Last Update:2005/11/28
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第207回
ナムコ
田澤太陽さん
 今回のクリエイターズファイルのゲストは『7(セブン)~モールモースの騎兵隊~』『スターフォックスアサルト』など数多くの作品のキャラクタ作成に携わられてきた田澤太陽さんです。携わられた作品のなかで『ゆめりあ』が最も印象の深い作品と挙げる田澤さん。その理由とは一体何なのでしょうか? それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。

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最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。また、田澤さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはどんなことがきっかけだったのでしょうか?

  田澤氏:
 1997年にビジュアルスタッフのアルバイトとしてナムコに採用されました。最初の仕事は『R4-RIDGE RACER TYPE 4-』でコース背景などを作りました。準社員採用後、『7(セブン)~モールモースの騎兵隊~』では主人公を始め、たくさんのキャラクタを作成、『MotoGP2』ではサーキット背景作成など。社員採用後、『ゆめりあ』ではキャラクタ服装バリエーション・敵・その他諸々の作成、『スターフォックスアサルト』ではフォックス・ウルフチームなどのキャラクタ作成、『パックピクス』ではオープニング・エンディングの作成などに携わりました。
 現在は今までの仕事の集大成的なことをしています。

 この仕事をはじめたのは、ある人物の影響が大きいですね。その人物というのは、前回登場された竹内さんの同僚で『メイドインワリオ』のメインプログラムをしていた私の従兄弟の大澤くんという人物です。彼が中学生の頃からゲームを作っていたり、パソコン雑誌のコンテストで入賞していたことを知った時はショックでしたね。当時の私はこれといった目的もなく、何となく大学へ通っていただけでしたから。
 その後、私は在学中に3つほどゲームを制作し、雑誌のコンテストへ応募しました。その内2つが入選したことに自信を持ったことと、元々モノ作りが好きでゲームも好きだったことなどから現在の仕事に就くことを考え始めたという感じです。

 


前回ご登場いただいた、竹内さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。


田澤氏:
 竹内さんは作品を作られるとき、出来上がった作品は先ずお子さんに見せるのだそうです。それでお子さんの反応の良かった作品は、実際の受けも良いことが多いとか。なるほど、身近に厳しいディレクターさんがいるのだな、と思いました。
 また、従兄弟の結婚式のウェルカムボードのイラストを竹内さんが手がけられたのですが、描かれたイラストが式後の新郎新婦の写真を元にしたかのようにそっくりでとても好評でした。


これまで田澤さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品を挙げてください。また、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか?

  田澤氏:
 思い入れ深い作品というと『ゆめりあ』ですね。うれしかったこと、つらかったこと、びっくりしたこと、すべての出来事を体験させてもらった作品です。はじめの頃は「これは絶対、完成しない!」と思っていましたが、後半は「これは絶対、完成させる!」と思うようになっていました。手のかかる子供ほど可愛いといったところでしょうか。発売時は娘を嫁に出す父親の心境でした。
 スタッフは一緒に仕事をするのが初めての人ばかりでしたが、まさに「この作品を作るべくして集まった!」という感じのメンバーでした。あのタイミングで、あのスタッフが揃わなければ『ゆめりあ』は完成しなかったことでしょう。そして、無事発売できたことは本当に「奇跡」だったと思います。

 名作と言われると色々と思い浮かぶのですが、1つだけということで『サ-カス』を挙げさせていただきます。シーソーで人を交互に跳ばして風船を割るゲームで、ゲームオーバーのBGMが印象的でしたね。私が小学校1、2年生の頃にその『サーカス』の筐体が何故か自宅にありまして、学校が終ると急いで帰って夢中で遊んだ記憶があります。私のビデオゲームの原点ですね。ただ、私が遊んでいたのがオリジナルの『サーカス』であったかどうかは今となっては分かりかねるのですが。

 


これまでのお仕事の中で、"これは良い"と感じたアイディアが浮かんだ瞬間は、どんなときでしたか? また、そのアイディアがどういった作品でどんな風に使われたのか、可能な範囲でお聞かせください。

  田澤氏:
 アイディアが「浮かぶ」ということはあまりなく、自分の知り得る情報を組み立てて形にすることが殆どです。考えがまとまるのはトイレやお風呂に入っている時が多いですね。実際に使われるのは表面に出ない開発上でのアイディアが主です。その他だと、『ゆめりあ』というタイトル案が採用されました。
 仕事ではあまり煮詰まることはなく、どちらかというと気力・体力が尽きるという感じです。そんな時はたっぷりと睡眠を取ることでリフレッシュしていますね。休日だと夕方に起きることも珍しくありません。
 


「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。

  田澤氏:
 今後の作品のテーマにしたいのは「物語を体感できるゲーム」です。最近のゲームはストーリー部分とゲーム部分が分離されたものが多く、お話の合間にゲームを遊んでいる印象でどちらも中途半端な楽しみ方になっているなと感じているので。また、スコアやプレイスキルを競うものではなく「感情に訴えることの出来るもの」が作れたら良いなあと思っています。
 個人的には舞台や映画に興味があり、機会があれば製作に関わりたいと思っています。舞台で表現される時間・空間と緊張感、映画のロケーション・カメラ撮影など、大変そうだが楽しいだろうなあと。

 作品作りにおいて大切にしているのは「作ることを楽しむ」ことです。楽しんで作られたものは作品を通して伝わるものだと思っていますので。また、送り出すに当たって心がけているのは「作品に触れる人を楽しませる」ことです。実際はなかなか難しいのですが、なるたけ作る時とは反対の立場で考えるようにしています。
 作品を完成させた時は何ともいえない達成感があります。また、発売されてからのユーザーさんの反応も良くても悪くても楽しみにしています。実際、心残りの部分はしっかり指摘されてしまうもので次回への教訓・課題と受け止め、どんなご意見でも頂ければ幸いだと思っています。

 


作っている自分自信も楽しむことが大切とおっしゃる田澤さん。きっとクリエイターが楽しんでいるという気持ちが、作品を通してプレイヤーひとりひとりに伝わっていくのでしょう。もっとたくさんのお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。

  田澤氏:
 奥村大悟さんを紹介します。
 いつもふらりと遊びにお邪魔するのに暖かいお出迎え、感謝してます。ナムコを代表するキャラクタデザイナーの1人です。めざといユーザーさんはご存知かもしれませんね。ちなみに、彼の師匠はイタリア人です
 

奥村さんは『ゆめりあ』『テイルズ オブ』シリーズなど数多くの作品に携わられたビジュアルデザイナーです。一体、どんなお話をお伺いすることが出来るのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは田澤さん、今回は本当にありがとうございました。