今回のクリエイターズファイルのゲストはMMORPG『クロスゲート』、Xbox 360『プロジェクト シルフィード』といった作品に携わられてきたスクウェア・エニックスの五井智久さんです。MMORPGや家庭用ゲーム機で数々の作品を世に送り出してきた五井さんですが、もともとはゲームとは接点はなさそうなお仕事をされていたとか。果たして、当時五井さんがされていたお仕事とは何だったのでしょうか? そして、現在のお仕事に就くことになったきっかけとは? それでは、早速お話を伺っていきましょう。
五井氏: ハドソンで開発ディレクターを4年半、プロモーションチームに2年、商品戦略室に2年と在籍した後に退社しました。ハドソン退社後は、半年間のフリー期間を経て、エニックスにネットワークゲームプロデューサーとして入社し、現在に至ります。 携わったタイトルとしては、国産MMO-FPS『JunkMetal』の原案、制作、運営のプロデュース。MMORPG『クロスゲート』のアジア圏運営プロデュース業務等があります。最新のプロジェクトでは、Xbox 360の『プロジェクト シルフィード』総合プロデュースに携わりました。
実はゲーム業界に入る以前は、ススキノでバーテンをしてました(苦笑)。その時にかつてハドソン在籍時の上司だった人に出会い、意気投合したのがこの業界に入ったきっかけです。もう15年以上前になりますが…(笑)。 元々ゲームは大好きでしたが、自分でゲームを作ろうなどと思った事は1度もなく、その方との出会いがなかったら今の私はないだろうなぁ、と思うと数奇な運命を感じます。ちなみに、その時の殺し文句は「ゲーム好きは沢山いるが、普通に人と話せるヤツはあまりいない。だからちゃんと話のできるヤツが欲しいんだ」でしたね。 いやぁ、懐かしい(苦笑)。
前回ご登場いただいた、山口さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。
思い出深いタイトルで言うと、『JunkMetal』と『プロジェクト シルフィード』。この2本ですね。 『JunkMetal』では、「MOだけどFPSにしたいんだ!」とダダをこねまくり、原案からシステム、横山宏さんのところに飛び込みでお願いに行ったデザイナー選定、開発指揮など、全て自分でやりました。上手く行った事も失敗した事も沢山ありましたが、βテストから運営と本当に熱いファンの人達がゲーム世界そのものを盛り上げてくれて、応援や励まし、厳しいご意見まで、作り手からの一方通行ではない「作り手と遊び手のコミュニケーション」を体感させてもらった、という私にとっての貴重なタイトルです。 『プロジェクト シルフィード』はその全く逆で、ひさびさのパッケージタイトル。しかもシューティングには一過言あるゲームアーツ、セタのスタッフをはじめ、シナリオ/CGではアニマの笹原さん他、これまたスゴイ魂の人たちを束ね、バランスを取り、ゲームを完成に導くという仕事をさせて頂きました。いやぁ、本当熱かったなぁ。みんなプロでスゴイ仕事してくれるんですが、それ以上に頑固でしたね…(笑)。『プロジェクト シルフィード』の企画が来た時に、「これは是非、着地させたいなぁ」と強く思いました。シューティングを作れるチームがあって、歴史のあるタイトルもある。なのに、今の市場ではシューティングはすでに下火なので、ビジネスとしてはなかなか着地できなさそうだったんですよね。でも、シューティングで育った世代としては「シューティングというジャンルへの恩返し」をして、復権の一助にでもなれれば、と思い引き受けました。そんな気持ちで始めたのですが、本当に多くのこだわりのスタッフと出会うことができ、結果として、自分自身得るものの多いプロジェクトだったと思います。
会社まで辞められるほどのめり込まれたとは(笑)。確かに、そこまで夢中にさせてくれるゲームは名作ですね(笑)。それでは今後、どんな作品を手掛けていきたいかを教えてください。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うことをお聞かせ下さい。
やっぱり作品作りに必要なのは「愛」ですかね。いや本当に。 ゲームを作るのはとても大変です。「遊ぶモノを作るのになんでこんな大変な思いをしてるんだろう」とヘコむ事もしばしばです(苦笑)。「好きなだけではゲームは作れない」のです。仕事として、プロとして従事する以上、現実はシビアですから。でも最後には「本当にゲームが好きじゃないとこの仕事は務まらない」と思います。結局、どんな仕事もそうですよね? 初心を忘れず、私も次のタイトルに望みたいと思います。次も何かメカものがやりたいなぁ。
ゲームに限らず、“愛”を注ぎ込むことが大切とおっしゃる五井さん。“愛”と呼べるだけ好きなものだからこそ、熱い情熱が注ぎこまれた名作となるのでしょう。次回作、非常に楽しみにしています! まだまだ、たくさんのお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。
五井氏: スクウェア・エニックスの浅野智也さんを紹介します。ニンテンドーDS版『ファイナルファンタジーIII』を送り出したばかりの勢い抜群の若手プロデューサーですよ!
ニンテンドーDS『ファイナルファンタジーIII』のプロデューサーを務められた浅野さん。一体どのようなお話をお伺いすることができるのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは五井さん、今回は本当にありがとうございました。
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