをチョイスして使用できる開発者になってほしいと語ります。

=unity=
コンシューマー、ブラウザーなどクロスプラットフォームで使用できる。
無料版もあるが、本格的に利用するとコストがかかる。1アカウントについて19万円ほどのコストがかかるので、10人で開発するなら、その人数分購入する必要がある。

=COCOS2DX=
2Dに適したエンジン。3Dもいけないわけではないが、あまり向いていない。
コンシューマーゲームの開発には対応していない。
英語、中国語での情報は多く蓄積されているが、日本語での情報は少ない。
オープンソースなのでコストは無料

=UNREAL ENGINE=
無料化されたばかりのエンジン。
クロスプラットフォーム開発が可能でこれから伸びてくると思われるエンジン。
ただし、本エンジンを使って開発したゲームの売上が、4半期に3000ドル以上の売上がある場合、売上の5%をロイヤリティーとして支払う必要がある

=lib GDX=
海外では非常によく使われている人気のエンジン。
セットアップ画面があるので操作が簡単になった。
言語はJAVAを使用

=ADOBE AIR=
アドビフラッシュを使用したエンジン。
日本の開発現場でもちらほらと見られる。
コストは月額2180円がかかる

=アンドエンジン=
2、3年前はよく使われていたエンジンだが、今ではあまり見ないゲームエンジン。
クロスプラットフォームに対応しておらず、アンドロイドのみのゲーム開発しかできない。

=Corona SDK=
クロスプラットフォームの開発が可能で、フリーで使用できるエンジンだが、日本でのサポートはされていない。

=GameSalad=
開発言語が独自言語なのが特徴。
ゲームをドラッグ&ドロップで作っていくことができる。
すぐにPC上でプレビューを見ることができる。
開発が非常に簡単なので、子供でもゲームを作ることができる。
コストは月29ドル。

=GameMakar Studio=
最大の特徴はコストが非常に高い。
価格は599.99ドル。

ゲームエンジンの選び方

 「Cocos2DXが最高! ・・・って言う人は信用しないでください(笑)」と自社エンジンの売り込みをしない清水さん。会場も爆笑です。

 では、これだけあるゲームエンジンの中から、どのゲームエンジンをチョイスするのがいいのか。
 清水さんは、以下のように選択する方法を述べます。
〇どんなゲームを作るのか
・3Dなのか2Dなのか
・ジャンル
・対応OSは?
〇どれくらいの規模のゲームなのか?
・開発期間
・開発人数
・PG、デザイナの経験
〇ほか
・将来の展望
・運用の方法は?
・サポートの必要性

 このように、ゲームの企画からどのエンジンをチョイスするのかが開発者には必要だそうです。
 だからこそ、理想としてはすべてのゲームエンジンに触れて、これから始めるプロジェクトに最適なものを見つけることが必要だとのこと。実際に、最新技術を追っている企業はゲームエンジンの選定を行っているそうです。
 しかし、現実には問題がいっぱい。時間がない、お金がない、サポートがないと開発できないなどなど・・・。

 その現状を踏まえ、これまで多くの開発企業と話した清水さんの経験から、選定の基準を一例として紹介してくれました。

〇3Dゲームを開発する場合
エンジンはUnity、UnrealEngineが適している。
日本語の情報が豊富なのはUnity。
エンジンのソースが確認できるのはUnrealEngine。

…3DがおまけでいいならCocos2D-X

〇2Dゲームを開発する場合
Cocos2D-XとUnityは開発実績が多数ある。
処理速度を重視するならCocos2D-X。
プロトタイプ重視であればUnity
弾幕シューティングゲームなどであればCocos2D-X。

〇ハイブリッドゲームを開発する場合
スマホゲームとブラウザーゲームのハイブリッドであればCocos2D-XとUnity。
携帯やスマホゲームの開発であればAdobeAir
スマートフォン、コンシューマーゲームであれば、UnityとUnrealEngine。

〇技術的でない理由の選び方
開発の初期費用がないのであれば、Cocos2D-XとUnrealEngine。
ゲームエンジンにお金をかけたくないならCocos2D-X

 とまとめました。

 そして最後にゲームエンジンの今後を語る清水さん。ゲームエンジンが使用されるケースは今後もさらに増えてくるとのことで、今後もしばらくは、2DのCocos2D-Xと3DのUnityの2強状態は続くだろうと予想。
 GDC2015で無償化を発表したUnrealEngineは、これからすこしずつ事例が出てくると語ります。同じく、無償化を発表したCoronaSDKに関しては日本語によるサポートがないため、今後伸びる可能性が少ないと考えるそうです。
 やはり、日本語サポートがないエンジンの場合は日本での普及は難しいそうです。

 ゲームエンジンを使いこなすには、1つのエンジンに依存しないツールを利用し、ツールにおいてもサポートが整っているものを選定する必要があるそうです。

 

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