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Last Update:2006/03/27
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第222回
ナムコ
吉積信さん

 今回のクリエイターズファイルのゲストには、ナムコの人気RPG『テイルズ オブ』シリーズのプロデューサーを勤められている吉積信さんをお迎えしています。もともとはナムコで宣伝を担当されていたという吉積さん。その、当時の経験がプロデューサー職になられても生きているのだとか。もちろん、『テイルズ オブ ジ アビス』製作時のエピソードもお聞きしています。それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。

(C)藤島康介 (C)2005 NAMCO LTD.

最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。また、吉積さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃、どんなことがきっかけでしたか?

  吉積氏:
 1988年ナムコに入社し、その後販売・広告宣伝などを経て、2002年5月から『テイルズ オブ』シリーズを中心としたタイトルのプロデューサーを任されています。プロデューサー、なんて偉そうですが、私の場合は映画やテレビのプロデューサーのように、コンテンツを完結させるためのいろんなことを任されている、という認識です。そういう意味では、他のゲームプロデューサーの方とは違う役割だなあ、と思うことが良くあります。
  現在、DSの『テイルズ オブ ザ テンペスト』に集中しております。発売日を延期してしまって本当に申し訳ありません…。心からお詫びいたします。遅れちゃったのはすべて私の責任ですので…。

 ナムコに入社したきっかけは、採用担当のお姉さん社員がタイプだったからです。その後、宣伝・広報から、開発に転属することになったのは、そうですねえ、プロデューサーという役職は、これくらいでしゃばりの人間の方が良いと、当時の偉い方がカン違いされたからではないかと推察いたします。

 


前回ご登場いただいた、佐々木さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。



吉積氏:
 佐々木さんにはじめてお会いしたのは、おそらく5年ほど前になると思うんですが、不思議なことに年々若くなっているように思います。以前は、大人の落ち着きに満ち溢れていたように感じますが、最近では髪の毛を茶色く染めちゃっているし、服装もビジュアル系にシフトしています。このままだと、来年の今くらいには中学生のようになってしまうかもしれません。ま、それも楽しみですが。


これまで、自分の仕事に影響を与えた出来事、大きな転機となった出来事などはありましたでしょうか。また、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか? 

  吉積氏:
 職歴の中ではプロモーションを7年ほど担当していた、あの時期がもっとも大きな転機だったと思います。開発セクションにも出入していましたし、販売セクションも見えるし、いろんな人に会えたし。そんな混沌とした立場で仕事ができたことが勉強になりましたね。
  入社して以来、多くの先輩社員や取引先の方、いろんな方から毎日、さまざまなものを吸収させていただいた、その積み重ねが今のエネルギーになっていると、最近強く感じます。

 名作として挙げるのは『タクティクス オウガ』ですかねえ。ゲームそのものもさることながら、世界観設定やストーリーラインに感動しました。ああいったやるせなさ、むしろ完結しない、ハッピーエンドにならないストーリー、といったものをよりリアルに表現できたらなあ、と常々思います。『テイルズ オブ ジ アビス』ではちょっとそのテイストを混入させることに成功しました。

 


これまで吉積さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。また、これまでのお仕事の中で、アイディアが浮かんだ瞬間は、どんなときが多かったのでしょうか?

  吉積氏:
 どのタイトルもそのときどきに、忘れられないエピソードがあるものですが、強いて言えば最新作の『テイルズ オブ ジ アビス』ですかねえ。クオリティに関してだけ言えば、目指したレベルにほぼ到達できた“奇跡的な”タイトルでした。ギリギリでしたが。時間も予算も限られていたのに、それをクリアして、この内容が完成したことはスタッフ全員に感謝したいと思います。とくにテーマソングを歌った「BUMP OF CHICKEN」とのコラボレーションは強烈に刺戟的でした。第一線で活躍しているアーティストの「アーティストビリティ」というか、クリエイター魂というか、なんかよく訳のわからない無尽蔵なエネルギーを感じました。日曜日の夜中に呼び出されるとか。いや、それは私じゃなくてディレクターの樋口義人の体験談ですが。一点だけ残念なのは、販売目標数が達成できてないところです。

 私は打合せとか、雑談とか、そういう「しゃべくりあい」のなかでアイディアが思いつくタイプです。思いついたことを口に出しながら「あれ?いま言ったこれ、なんか面白くない?」とか、改めて気がついたりしてね。でもまあ、そういうのはほんの少しで、ゲームの中に盛り込むには現場のスタッフの思いついたことの方が全然面白いですから。

 


「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けてメッセージをお願いします。


  吉積氏:
 文壇で言えば「芥川賞」を受賞するようなゲームを作りたいです。純文学的、というか、哲学的というか。そういうエンターテイメントも、もうそろそろ誰か作りたいと思っているんじゃないのかなあ、と思います。
  個人的に今、一番興味があるのは福岡ソフトバンクホークスです。季節が季節なので。今年は絶対、福岡に見に行こうと心に決めています。いつ行けるのかは未定ですが。
  私のケータイはずーっとvodafoneでして、先日、最近機種変更したので待ち受け画面をホークスの球団ロゴにしたんです。その次の日に、ソフトバンクのvodafoneへの資本参加のニュースが出ていました。なんか、先取りしたみたいで嬉しかったです。

 ゲーム以外のことにも目を向けることが大切だと考えます。ゲームをプレイするのが好きなのは良いと思いますが、盲目的に好きになるのは危ういと思います。異性に対しても同じことです。自分のライフスタイルの中でゲームが占める割合が、なんかちょっと多め、くらいで十分です。その他の部分はゲーム以外で埋まっている方が健康的だし、制作者としてもそのほうが良いと私は思います。

 


盲目的にゲームを見るのではなく、他のことにも興味を向けることが大切だとおっしゃる吉積さん。ゲームをトータル的に“見る”プロデューサーという職を務めるためには、様々なことに対する興味、知識が必要なのですね。最新作、『テイルズ オブ ザ テンペスト』も楽しみにしています。まだまだたくさんのお話をお伺いしたいところですが、今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。


  吉積氏:
 実弥島巧さんを紹介します。『テイルズ オブ シンフォニア』『テイルズ オブ ジ アビス』は、この人なくしては語れないスーパーシナリオライターです。ちなみに女性です。
 

シナリオライターとして、様々な作品に参加されている実弥島さん。一体、どのようなお話をお伺いすることができるのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは吉積さん、今回は本当にありがとうございました。