Last Update:2006/03/06
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第219回
サイバーコネクトツー
松山洋さん

 今回のゲストは『.hack』シリーズや『NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー』シリーズなどの作品を開発してきたサイバーコネクトツーの松山洋さんです。小さい時からモノをつくるクリエイターに憧れていたという松山さん。会社を設立された当初は社長ではなく、グラフィックデザイナーと営業職を兼任されていたとか。それでは、早速お話を伺っていきましょう。

(C)2006 .hack Congfomerate
(C)2006 BANDAI

最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。松山さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃、どんなことがきっかけでしたか?

  松山氏:
 ちょうど2006年で会社を設立して10年が経ちました。ようやく10年かな?
  今は、最新作『.hack//G.U.』の最後の追い込みにスタッフ一同、激動の毎日を過ごしています。ホントに。まあ、最後の1ヶ月で全然仕上がりが違ってきますからね…。ゲーム制作は。最後の最後まで気を抜くことがないように頑張りますよ!
  そ・れ・と、2006年3月30日(木)にはサイバーコネクトツー初のPSP作品となる『NARUTO-ナルト- ナルティメットポータブル 無幻城の巻』が発売となります。よーくできてますよ。自信作です。ホントに面白いPSPタイトルって皆さん、持っていますか? コレおすすめです。やりたいことを全部やりましたもん。バトルも、ドラマも、RPGとしての育成も、ミニゲームも。歌も作って入れたし、ムービーも入っているし、当然フルボイスだし。クリア後もしっかりと楽しめます。ぜひ、遊んでみてください。シナリオほんとに良いですよ。「泣いて」ください。

 現在の仕事に就いたきっかけですか? 小さい時からずっと“モノを作る人”になりたかったんですよ。あ、ホントに小さいときは“漫画家”かな? 漫画バカだったし。ある時、大学時代の友人といきなり「ゲーム会社作ろう」って話になって。そして現在に至る…って感じですね。

 


前回ご登場いただいた、山倉さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。



松山氏:
 よく、バンダイの本社でばったりお会いしますね(笑)。博多で毎月会っているはずですが、意外と東京で会うことのほうが多かったりします。山倉さんとは、もう6年以上のお付き合いです。たまにウチのスタッフ何人かとご飯を食べたりもしています。仕事の話やゲームの話や、いろんな話をお互いできて、ホント良い付き合いをさせてもらっています。そういえば最近、ご飯行ってないですね。また、そろそろ行きましょう。山倉さん!


これまで、自分の仕事に影響を与えた出来事、大きな転機となった出来事などはありましたでしょうか。また、これまでのお仕事の中で、“これは良い”と感じたアイディアが浮かんだ瞬間は、どんなときでしたか?

  松山氏:
 うーん。やっぱ社長になったことでしょうか? みなさん、ほとんどの方があまりご存じない話ですが、サイバーコネクトツーの前身であるサイバーコネクト時代は、松山の前に別の社長がいたんですよ。まあ、私の大学時代の友人ですが。その友人が会社を去って、そこから松山が代表を始めて、社名をサイバーコネクトツーに変えました。そんで『.hack』シリーズが生まれ、『NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー』シリーズが生まれて…といった流れですね。ちなみにサイバーコネクト時代の松山は「グラフィックデザイナー兼営業」でした。なんだ? 「兼営業」って(笑)。

 仕事の中で、“これだ!”と思いついたアイディアはたくさんあります。たとえば、『.hack』のネットゲームを模したシステムで、ネット環境の無いユーザーにもオンラインゲームの楽しさを味わえる、という部分や、『NARUTO-ナルト- ナルティメットヒーロー』の“コミックシェーディング”をウチのメインプログラマーである宇佐見と話しながら思いついたときは、「あ、これは発明だ」って思いましたね。他にも“そういう瞬間”はたくさんあります。今も『.hack//G.U.』でアイディアは日々、生まれていますね。今までのものも全部入れていますよ。その時その時のアイディアは、それぞれの作品の中に。出し惜しみ無しです。

 


それでは、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか? また、これまで松山さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。

  松山氏:
 自社の作品はどれも「名作」として(笑)…。いや、本気ですが。
  せっかくなので、他社の作品でお話しますと、『ゼルダの伝説 リンクの冒険』ですね。あのディスクシステムの。面白かったですね~。さんざんやりました。ほんとに楽しかった。アクション要素があって成長要素があってドラマがあって。今でもラスボスとのバトルでの自分が操作するリンクのかっこよさに酔いしれることができます。…が、こないだファミコンミニで遊んでみたら全く遊べなくなっていました。すんごく難しかったです(笑)。なんでだろ? あんなにやりこんでいたのに…。

 思い入れが深い作品ですか? 全部って言うと、答えにならないですか? まあ、けどやっぱり全部です。ひとつ残らず。どれもこれも愛情と激情と極上の“想い”が詰まっています。エピソードを語りだすと…ここで一ヶ月くらい連載しないといけなくなりますね(笑)。

 


それでは、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。また新作への意気込みなどもあわせ、読者に向けてメッセージをお願いします。


  松山氏:
 2006年は次世代ハードそろい踏みの年になると思います。まわりの方々は結構「どんどん大変になる」とか「このままではゲーム業界の展望は…」みたいな話し方をされたりしていますが、私自身一度もこの業界の将来に対して不安になったり絶望したりしたことはないですね。 大変なのは多分、変わらないでしょう? 今までだって大変でしたし、これからもそりゃきっと大変ですよ。我々の仕事はずーっと、たぶん一生“大変”だと思います。 じゃあ、なんでみなさんそんな大変な仕事を続けるんでしょう? “大変”以上に“楽しい”からですよね。それこそ、多分、ずーっと“楽しい”と思いますよ。常に面白そうなことを考えていると思います。ハードがどうなろうともね。
  これは昔っからそうなのですが、プレイベートで好きなものは漫画です。毎月60冊くらいの漫画雑誌を読んでいます。多分、発売されている少年誌・青年誌は全部読んでいると思います。それ以外に単行本も毎月20冊くらいは買って読みますね。本誌で読んでいても買いますね。また読んじゃう。ヒマがあれば一日ずーっと漫画読んでいたいですね。なかなかできませんが。なので、最近はもっぱら飛行機の中や電車の中で読むことがほとんどです。あ~もっと漫画読みたい…。そういえば「ヴィンランド・サガ」は最高ですね。アフタヌーンに移ってよかったと思いますよ。けど、月に一回しか読めないんですよね~。ジレンマですね。幸村誠さんはホント素晴らしい。「プラネテス」も、もっかいやらないかな~。別の主人公で。

 ゲームクリエイターになりたい人は、とことんゲームを好きになってください。好きなあの子と同じように。そうすればなれますよ。
  また、作品を作るうえで一番我々が大切にしていることですが、それは「自分たちにしか作れないゲームを作ること」「新しさと懐かしさと愛しさと遊びやすさをきちんと詰め込むこと」「ダサくならないこと」「作っている自分たちが常に笑いながら作っていること」「関わった人たちがみんな幸せになれること」まあ、色々ありますが。そして、何より考えていることは。「ユーザー=遊ぶ側の気持ちになって、燃えて遊べるゲームを作ること」ですね。

 


ゲームを愛すること、そして、遊ぶ人の気持ちを考えて作ることが大切とおっしゃる松山さん。ひとつひとつの作品に、とびっきりの愛情を詰め込んで作ることで、プレイヤーにその気持ちは伝わっていくのでしょう。まだまだお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。


  松山氏:
 レベルファイブの日野晃博さんを紹介します。GFFコンボが続きますが。まあ、どーんと行きましょう! 会長!
 

『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』『ローグギャラクシー』などの作品を手がけてこられた日野さん、一体どのようなお話をお伺いすることができるのでしょうか。次回もお楽しみに。それでは松山さん、今回は本当にありがとうございました。