Last Update:2006/03/20
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第221回
アルファ・システム
佐々木哲哉さん

 今回のクリエイターズファイルのゲストには『式神の城III』、『高機動幻想ガンパレード・マーチ』などの作品を手がけられたアルファ・システムの社長 佐々木哲哉さんをお迎えしています。プレイした多くのユーザーに強い影響を与えたという『高機動幻想ガンパレード・マーチ』の開発エピソードや、PS『MYST』製作時の恐怖体験など、たくさんのお話をお聞きしています。それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。

(C)Sony Computer Entertainment Inc. / BANDAI・BANDAI VISUAL

最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事などを教えてください。また、佐々木さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃、どんなことがきっかけでしたか?

  佐々木氏:
 1979年、パソコン情報詩「I/O」10月号にて大学生時代に、ゲームでは無いのですがシャープMZ-80Kのプログラムが掲載され雑誌デビューを飾り、1981年に10数点のゲームソフトを作成し、雑誌及びキャリーラボから販売しました。1982年、大学を中退しキャリーラボに入社。1985年にはJETシリーズ(8ビット機で動くワードプロセッサー)を開発しリリースしました。そして、1988年、独立しアルファ・システムを設立して代表取締役社長に就任しました。

 アルファ・システムではMZ-80K、マシン語モニター、PC-6001マシン語モニター、Z80用セルフアセンブラーBASE80、6802用セルフアセンブラーBASE68その他、インタープリター&コンパイラセットのWICSなどを制作してきました。
直接携わったゲームとしては、PC-エンジン『NORIKO』(2ヶ月で作りました)、PS『MYST』です。『MYST』ではプログラマーとして、当時としては既存にない技術を駆使して制作しました。CDには収まらない、8時間のストリーミング音楽、1時間に及ぶムービー、1,500枚に及ぶハイレゾのグラフィックをたった1枚のCDで実現しました。

 中でも『高機動幻想ガンパレード・マーチ』(以下『ガンパレ』)は思い入れもあり、会社として転機にも成った作品だと思います。実は、『ガンパレ』は当初、開発が中止となりかけたタイトルだったんです。ですが、この作品をどうしても完成させたいと思い、苦しい状況ではありましたが完成にこぎつけた、という思い出深いタイトルです。
近々の作品では、アーケードゲーム『式神の城III』、PS2『ガンパレード・オーケストラ 白の章』、PSP『新世紀エヴァンゲリオン』があります。見掛けられましたら、お手にして下されば幸いです。

 ゲーム行界を目指したきっかけとなったのは、現在アルファ・システムに在籍している山本と出会ったことですね。大学入学前に山本とアマチュア無線を通じて出会い、コンピュータに興味を持ちました。

   大学に入りアマチュア無線部で山本と活動する中、マイコンクラブの存在を知り、そのクラブの中でハードウェアからソフトウェアまで全て自作のコンピュータを制作しました。
 


前回ご登場いただいた、日野さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。



佐々木氏:
 日野さんはGFF(ゲーム・ファクトリーズ・フレンドシップ)でお付き合いさせて頂いています。今度、熊本に来られた際は良い酒でも一緒に飲みたいなぁと思っているところです。日野さんは、何事にも時間をとても重視される方で、良い影響を頂いております。また、食通でもいらっしゃって、先日、青山で馬のレバー刺しと張り合うほど美味しい牛のレバー刺しを頂きました。


これまで佐々木さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。

  佐々木氏:
 『ガンパレ』は思い入れもあり、会社として一番の転機に成った作品だと思います。この作品販売後、ユーザーの皆様には、開発会社のアルファ・システムを意識して頂く形が出来ました。
ゲームの舞台が弊社の在る熊本県と言うことや、現実の世界とのリンクを行ったことで、多くの人達に熊本県を認知して頂き、そして一部のファンの方々には熊本に来て頂き、熊本城の城主登録をされるなど面白い現象を引き起こしました。また、実在する「味のれん」と言う居酒屋を作品に登場させたのですが、お客さんの来店数が全国制覇(1道1都2府47県)を達成するなど枚挙にいとまがないほどです。頑張って出した甲斐がありました。
あと『ガンパレ』の開発中、ゲームキーパーズサムと言う病気、つまりは親指の使い過ぎで親指がギブスにはめられて使えなくなってしまった事がありました。右手の親指が使えないと何事にもとても不便です。ゲームのやりすぎには注意しましょう(笑)。その他、思い出深いのは『MYST』です。制作中に幽体離脱しましたから(笑)。『MYST』では本当に過酷なプログラマー生活を送っていまして、その生活の中での出来事でした。幽体離脱した事を分かった魂が、このままでは死んでしまうと思い、肉体へと舞い戻ったらしいです。
 


それでは、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか? ご自身が関わっているもの、いないもの、どちらでもかまいません。

  佐々木氏:
 名作として1タイトル挙げるとすれば、これはもう『ガンパレ』しか無いでしょう。このゲームをした為に自分の人生に大きく影響をうけた方が沢山いらっしゃいます。例えば、アメリカ留学を決めた人や、ゲーム業界に行く事を決めた人や、遠く北海道から熊本までやって来た人など、実例を挙げればきりがありません。これほど、人々の心と行動に影響を与えたゲームは無いと思っております。輪廻転生をし、その魂が成長していくゲームを作りたい、という想いで作成し、その結果、生まれたのが『ガンパレ』なのです。解る人には解って貰えると思います。
 


「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。


  佐々木氏:
 現在、日本では、お金の価値や利用方法、利殖の方法を誰も教えてくれません。教育が終わった瞬間に、マネーゲーム(資本主義)の世界へ放り出されます。
その前に、お金の法則ルール理論を教えるゲームを作りたいですね。
 遊びたいゲームは有りません。十分この世界で遊ばせて貰ってます。現実世界と言うゲーム世界で。
 個人的にはデジカメに興味があります。私は自称「デジカメおたく」としてデジカメのホームページも運営してます。本当にこんなデジカメが欲しい作ってと言う要望は、発信してきましたので、メーカーの方も常連になって頂き、理想のデジカメに近づきつつあります。
 いちユーザーが、メーカーにこれほど影響出来るのも、HPのお陰だと思っております。
 そして、私は成功哲学・自己実現に興味があり、それとゲームを融合させるようなものが出来れば良いなぁと常々思っております。ゲームを作るのに大切なのは、魂を込めること! それだけです。
 


魂を込めて作品を作ることが大切だとおっしゃる佐々木さん。佐々木さんやスタッフ全員の魂が詰まった『ガンパレ』では、数多くのプレイヤーに強い影響を与える名作となりました。今後も、熱い魂がこもった作品を期待しています。まだまだお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。


  佐々木氏:
 ナムコの吉積信さんを紹介します。大変お世話になっております。
 

ナムコの名作RPG『テイルズ オブ』シリーズ最新作、PS2『テイルズ オブ ジ アビス』のプロデューサーを勤められた吉積さん。一体どのようなお話をお伺いすることができるのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは佐々木さん、今回は本当にありがとうございました。