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Last Update:2005/10/03
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第200回
ビサイド
南治一徳さん
今回のゲストは、『どこでもいっしょ』シリーズを手掛けられてきた南治一徳さんです。昔からゲームで遊ぶのが好きでしかたがなかったという南治さん。大学時代は物理学者を目指していたそうなのですが、あることがキッカケとなってゲーム業界を志したそうです。それでは、早速お話を聞いていきましょう。

(C) Sony Computer Entertainment Inc.


最初に、これまでの職歴、そして現在携わっているお仕事を教えてください。また、南治さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃でしたか?

  南治氏:
 はじめカゼに就職して、『パワーレンジャーピンボール』っていう、色物ピンボールを作りました。その後、ソニー・コンピュータエンタテインメント主催の「ゲームやろうぜ!」にチームで応募して合格。そのチームで『どこでもいっしょ』を作成し、現在に至ります。

 ゲーム業界を志したのは、大学生時代に経験した出来事がキッカケになったと思います。子供のころからゲームが大好きで、かなり遊んでいました。それと当時はパソコンでゲームを作るのが普通だったんで、親に買ってもらったパソコンでプログラムを組んで遊んでいましたね。しかし、大学進学の時には何を思ったか、物理学者になりたくなってしまって、コンピュータとはあまり関係ない学科に進んだのです。でも、本格的に量子力学とか習ったら難しくって「だめだこりゃ」と思いましたね(笑)。そんな中でも、やっぱりゲームは大好きでしたから、大学の友人と一緒に趣味でゲームを作り始めました。苦労も多かったけれど、すごく楽しかったんですよ。やっぱり、自分はゲームが好きなんだなぁって思いましたね。その経験がゲーム業界への就職を決めた大きな要因になりました。

 


本当に好きなことというのは時が経ても色あせずにいつまでも胸の中にあるのですね。それでは、前回ご登場いただいた、高橋さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。


南治氏:
 「ひげひげ団」っていうゲーム業界人が集まる飲み会がありまして、そこで高橋さんとも知り合ったんですよ。毎週、そこにあつまって話をするのが楽しかったです。ゲームの神様みたいな人をはじめ、いろんな人たちと出会うことができたし、面白い話も聞くことが出来て、素晴らしい時間でした。
 でも、私が結婚しまってから、あまり参加できなくなっているので、時間を作って参加したいですね!


これまで、自分の仕事に影響を与えた映像、文学、音楽作品などはありますでしょうか。また、これまで南治さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品を挙げてください。

  南治氏:
 なにか1つの作品に大きく影響を受けたとかそういうことはあまりないんですけれど、中学、高校、大学の間に読んできたゲーム雑誌、繰り返し遊んだゲームに影響を受けていると思います。
 当時のゲーム機は今から考えると、貧相なスペックだったのですが、ホントにプレイしていて楽しいと思えました。だから、やっぱり綺麗な画面とかよりも、ゲームシステムやアイディアとかで勝負するゲームが好きだし、そういうゲームを作りたいと思いますね。

 思い入れがあるのはやっぱり、『どこでもいっしょ』ですね。今の会社で初めて作成したゲームでイロイロと大変でしたけれど、それ以上に面白いゲームが作れたので、嬉しかったです。
 初めてゲームショウで一般の人に遊んで貰ったんですけれど、そこで自分たちが想像もしなかったような遊び方を考えて、遊んでいる人たちを見たときは、ビックリしましたね。

 


それでは、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか?これまでのお仕事の中で、"これは良い"と感じたアイディアが浮かんだ瞬間は、どんなときでしたか?

  南治氏:
 なかなか絞るのは難しいのですが、あえて1本だけという事なら『スーパーマリオ64』ですね。
 2Dタイプのゲームから、3Dのゲームへの置き換えって言うだけじゃなくて、3Dならではの仕掛け、操作する楽しさ、奥深さなどをふくめて、新しいゲームへ進化していると思います。
 ゲームとして楽しめるすべてが詰まっている気がしますね。完璧ですよ。

 アイディアを出したり話したりするのは、大抵、飲んで話をするときが多いので、アイディアが浮かんだ瞬間も飲んでいる時が多いと思います。アイディアに関しては大小含めて、いろいろありすぎて、細かくどこにどう使われたとか、あまり憶えてないんです、すみません。

 


「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望などをお聞かせ下さい。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うことをお聞かせ下さい。

  南治氏:
 もっとシンプルで、もっと簡単で、気楽に遊べるゲームを作ってみたいです。今は、iPod とかにもゲームが入っていますけれど、たとえば iPod用のゲームとか作れたら面白いなとか思いますね。
 仕事とか、お金とか、マーケットとか、関係なしに自分が好きなゲームを作ってみたいですねー。そう言う意味では、お金の心配をせずに、好きなゲームだけ作れるようになれるといいなと思っています。

 ゲーム業界を目指す皆さんは、ゲームを作るのが好きな方、興味がある方がほとんどだと思うのですが、今の時代、パソコンの性能が上がったおかげで、個人で手軽にゲームがつくれますし、インターネットを利用して簡単に大勢の人に作ったゲームを遊んでもらうことができます。趣味でゲームを作っていくのに、こんなにいい時代はないと思うくらいです。

 そんな中、あえてプロになる、プロを目指すということは、しっかりした意志とやる気がないとなかなか続かないと思います。プロになるということは、プレイヤーの皆さんからお金を頂くということになるわけです。そうすると、支払ったお金に見合う分は楽しませないといけないという責任も発生してしまうわけです。
 ただし、それによって安易にプレイヤーの皆さんに媚びてしまうような作りにはしないように、と私は心がけています。別の言い方をすれば、できるだけプレイヤーの期待を裏切るように心がけています。もちろん良い意味でです。ゲームを買ってくれる人たちに、新しい驚きというか、体験をしてほしいですし、そういった事を提供していきたいと思いますから。それが、私の考えるプロとしてのあり方です。
と言うとかっこいいんですが、このチャレンジは失敗する事も多いんですよ。全然、売れなかったりとかね(笑)。それでもチャレンジは続けていきたいです!
 プロにはプロの、アマチュアにはアマチュアの良いところ、悪いところがあると思いますから、自分はプロになって何をやりたいのか、なぜアマチュアではだめなのか、しっかり考えた上でプロを目指してほしいです。

 


なぜプロになりたいのか、しっかりとした意思を持つことが大切だとおっしゃる南治さん。しっかりと自分が歩む道を、一歩一歩確かめて進んでいくことで、どんな困難が訪れても乗り越えていく強さを持つということにつながるのではないでしょうか? もっとお話をお伺いしたいところですが今回はここまでです。それでは次回のお友達を紹介していただきましょう。

  南治氏:
 『Xi[sai]』を作った杉山雄一さんを紹介します。私と同じで「ゲームやろうぜ!」出身なんですよ。『XI[sai]』を考えたアイディアマンです。
 

大ヒットパズルゲーム『XI[sai]』を生み出した杉山さん。一体、どんなお話をお伺い出来るのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは南治さん、今回は本当にありがとうございました。