今回のクリエイターズファイルのゲストには、ナムコの人気RPG『テイルズ オブ』シリーズのプロデューサーを勤められている吉積信さんをお迎えしています。もともとはナムコで宣伝を担当されていたという吉積さん。その、当時の経験がプロデューサー職になられても生きているのだとか。もちろん、『テイルズ オブ ジ アビス』製作時のエピソードもお聞きしています。それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。
ナムコに入社したきっかけは、採用担当のお姉さん社員がタイプだったからです。その後、宣伝・広報から、開発に転属することになったのは、そうですねえ、プロデューサーという役職は、これくらいでしゃばりの人間の方が良いと、当時の偉い方がカン違いされたからではないかと推察いたします。
前回ご登場いただいた、佐々木さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。
名作として挙げるのは『タクティクス オウガ』ですかねえ。ゲームそのものもさることながら、世界観設定やストーリーラインに感動しました。ああいったやるせなさ、むしろ完結しない、ハッピーエンドにならないストーリー、といったものをよりリアルに表現できたらなあ、と常々思います。『テイルズ オブ ジ アビス』ではちょっとそのテイストを混入させることに成功しました。
私は打合せとか、雑談とか、そういう「しゃべくりあい」のなかでアイディアが思いつくタイプです。思いついたことを口に出しながら「あれ?いま言ったこれ、なんか面白くない?」とか、改めて気がついたりしてね。でもまあ、そういうのはほんの少しで、ゲームの中に盛り込むには現場のスタッフの思いついたことの方が全然面白いですから。
「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けてメッセージをお願いします。
ゲーム以外のことにも目を向けることが大切だと考えます。ゲームをプレイするのが好きなのは良いと思いますが、盲目的に好きになるのは危ういと思います。異性に対しても同じことです。自分のライフスタイルの中でゲームが占める割合が、なんかちょっと多め、くらいで十分です。その他の部分はゲーム以外で埋まっている方が健康的だし、制作者としてもそのほうが良いと私は思います。
盲目的にゲームを見るのではなく、他のことにも興味を向けることが大切だとおっしゃる吉積さん。ゲームをトータル的に“見る”プロデューサーという職を務めるためには、様々なことに対する興味、知識が必要なのですね。最新作、『テイルズ オブ ザ テンペスト』も楽しみにしています。まだまだたくさんのお話をお伺いしたいところですが、今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。
シナリオライターとして、様々な作品に参加されている実弥島さん。一体、どのようなお話をお伺いすることができるのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは吉積さん、今回は本当にありがとうございました。