Last Update:2005/08/08
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第195回
ナムコ
高橋慶太さん
今回のクリエイターズファイルのゲストは『塊魂』シリーズの生みの親、高橋慶太さんです。ゲームディレクターとして『塊魂』『みんな大好き塊魂』を生み出した高橋さんですが、ナムコには当初、デザイナーとして入社されたとのこと。自分が担当したいプロジェクトが無く、どうしようかと考えていた際に思いついたゲーム、それが『塊魂』だったそうです。あの独特の世界観を持つゲームはどのようにして生まれたのでしょうか?早速お話をお伺いしていきましょう。

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最初に、これまでの職歴や現在携わっているお仕事を教えてください。また、ゲーム業界で活躍されている高橋さんですが、もともとゲーム業界に対しての強い憧れや、強い決心などをお持ちだったのでしょうか?

  高橋氏:
 大学を卒業後、デザイナーとしてナムコに入社しました。その後はずっとナムコで働いています。
 学生時代は美術大学で彫刻を学んでいたのですが、「一応就職しておこうかなあ」と思いゲーム会社を受け、受かったのがナムコでした。ですから、特に「ゲーム業界で食べていく」だとか、「昔からゲームの開発に携わりたかった」、などのきっかけとか決心というものはありませんでした。
 最近ようやく、『みんな大好き塊魂』が完成し、なんとか発売することができました。
 


前回ご登場いただきました三宅さんとはじめてお会いした際、どんな印象をお持ちになりましたか?


高橋氏:
 いつ頃かははっきりとしないのですが、何かの二次会ではじめて三宅さんとお会いしました。その席ではじめて三宅さんとお話をしたんです。そのとき、自分の目の前で三宅さんが外国の女性と、非常に仲睦まじくしていたのが印象深かったですね。


女性と仲睦まじくですか…。個人的にはその後、どんな展開があったのかお聞きしたいところですが、次の質問をさせていただきます(笑)。『塊魂』を生み出すにあたって、きっかけとなった出来事はありましたでしょうか?また、制作中に苦労された点などありましたら教えてください。

  高橋氏:
 はじめ、社内で自分が所属したいと思う部署が無かったんです。どうしようかとずっと考えていたのですが、そんなときに思いついたのが『塊魂』だったんです。会社から帰宅しようと駅へ向かって歩いているときにゲームの骨子が思いつき、電車の中で色々とまとまりはじめ、自宅の最寄の駅に着いた頃にはなんとなくゲーム全体のイメージが出来上がっていました。
 自分は企画職ではなく、ただのデザイナーであり、人と会話するのがあまり上手い方ではなかったんです。そんな人間ですから、自分の頭の中にあるゲームのイメージや、感じた違和感をスタッフに正確に伝えることができずに苦労しました。ですけど、スタッフも僕の伝えたかったことを理解しようとしてくれたのでとても助かりました。このゲームを世に出せたこと自体が奇跡であり、自分にとって、とても感慨深いことです。
 


自分が携わりたいプロジェクトを自分で作られたんですか!? しかも、出勤時に大体形が決まっていたというのは驚きです! 『塊魂』は独特の世界観を持っていますが、影響を受けた作品などはありましたでしょうか?また、『塊魂』を生み出して良かったと思った出来事がありましたら教えてください。

  高橋氏:
 「この作家が大好きで、もろに影響を受けた」というものはあまりなく、色々な人の色々なところを“つまみ食い”みたいに吸収する感じで作りました。ですので、「影響を受けた作品はこれ」と限定して言えないですね。ただ、芸術家の岡本太郎さんは好きです。

 『塊魂』は日本国内での展開しか考えずに作ったタイトルだったのですが、海を越えた場所でも受け入れられたと聞いたとき、出してよかったと思いました。また、普段ゲームをしない人にも遊んでもらえたこともうれしかったですね。
 次回作では、とにかく新しいことをしたいです。『塊魂』以上にゆるい、ぬるいものが作りたいっす。

 


確かに『塊魂』は、まったく新しいタイプのゲームでしたので、今まであまりゲームをプレイしていなかった人も興味を抱く作品だったのではないでしょうか。それでは続けてお聞きします。高橋さんにとって名作と呼べる作品を1タイトルだけ挙げるとしたら何でしょうか?そして、最後に今後のゲーム業界への希望、展望を教えてください。

  高橋氏:
 実は、発売されなかったために遊んだことは無いんですけど、PS2が発表されたときに一緒に発表された『電線』(※)というゲームをとして挙げさせてください。このゲームが発表された当初すごくドキドキしましたし、そして悔しかったです。
 普通の生活だけど、ちょっと視点を変えただけでもとてもおもしろく感じられることって色々あるわけです。商品として世には出なかったのですが、自分も大学時代にそういうコンセプトで作品を作っていました。それをゲームで再現しようとした『電線』はすばらしいアイディアだったと思います。

 業界に対して特に希望やらはありません。日々不安を抱えながら生活しています。この時代にゲームなんか作っていていいのか、自分のネタはいつまで続くんだろう、ゲームの次に作りたいと思うものは出てくるのか、などなど、皆がいつも持ってるような当たり前の不安でいっぱいです。自分自身の今後の目標は、引越しをしてブルドックを飼うことですね。
(※『電線』:ソニー・コンピュータエンタテインメントより、1999年PS2の発表と同時に明らかにされたタイトルのひとつ。少女が両手で電線を掴み移動していくというPS2の持つ高いマシンパワーを用いて描かれたムービーが公開される。日常的な世界であるにも関わらず、人が電線にぶら下がっているという奇妙な世界観が当時話題となったアクションゲーム)

 


新しい物を作っていきたいと語られる高橋さん。次回作では『塊魂』以上の物にチャレンジされるとのことでしたが、一体どんな作品になるのか、今から待ちきれない思いです。まだまだお話をお伺いしたいところですが、今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。

  高橋氏:
 井崎夏樹くんを紹介します。
 「こんなゲームはどうだろう」なんて思いつきを日々、井崎くんに話していました。頭悪いネタばっかりだったんだけど、一個一個コメントをくれて勉強になりました。『塊魂』を思いついて、まず相談したのも井崎くんです。
 

井崎さんは『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー』のチーフプランナーを担当されたクリエイターさんです。いったいどんなお話をきけるのでしょうか? 次回もお楽しみに。それでは高橋さん、今回は本当にありがとうございました!