今回のクリエイターズファイルには、工画堂スタジオの阿部和広さんをゲストにお迎えしています。工画堂スタジオにゲーム開発部が出来た当初から数々の作品の開発携わられてきた阿部さんですが、もともとは外部のイラストレーターとして活動されていたそうです。どのようなきっかけで、開発も担当されることになったのでしょうか? それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。
(C)2005 KOGADO STUDIO,INC.
本当は絵師になりたくてシコシコと絵を描いていたんです。ちらほらと描いた絵がお金になり始めた頃に、友人に紹介されたのが工画堂スタジオでした。なので、最初はフリーの絵描きとして、工画堂スタジオでPCゲーム、ゲームウオッチ用のイラストなどを描いていました。普段は自宅で作業をしていたのですが、CG(当時は「ドット作業」と呼んでいましたが)を使った作品を作る時は、会社に来てCGツールを使ってやっていました。このCGツールは自社開発のものでしたので、自分で使いやすいように改造したりしているうちにプログラムを覚えていき、その後、ゲーム中のメッセージも書くようになり…と、次第にイラストだけではなく携わっていくことになりました。まあ、ソフトウェア部門は当時2、3人しかいなかったし、1人で何でもやらないとソフト開発なんかできない時代でもありましたね。 そもそも、個人的に8ミリ映画の製作をしたり、漫画を描いたりしていましたから、映像とストーリー、音楽などが融合した表現媒体にはもともと興味がありました。さらに、これに「インタラクティブ性」が加わった表現手法として、ゲーム制作に夢中になった記憶があります。そういう意味では、ごく自然ななりゆきとでも言いましょうか。幸い、「社員にならないか」と声もかけてもらい、どっぷりとこっちの道を歩き始めることができました。
名作と言えば『グラディウス』! シューティングに初めて戦略的な要素を持たせた作品だと思います。もう一段階スピードを上げるのか、先にミサイル取るのか、オプション・フルが先かフォース・フィールドが先か…。その自分が立てた戦略によって、戦術が大きく変わるところに大変魅了されました。毎日、会社近くのゲームセンターに寄ってから出社してましたね。ウチの社員がハイスコアに載っているのを見ると、負けじと塗り替えたりして。 余談ですが『スーパーシュヴァルツシルト』を作っていた頃、PCエンジン版のシューティングを作ろうと画策した事があります。美人パイロットが戦闘機に搭乗して戦うシューティングで、パイロットを何人かの中から選べるんです。キャラクタ性を持ったシューティングって面白いんじゃないかと思っていました。残念ながら陽の目を見ることはありませんでしたが、思えばこれが『パワードール』の原型となったアイディアだったかもしれません。
最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。
愛情を持って作品に接することが何よりも大切だとおっしゃる阿部さん。きっと、阿部さんが手がけてこられた作品のひとつひとつが、阿部さんの愛おしい子供たちなのでしょう。これからも、素晴らしい作品を期待しています。まだまだお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。