Last Update:2005/12/12
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第209回
ナムコ
篠ア香織さん
 今回のクリエイターズファイルのゲストは、『ドリラー』シリーズのキャラクタデザインを担当されたナムコの篠ア香織さんです。かわいらしく魅力的なキャラクタを数多く生み出してこられた篠アさん。ホリ・ススムを生み出す際のエピソードなどたくさんのお話をお伺いしています。それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。

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最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。また、篠アさんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃、どんなことがきっかけでしたか? その時のエピソードなどと合わせてお聞かせ下さい。

  篠アさん:
 1996年にナムコに入社して、今でもナムコの箱入りです。
 携わった作品は、『風のクロノア』『リベログランデ』『うきうき・好感日記』『ミスタードリラー』『ミスタードリラー2』『ミスタードリラーG』『スタートリゴン』『ドリルランド』『ドリルスピリッツ』その他『ドリラー』シリーズですね。
 今は、PS2版『今日からマ王!(仮)』の制作が進行中です。

 ゲームは、昔から好きだったんですが、具体的に仕事にしたいと思ったのは大学のときかな。
 大学の授業で、今はないのですがコンピューターグラフィックの祭典、「ニコグラフ」というイベントに行ったんです。そこに出展されていたナムコのブースを見て「ナムコって良いなあ」って思ったんです。その後、大学の先輩がナムコに入社していたのでお話を聞かせてもらいました。お会いしたその方が「癒し系」でして、殺伐としてなさそうで良い人だなと思い、ナムコを受けることを決意しました。…でも、入社したときにはその先輩はもう在籍しておらず、今や同じ大学出身者では一番自分が古株です。

 


前回ご登場いただいた、奥村さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。


篠アさん:
 奥村さんとの面白エピソード! うーん、あれは言ったらまずいから…どれがいいかなあ。
 奥村さんは人一倍仕事には熱心でして、しかも絵を描くことに対してはかなり情熱的です。「この絵は女性から見て萌えますか!?」と私に聞いてくるほどですから。


これまで、自分の仕事に影響を与えた映像、文学、音楽作品などはありますでしょうか。また、これまでのお仕事の中で、"これは良い"と感じたアイディアが浮かんだ瞬間は、どんなときでしたか?

  篠アさん:
 好きな映画や小説はたくさんありますが、直接仕事に影響を与えているかというとまだそれはないかも。
 これから、そういった自分の好きなものが反映させれる作品が作れるといいなと思います。ちなみに好きな小説家は、シオドア・スタージョンです。どうゲームに反映させられるかは秘密です。

 直接作品に影響されたのはやっぱり、高校時代、女子美大時代のクラスメートではないかな?
 凄く独創性にあふれた人達だったので、その頃の同級生の影響は大きいです。
 当時はもちろんわからなかったけど、今やアートディレクションや、イラストレーターとして活躍している人が多いので、もともとセンスのいい人たちというか、個性的な凄い人たちが集まってたんだなと思います。
 『ドリラー』も『マ王!』も作風はぜんぜん違いますが、その頃の影響があってやろうと決めたタイトルです。

 アイディアが思いついた瞬間! これまた、難しい質問ですね…。
 結構、あーだこーだと組み立てながらやったり、いろいろ当てはめて、あわないなあとか言ってアイディアを入れたり出したりするので"ヒラメイタ"ということは少ないですね。
 歩いているときや寝る前はアイディアが思いつきやすいのですが、採用されることはあまりないです。やっぱりアイディアはなんだかんだ無理やり搾り出すことが多いかな。

 


これまで篠アさんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。また、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか?

  篠アさん:
 思い入れがあるタイトルとして挙げるのは、まずは『ドリラー』シリーズかな?
 こんなシンプルなゲームは今どき注目されないかな、と思っていたのですが、とあるショーに出展したとき、バイヤーさんの投票で一位に選ばれたのが凄く嬉しかったです。そのあと、キャラクタ賞までいただいたりしました。
 つらかったことは、ホリ・ススムを生み出すまでですね。ゲームの内容に合って、魅力的なキャラを作るということはやってみるとものすごく大変な作業でした。今のススムに決まるまで100体近くラフを書きました。
 歌手のaikoさんが『ドリラー』で遊んでくださったりしたことにはびっくりしましたね。

 現在進行中の『今日からマ王!(仮)』も思い入れは強いです。
 嬉しかったのは、やっと女の子向けのゲームの製作が実現できたことです。それも高校生の男の子が主人公で。大好きな作品「今日からマ王!」を原作としているタイトルであったことも大きいですね。
 つらいことは、終わってからでないと人様に聞かせるのは厳しいと思うので、製作が終了したらこっそりとお話したいと思います。
 ナムコ初の女子向けゲームですので、いろいろそれなりに四苦八苦はしています。

 ううっ、名作をひとつしか挙げちゃ駄目なのかあ。え、選びきれない…。
 あえてひとつあげるならパソコンゲーム『BOY×BOY』です。女の子二人でここまでの作品をやってのけたのは凄いと思います。
 もともと学園物とか好きなのですが、ゲームでこういった繊細さとかが出せるのはさすが女の子スタッフだからだな、と思いました。逆にスタッフが多すぎるとこの手の繊細さは出ないのかも…と思っています。
 ちなみに、聞かれてないですけど、はじめて買ったゲームはMSXの『ガルフォース』です。

 


「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。

  篠アさん:
 学校が舞台のゲームは、一度でいいので作りたいですね。『今日からマ王!』でも、中学時代のユーリたちを題材にしてゲームにならないか思案中です。
 あ、やっぱり一度でなく何度でもやりたいかも、学園モノ。あと、美少年ばかり出てくるゲームをいつか作りたいです。
 個人的に今、一番興味があることは"豆本"(※手に収まるサイズの本)づくりです。今後チャレンジしたいのはさらにちーっちゃい豆本?? あと、ボーナスとお正月のバーゲンにも興味はあります。

 やっぱり作品作りに大切なのは"根性"かな。
 がんばって続けていれば結構良い方向に向かいます。センスや技術とかは努力を続けていればいくらでも身につくし、どうにでもなるものだと思います。でも、やっぱ最重要なのは"根性"と"持久力"です。
 有名舞台演出家か、誰かも言ってましたが、本当は自分より凄い人はたくさんいたけど、いつの間にか皆実家に帰ったり辞めたりしていき、自分がトップになっちゃったって。案外そんなもんです。
 あと、打たれ強いことかな。何があってもへこたれないことが大切です。

 


技術、センスよりも根性が大切だとおっしゃる篠アさん。確かに、強い気持ちを持っていれば、どんな困難がやってきてもへこたれずに乗り越えることができるのでしょう。まだまだお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。

  篠アさん:
 私と同じく「今日からマ王!」を題材にパソコン版を作ってらっしゃるツーファイブのドン・マッコウこと、溝口功さんを紹介します。
 良きライバルであり戦友であります。人生経験も色々豊富そう!いろんな楽しい話が聞けるんじゃないかと思います。
 

PC『今日からマ王!』や、PS2『THE 友情アドベンチャー 〜炎多留・魂〜』などで主題歌を歌われている溝口さん。一体どんなお話をお伺いすることができるのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは篠アさん、今回はありがとうございました。