Last Update:2006/01/23
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第213回
ビッツラボラトリー
宮崎暁さん
 今回のゲストは『キングスナイト』『ファンタジーゾーン』『キミキス』など数多くの作品にプログラマーとして参加されてきた宮崎暁さんです。大学時代に友人たちとビッツラボラトリーを立ち上げられたという宮崎さん。立ち上げてすぐに開発に携わられた『ゴーストバスターズ』開発エピソードなど様々なお話を伺っています。それでは、早速お話を伺っていきましょう。

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最初にこれまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。また、宮崎さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃、どんなことがきっかけでしたか? その時のエピソードなどと合わせてお聞かせ下さい。

  宮崎氏:
 高校生の頃からパソコンでゲームを作っては秋葉原のお店に売りに行ったりしてまして、その勢いで、大学入学とともにアスキーにアルバイトとして入り、MSXの立ち上げ部署でプログラムを書いていました。その後、同期のアルバイトスタッフと現在のビッツラボラトリーを設立しました。なので、ビッツ以外で社員として在籍したことはありません(笑)。

 私個人というよりは会社としてですが、携わったタイトルとしてファミコンで『テクザー』『ゴーストバスターズ』『キングスナイト』、PCエンジンでは『ファンタジーゾーン』『スーパーダライアス』『アフターバーナー』『愛・超兄貴』等です。ちょっと変わったおもしろいところでは、セガサターンの『GAME Basic for SEGA SATURN』や、MSXの技術書などの執筆等があります。その後はPS、PS2、PCのネットゲームなどを作成して、現在はエンターブレインの『キミキス』でプログラムを担当させていただいています。

 先ほども少しお話ししましたが、今の仕事に就くための決心はほとんど勢いだったような気がします(笑)。
 もともと何かモノを作る仕事に就きたいと思っていました。高校生の頃にパソコンに出会い、そのままゲーム作りにどっぷりとハマり、いつかはゲームを作る仕事に就きたい、と思っていました。その後、大学進学とともにアスキーにバイトとして入り、そのときに気のあった仲間と、「世の中をあっといわせるぞぉ!」みたいな感じで会社を作っちゃいましたから。今考えると恐ろしいですね(笑)。
 当時は起業ブームで、大学生が会社を興すことが流行ってまして、我々も大学3年生の頃に会社を設立しました。ゲームアーツはビッツより1年先輩です。当時はいろいろとお世話になりました。

 
 


前回ご登場いただいた高山さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。


宮崎氏:
  高山さんとはウチのスタッフだった頃から「濃い~」話をする仲です(笑)。今でも作業の合間に「濃い話」で盛り上がってます(笑)。特に会話に良く出てくるキーワード「脳内話」では、お互いの作業が中断してしまうほど話し込んでしまって、他のスタッフに怒られることもしばしばです(苦笑)。


これまで、自分の仕事に影響を与えた出来事、大きな転機となった出来事などはありましたでしょうか。また、これまでのお仕事の中で、“これは良い”と感じたアイディアが浮かんだ瞬間を教えてください。

  宮崎氏:
 数年前なんですが、某大手システム系の会社の仕事を請けたことがありました。初めて大企業の仕事の仕方を目の当たりに見て、ゲームの開発方法とのあまりの違いにびっくりしました。今までゲームというのはグレーゾーンが多くて「売れるかどうかは作って見ないと判らない」的なことが当たり前でした。しかし、その会社では「たとえゲームでも同じプログラム」として作業に入る前に、考えうるすべての事象を洗い出し、チェックし、それが終了するまではプログラムの作業に入らない、ということでした。当初はその作業に反発したんですが、いざプログラムの段階に入ると、あまりの効率の良さにびっくりしました(笑)。
 現在、ウチではその手法を開発に取り入れられるよう研究の最中です。

 私の場合、アイディアが浮かぶ瞬間というのはスタッフと雑談をしているときが多いです。みんなで昼食をとりながらとか、宴会のときとか(笑)。あとは、取引先の社長と話しているときもありますね。
 『Game Basic for SEGA SATURN』のアイディアが生まれたのはその典型ですね。たまたま他社の社長と雑談している時、「最近って若い人がプログラム作る環境がないね~」という話が出て、その際に『Game Basic for SEGA SATURN』を思いつき、「ならばウチが作りましょうか?」という感じになりました(笑)。他には、スタッフの一言からアイディアが浮かび作品に発展することもありますね。

 


これまで宮崎さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。また、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか?

  宮崎氏:
 思い入れが深い作品は、会社設立後初期の作品『ゴーストバスターズ』と『キングスナイト』ですね。
 『ゴーストバスターズ』は映画のノリがとても好きで、今でもDVDを引っ張り出して見たりしてます(笑)。この作品は開発中にメインプログラマーが交通事故にあって入院しちゃいまして、急遽、私と当時の専務がプログラムを担当したりして、とにかく大変だったのを覚えています。ちなみに、この作品ではプログラムの他、グラフィック、音響も担当してました。今考えるとかなり無茶をしていたと思います。
 『キングスナイト』では、これも先の『ゴーストバスターズ』とほぼ同時期に進行してた作品なのですが、当時のスクウェア(現スクウェア・エニックス)にいらっしゃった坂口さんや、音楽の植松さんと一緒に仕事が出来たとても幸運な作品です。

  名作と言うより、単に自分が好きなタイトルなんですが(笑)、Nintendo64の『パイロットウィングス』を挙げます。いまだに引っ張り出しては遊んでます。ただ飛んでいるだけで楽しい、と思わせてくれるゲームです。
 


「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。

  宮崎氏:
 今はとにかく壮大なスケールのシナリオとかムービーとかハリウッド映画的なゲームが注目されますが、もう少しゲーム性に注目されるようなゲームを作りたいです。
今後、携帯電話の性能が飛躍的に上昇すると思います。そして、それに対応するソフトがドンドンレベルアップしていくでしょうね。近い将来PS2クラスのゲームが携帯電話で出来るようになると思います。

 個人的には、今年は明るい時に外に出て遊ぶように心がけてます(笑)。もともとは夜遊び系でしたが、今年はこの辺りを改善しようかと…。
今ハマっていることは、ミニバイクです。ネットオークションでクズ鉄のようなバイクを買って、それを走れるようにして、さらにチューニングをしたりして、近所を走り回ってます。現在動くバイクが2台で、そのほか8台ほどクズ鉄状態で現在整備中のバイクがあります(笑)。家族にはひんしゅくを買っていますが。
 個人的な仕事関係ですと、Flashに興味を持っています。ネット系ではFlashで作られたコンテンツが山ほど流通してますよね。今後、コンシューマの方へも流れてくると思います。そのため会社的にも力を入れていこうと思ってます。私自身、もともとがプログラマーなので、今年は久しぶりにFlashでプログラムを書いてみようかと思っています。

 作品を作るのに大切なのは、とにかく視野を広く持つことだと思います。
 自分の興味が有るものを深く掘り進めることも重要だと思いますが、そればっかりだと作品を作って行くときに意外と行き詰ったりしてしまうと思います。私自身はそういうタイプなんで(苦笑)、漫画や映画などもなるべくいろいろと読んだり見たりするようにしています。そうすると表現方法などで意外と良いアイディアが浮かんだりします。

 現在、製作に参加している『キミキス』は、私を含めスタッフともども精一杯良い作品にするようがんばっています。あまり話すとネタバレになってしまいますが、皆様の期待を裏切らない作品に仕上がっていると思いますので、ぜひ遊んでください

 


広い視野を持つことが、様々な表現方法に繋がるとおっしゃる宮崎さん。作品を生み出すには、特化した才能だけでなく、様々な分野へ幅広い視野を持つことが必要なのですね。もっとたくさんのお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。

  宮崎氏:
 ヴァンガードの杉山智則さんを紹介します。『ガンダム ネットワーク オペレーション』で有名な社長さんで、ガンダムネタでは業界で一目置かれています。
 

『ガンダム ネットワーク オペレーション』シリーズ、『SDガンダム G Generation』シリーズなど様々な作品に携わってきた杉山さん。一体、どのようなお話をお伺いできるのでしょうか。次回もお楽しみに。それでは宮崎さん、今回は本当にありがとうございました。