クリエイターズファイル  
「コンセプトを明確に」『ナムカプ』斉藤和衛さん
2007.01.15
   
 
CHARACTERS & SOUND:(C)CAPCOM (C)いのまたむつみ (C)NAMCO (C)2005 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED.

第255回

斉藤 和衛さん

 今回のクリエイターズファイルのゲストは、『スーパーロボット大戦』シリーズ、『ナムコ クロス カプコン』といった作品のキャラクタデザインを担当された斉藤和衛さんです。もともとは漫画家として活躍されていた斉藤さんですが、ある人物のひと言によって、ゲームのキャラクタデザインも担当するようになったとか。それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。


最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。


斉藤氏:
 『スーパーロボット大戦COMPACT2』『スーパーロボット大戦A』『スーパーロボット大戦IMPACT』『スーパーロボット大戦MX』『リアルロボットレジメント』それに『ナムコ クロス カプコン』ですね。
  主に主人公キャラ・主人公ロボットのデザインをさせて頂きましたが、『スーパーロボット大戦IMPACT』以降は戦闘原画やカットイン原画も担当しました。あ、でも根っこは漫画家です。確定申告は漫画家でやってますから。

 今の仕事をするきっかけになったのは、前回登場された森住君から「ロボットのデザインしてみない?」と言われたことです。それまではバイトしながら漫画を描くという生活だったので、何か変化が欲しいというのもあり「自分でよければ」と引き受けましたた。それが運のつきでした。



前回ご登場いただいた、森住さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。



斉藤氏:
 昔、森住君と2人で飲みに行った時の事です。その日は彼が「おごる」と言うのでそのつもりでいたんです。すると、精算の時になって森住君が「銀行に行ってない」と言い出しまして。そこまでならよくある話なんですが、その時の2人の所持金が、代金にあと1円足らないというネタみたいな状況でした。なんとかお店の人にまけてくれないかと頼んだんですが無理だったので、荷物を散々探したら10円出てきて、事なきを得ました。朝の4時位だったので本当に焦りましたね。その他にも、彼を学生の頃から知っているので面白エピソードは沢山ありますが、とてもココでは言えませんねぇ…。とか言うと本人に怒られそうですが。



これまで、自分の仕事に影響を与えた出来事、大きな転機となった出来事などはありましたでしょうか。また、それは斉藤さんにどんな影響を与えてくれましたか? また、どのようにして作品を描かれているのか教えてください。


斉藤氏:
 大きな転機となった出来事といえばやはり、先ほども言いましたように森住君に声をかけてもらった事でしょうか。それまでは「ゲームをやる側」だった自分が「ゲームを作る側」に回った瞬間ですから。

 作品を描くに当たっては、一応自分にとって「良い!」と思えるものを描いていくように心がけています。常に全力! 
  ただクライアントのあるものなので、それが必ずしも相手にとっても「良いもの」ではない場合があるので、そんな時は相手の意見を聞き自分の考えと摺り合わせて作り上げていってます。
  外からの意見を取り入れる事で自分では気が付かなかった事に気付かされ、より良くなる事も少なくありません『スパロボ』のアルトアイゼンや『ナムコ クロス カプコン』の零児はそうやって出来上がっていきましたね。



それでは、これまで斉藤さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。また、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか?


斉藤氏:
  全ての作品に思い入れがありますが、中でも『スーパーロボット大戦COMPACT2』と『ナムコ クロス カプコン』は思い入れが深いです。
  『スーパーロボット大戦COMPACT2』はこの世界に入るきっかけになった作品ですので思い入れもひとしおですね。
  『ナムコ クロス カプコン』はとにかく様々な事にチャレンジし、作業量も物凄かったので良くも悪くも思い出一杯です。キャラクタデザイン、全主人公キャラの戦闘原画、敵キャラの戦闘原画の一部、全カットイン原画、果てはMAPキャラまで描きましたから。特に戦闘原画を描いてる時に「乱舞系」の技を持ったキャラには泣かされました。「通常技」が無いので一から乱舞用に技を描かなければならないので、それだけで他のキャラの原画枚数を超えてしまったり…。

 名作として挙げるのは、中学生の頃にやった『ザナドゥ シナリオ2』ですね。
  第一作目も勿論面白かったのですが、『ザナドゥ シナリオ2』は全ての面においてパワーアップしていて、とにかくワクワクしながら遊んでいました。RPGでありながらパズルゲームやアクションゲームのような「ただ移動するだけ」ではないMAP。ダンジョンの奥に待ち受ける巨大なボスキャラ。音楽も格好良いものばかりでした。それらを攻略して次のステージレベルへ向かうケーブを前にした時のドキドキ感は今でも鮮明に覚えています。
  あのゲームの凄いのは、ステージレベルの数字の大小が敵の強さとは全く関係ない所なんです。今いたステージより数字の小さいステージに出たからといって安心していると、敵と戦闘で触れた瞬間コッチが倒されてたり…。最後まで気の抜けないゲームでした。



「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。


斉藤氏:
 ドット絵で育った世代なのでやはり2Dのゲームが遊びたいですね。最近めっきり見かけなくなったベルトスクロールタイプのアクションゲームなどは、機会があったらデザインなどで作る側に回ってみたいと思ってます。もちろん3Dゲームも好きですけどね。最近はモンスターを狩るゲームばっかりやってますから。

 私の場合はデザインが主な仕事なのでそれに関しての事になりますが、作品を描くにあたって大切なのは「明確なコンセプト」だと思います。
  「何となく」描いたものはそれを見た人にも「何となく」しか伝わりません。自分の中で「ココを見てくれ!」といった部分を明確にして描いていくとより完成度の高く、自分も、それを見た他の人にとっても納得度の高いデザインが出来ると思います。「~が~だから格好良いでしょ!可愛いでしょ!」とコンセプトが明確な物の方がより見ている人に伝わり易いと思いますし、たとえその時ダメでも、コンセプトがしっかりしていればそこを軸として幾らでも改良していけますから。そして、色々な人に意見を聞いてたくさんダメ出しされて下さい。私も森住君にはこの10年程の間、数え切れない位のダメ出しを頂いて、最近ようやく「斉藤は少し絵が上手くなった」と言ってもらえるようになりました。人間、叩かれた分だけ強くなれます!皆さんもバシバシ叩かれて強くなっていってください!


コンセプトをもって描くことが大切だとおっしゃる斉藤さん。「ここを見て欲しい」という思いと、作り手の愛情が詰まった作品だからこそ、見る人の心を打つものになるのでしょう。まだまだたくさんのお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。



斉藤氏:
 フリーのイラストレーターの春山和則さんをご紹介します。
  『ナムコ クロス カプコン』で仕事をご一緒させて頂いたのですが、とにかく描ける絵の幅が物凄くて羨ましいです。そのスキル下さい! 『ナムコ クロス カプコン』打ち上げで初めてお会いしましたが、ご本人は物静かな紳士でした。


『ナムコ クロス カプコン』『武戯 -BUGI-』などの作品にたずさわってこられた春山さん。一体、どのようなお話をお伺いすることができるのでしょうか。次回もお楽しみに。それでは斉藤さん、今回は本当にありがとうございました。

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