Last Update:2005/11/21
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第206回
任天堂
竹内高さん
 今回のゲストは『メイドインワリオ』シリーズのキャラクタデザインを手がけられたクリエイター、竹内高さんです。たくさんのカワイらしいキャラクタを描かれてこられた竹内さん、一体どのようにしてキャラクタたちを生み出しているのでしょうか? それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。

(c)2003 Nintendo


最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。また、なぜ現在のお仕事に就かれようと思われたのか教えてください。

  竹内氏:
 2000年に任天堂に入社して、GBカラー『とっとこハム太郎ともだち大作戦でちゅ』のアシスタントディレクターを務めました。その後、『ワリオランドアドバンス』でバックグラウンドグラフィックを担当した後、『メイドインワリオ』シリーズの全キャラクタのデザインを担当しました。現在はキャラの監修などをしながら、スタッフ全員でユニークで楽しいものを皆さんに遊んでもらえるよう、日々奮闘中です。

 この仕事を選んだのは、絵を描く仕事をしたいと思っていた事が理由ですね。この業界に入る前は、アメリカでカートゥーン(アメリカやヨーロッパのアニメ、漫画の内でユーモラスで子供向けであるアニメ作品を示す)の勉強をしていました。帰国後、絵に携わる仕事ができる可能性のある会社に手当たり次第、履歴書とポートフォリオを送ったんです。その中に、ゲーム会社も含まれていました。それをきっかけにして、ゲーム業界へと入りました。

 


前回ご登場いただいた、松岡さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。


竹内氏:
 松岡さんには『ワリオランドアドバンス』からお世話になっています。
 『メイドインワリオ』に携わっていた時には清武博二さんと一緒に、根気良く指導してもらった事は今でも忘れません。岡本太郎さんをはじめ、数々のアートにも興味を持っている方で、その辺でも話があいます。口数は少ないんですけど、人を喜ばせる事に真剣なスピリッツを持っている方で、学ぶべきところがたくさんあります。


これまで竹内さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。また、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか?

  竹内氏:
 やはり思い出深いのは任天堂に入って初めて開発に加わった『とっとこハム太郎ともだち大作戦でちゅ』です。
 坂本さん、古田さんと一緒に、夜遅くまで頑張りました。テキストも少しだけ書かせていただいたのですが、あまりにもハム語にどっぷりと漬かってしまい、友達へのメールにも「なのだ」とか「へけっ」とか平気で書いていたような気がします。
 『メイドインワリオ』も思い出深いですね。
 キャラクタデザインをさせてもらいましたし、何よりもスタッフのみんなが曲者ぞろいで楽しかったです。開発途中、僕に子供が誕生しまして、スタッフのみなさんが優しくフォローしてくれたのでとても助かりました。
 休日出勤をした日に松岡さん、佐藤さんと3人でトイレに行った時のエピソードなのですが、誰もいるはずのないトイレなのにドアが「使用中」になっていたんです。一番先に逃げたのが松岡さんだったような気がします。

 名作として挙げたいのは『MOTHER』です。
 シナリオ、グラフィック、サウンド、CM全てが好きです。遊んでいて、「ゲームが終わって欲しくない」と思ったソフトの一つです。
 登場キャラクタの「どせいさん」はカワイくて好でした。また、「フライングマン」達の戦いっぷりには感動してしまいました。戦いに散ったフライングマンのお墓を訪れるのが辛かったです。

 


作品を描くにあたって、どの様にしてキャラクタのアイディアを生み出されるのでしょうか?
また、お仕事中に煮詰まった時に、どのような方法でリフレッシュされているのか教えてください。


  竹内氏:
 僕はキャラクタをデザインする時には、実際に存在する人をモデルにする事が多いので、魅力的な方がいたら、すかさず小さいスケッチブックに描いてストックしておきます。
 任天堂には坂本賀勇さんを筆頭に、楽しい方が多いのでキャラクタアイディアの宝庫だと思いました(笑)。
 ゲームそのもののアイディアを考えるのは、実はあまり得意ではないです。
 ですが、『メイドインワリオ』のメインプログラムをしている大澤さんがアイディアマンなので、彼と他愛もない話をした後で、面白いアイディアにつながる事も多いです。こういうスタンスの関わり方もゲーム制作の中にはあるんですよね。

 リフレッシュは自宅で、子供と一緒に絵を描いたりします。自宅の近所に大きな公園があるので家族でよく遊びに行くんです。子供と一緒に、シャボン玉とか、ボール遊びをしていると、不思議と頭の中が軽くなります。カラオケも大好きなので、会社の仲間と行きますね。みんな芸人みたいなので、普通のカラオケとは一味違いますよ。

 


「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界における希望をお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。

  竹内氏:
 最近は、気合いを入れないとできないゲームは躊躇してしまう人も少なくないと思います。ですので、ちょっと遊んで、ちょっと幸せになるようなゲームがあるといいなと思います。自分達が子供の頃、一つのゲームに何人も集まって交代で遊んでいたあの頃のようなゲームを作りたいですね。
 個人的には、子供向けの童話作品をつくっているので、その作品を持って全国の子供達と直接作品を通して触れ合いたいなと夢見ています。昔の紙芝居屋さんみたいな感じでしょうか。子供達は正直ですから、面白くないものは興味を示しませんし、本当に勉強になります。こういう個人の制作物もまた、開発には良い意味で影響しているので外せません。日々精進です。

 作品作りに一番大切なのは「優しいキモチ」だと思います。
 チームで一つのものを創り上げると言う事は、とても大変な事です。自分の事をしっかり主張する事も大切ですが、やはり仲間を気遣ったりするやさしいキモチも絶えず持って欲しいと思います。お互いに尊重しあえる空気を自らが率先して作れるような、そんな魅力的な作り手さんが増えるとゲーム業界に活気が出ると思います。

 


自分を強く主張するよりも、一緒に働く仲間や周りにいる人たちを尊重することが大切だとおっしゃる竹内さん。そんな竹内さんの「優しいキモチ」は、竹内さんが描くキャラクタから満ち溢れているように思えます。まだまだお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。

  竹内氏:
 ナムコの田澤太陽さんを紹介します。
 先日、同僚の結婚式でお会いしてから、ちょくちょく連絡をとりあってます。将来、何か一緒にお仕事が出来るといいですね。
 

ナムコで活躍されるクリエイター田沢太陽さん。一体どのようなお話をお伺いできるのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは竹内さん、今回は本当にありがとうございました。