Last Update:2006/03/13
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第220回
レベルファイブ
日野晃博さん

 今回のクリエイターズファイルのゲストには『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』、『ローグギャラクシー』などの作品を手がけられたレベルファイブの社長 日野晃博さんをお迎えしています。『ローグギャラクシー』のゲームシステムを思いついた際のエピソードや、ゲーム業界に入るきっかけになったという『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』への想いなど、たくさんのお話をお聞きしています。それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。

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最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。また、日野さんが現在のお仕事に就く決心をしたのは、どんなことがきっかけでしたか?

  日野氏:
 
ゲーム会社2社を経て、1998年にレベルファイブを設立しました。レベルファイブ以前だと、PSの『オーバーブラッド』シリーズを手がけました。レベルファイブでは、『ダーククラウド』、『ダーククロニクル』、『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』(以下『ドラクエVIII』)、『ローグギャラクシー』とPS2のゲームを中心に制作をしてきました。詳しくは言えないのですが、最新作は普通のRPGではありません。○○RPGですね(笑)。このタイプのゲームが好きな人なら、うなるマニアックな内容になっていると思います。お楽しみに。

 子供のころからコンピューターとかそういう世界は好きだったのですが、この業界でやっていこうと決心にいたったのは、やはり『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』(以下『ドラクエIII』)との出会いでしょうか。なんと、2パターンのアニメーションしかしないチビキャラの世界で、展開するドラマに感動して泣きそうになったことを記憶しています。いえ、泣いたかも? それを体験したときに、ゲームが人を感動させることが出来るすごいメディアだと感じて、これを仕事にしてみたいと思うようになりました。

 


前回ご登場いただいた、松山さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。



日野氏:
 そうですねー。サイバーコネクトは、最初は松山さんじゃなくて、別の人が社長だったんです。その頃、松山さんに初めて逢ったのですが、礼儀正しくて、まじめな感じの方でした。もちろん、元気な感じはありましたが。でも、社長になって、責任を背負ってからは、体ごとイメージづくりしているみたいで、とんでもなくアクティブに変身しましたね。同時に、ちょっぴり失礼度もアップ(笑)。裏表なく、バンバン自分の言葉で発言されるんです。これが非常に気持ち良くて付き合いやすい。その元気は制作されるソフトにも表れています。サイバーコネクトも「2」になって、バンバン業績を伸ばしていきました。それが、彼の体を張った会社経営なのだと思います。今後も注目ですね。


これまで、自分の仕事に影響を与えた出来事、大きな転機となった出来事などはありましたでしょうか。また、これまで日野さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品を教えてください。

  日野氏:
 レベルファイブにとって、最大の転機となったのは、やっぱり、『ドラゴンクエスト』の開発会社になったことでしょう。それ以前と比較すると、会社の知名度も上がりましたし、スタッフの意識の中にも、『ドラゴンクエスト』という大きなゲーム業界の歴史ともいえる作品に参加するというプライドが生まれました。レベルファイブにとって、内も外もすべてが変わりましたね。そして、完成した『ドラクエVIII』は満足のいく作品となり、本当に良かったと思っています。

 思い出深い作品は、やはりレベルファイブの初作品『ダーククラウド』でしょうか。これは、日本ではあまり大きな売り上げとはならなかったのですが、海外では100万本を越える売り上げを上げるという特殊な売れ方をしたタイトルです。というのも実は原因があって、実は海外版『ダーククラウド』は日本版で納得できなかったところを大幅に改良して出したんです。海外での結果は、そういった手を抜かない姿勢を評価されたのだと思って、みんなで喜んだ記憶があります。

 


それでは、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか? また、これまでのお仕事の中で、“これは良い”と感じたアイディアが浮かんだ瞬間はどんなときでしたか?

  日野氏:
 
名作といえば『ドラクエIII』と散々言ってきたのですが、関係者だということで、今回は『ゼルダの伝説 時のオカリナ』にします。謎解きのバランス、アクションの絶妙さ。どこをとっても最高の作品だったと思います。

 うーん、思いついたアイディアについてですか。これは答えるのが難しいですね。最近のアイディアだと、『ローグギャラクシー』の“サジェストシステム”ですね。E3の旅の途中に思いつきまして、「提案するって、サジェストでいいのかなー!」と、しゃべりまくりながら移動していたと思います。

 


「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。また新作への意気込みなどもあわせ、読者に向けてメッセージをお願いします。


  日野氏:
 
将来の展望ですと、ヘッドセットをつけてプレイするバーチャルリアリティ作品をつくってみたいですね。自分があたかもそこにいるような映画「マトリックス」みたいな作品をやってみたいし、つくってみたいですね。
  近々の話ですとレベルファイブとして、現在、RPG以外の作品を制作しています。これが、すごく楽しい作品ですので、ぜひ期待して欲しいと思います。もちろん、王道大作系RPGも作り続けていきますけどね。
  個人的には最近、ホームシアター系のAV機器に凝っていて、けっこう高い買い物をしたりしていますね。これからは、HD対応のメディアも出てくると思うので、映画を美しい画面で自宅で楽しめるようになると嬉しいですね。

 作品制作に心がけていることといえば、制作が終わる最後の瞬間まで、手を抜かずあきらめないこと。ソフトをよくしようという気持ちを失わないことです。ソフトは製作者にとって、子供のようなものですから。最後まで愛してやらないと。

 


『ドラクエIII』に出会いゲーム業界へ入ることを決心し、その後『ドラクエVIII』の開発に携わった日野さん。『ドラクエ』へのたくさんの愛を持って開発された『ドラクエVIII』だったからこそ、販売本数が300万本を越えるタイトルとなったのでしょう。まだまだたくさんのお話をお伺いしたいところですが、今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。


  日野氏:
 アルファ・システムの佐々木 哲哉さんを紹介します。九州のゲームメーカー数社が集まった団体、「GFF」のメンバーです。
 

『ガンパレード・オーケストラ 青森ペンギン伝説』や、『式神の城』シリーズなどたくさんの作品に携わられてきた佐々木さん。一体、どのようなお話をお伺いすることが出来るのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは日野さん、今回は本当にありがとうございました。