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Last Update:2005/04/19
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第186回
スクウェア・エニックス
柴貴正さん
今回のクリエイターズファイルのゲストは『ドラッグ オン ドラグーン』『ディプスファンタジア』などにプロデューサーとして関わられてきた柴貴正さんです。最新作『ドラッグオンドラグーン2 -封印の紅、背徳の黒-』でも、もちろんプロデューサーを担当されている柴さんに、本作誕生秘話などをお聞きしてみました。それでは、早速お話を伺っていきましょう。

(C) 2005 cavia/SQUARE ENIX All Rights Reserved.


最初に、これまでの職歴と現在までに携わってこられたお仕事を教えてください。また、柴さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃のことですか?

 

柴氏:
 1999年エニックス(現スクウェア・エニックス)に入社して、現在に至ります。
 1999年に『ヴァルキリープロファイル』のアシスタントプロデューサーをしました。変り種としては、当時エニックスの公式サイトにて行なった人気投票の結果を受け、作ることが決まったお菓子「うまい棒 エビマヨネーズ味」の開発プロデューサーもしましたね。その後、ネットワークゲーム『ディプスファンタジア』や『チェイスチェイス』、そしてPS2のアクションRPG『ドラッグ オン ドラグーン』のプロデューサーとして開発に参加しました。そして、6月16日(木)に発売される『ドラッグオンドラグーン2 -封印の紅、背徳の黒-』(以下『ドラッグオンドラグーン2』)の開発にもプロデューサーとして参加しています。本作ではゲーム内に口を挟みまくってしまい、開発現場から結構怒られましたよ(苦笑)。

 ゲーム業界への就職を決めたのは、大学の就職活動時期です。小学校低学年のころ、初めて家にファミコン(ねずみ色コード、四角ボタン)がやってきて、ずっとやっていました。おかんにバリ怒られましたねえ。あとテーブルトーク大好きっ子で「D&D」を初め、「クトゥルフ」「ルーンクエスト」といったディープなゲームばかりやっていました。中高は"おたく"でしたね。大学は関西の普通の大学でキュレーターの勉強していました。就職活動時期に自分の人生を振り返ってみると「ゲーム」しかなかったので、ゲーム関連に就職しようと思っていました。今思うとピュアですね(苦笑)。
 中学時代からの親友の安藤(スクウェア・エニックス、『鈴木爆発』『疾走!ヤンキー魂。』プロデューサー)とイロイロまわって、エニックス一本に絞り込んで受けました。彼は受かって、ボクは落ちたのですが「就職浪人」をして翌年再チャレンジ。現在に至っています。

 


前回ご登場いただいた、岩崎さんと出会った時の第一印象はどのようなものでしたか?また、岩崎さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。


柴氏:
 岩崎さんに初めてお会いしたのは東京ゲームショウ明けの飲み会でした。彼は『エースコンバット3 エレクトロスフィア』のディレクターで、ボクは一アシスタントプロデューサー。いや~、正直距離感ありましたよ。その後、岩崎さんがキャビアに入社されて、久々に飲んだ際に「いろいろやりましょう!!」ってボクが口説いたんです。岩崎さんがその話に乗ってくれて、当初キャビアはプロデュース会社だったのに、中に開発まで抱え込んでくださって…。
 そして、ボクと岩崎さんでスタッフを集めて、ようやくできたのが『ドラッグ オン ドラグーン』なのです。相当ゲリラ的な作り方でした。今回の『ドラッグオンドラグーン2』は、満を持して初期段階から「アクセル、ベタ踏み」で作りました。


これまで柴さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品を教えてください。

  柴氏:
 どれもこれも思い出深い作品ばかりです。その中でも特に思い出が深くあるのはやはり『ドラッグ オン ドラグーン』でしょうか。
 『ドラッグ オン ドラグーン』も『ドラッグオンドラグーン2』もボクの「中学時代の妄想の産物」みたいな作品です(もちろんプロとしてちゃんと仕上げていますよ)。
 もともとは、低空と上空だけで繰り広げられる空中戦のゲームだったのですが、人がドラゴンに乗るという「ドラゴンライダー」のゲームにも関わらず、肝心の「ライダー」が忘れ去られているので、「人」にスポットを当てることにしました。そこでできたのが今の『ドラッグ オン ドラグーン』です。
今、『ドラッグオンドラグーン2』を持ってバイヤーさんを回ってプレゼンしているのですが、非常に評判よいので「ものすごいうれしい」です。後はつらいことが多いかなあ…。煮詰まっちゃうこともあるのですが、そんな時は飲んだり、寝たり、別タイトルの仕事をしたりするなどして頭を切り替えていましたね。
 


柴さんがこれまでにプレイされたゲームのなかで、名作を1タイトル挙げるとすれば何でしょうか?

  柴氏:
 名作を1タイトルと言われると難しいですね。強いて挙げるのであれば『信長の野望』でしょうか?兄の影響を受けて、小学生時代に初めてやったPCゲームです。現代の日本地図を覚える前に、昔の日本地図を覚えてしまいました。コーエーさんのゲームにはイロイロ学ばせてもらいましたよ。
 


今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望、柴さんが今一番興味を持っていることを教えてください。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて心がけていることを教えて下さい。

  柴氏:
 具体的ではないですが、将来的には一般ユーザーよりも、ゲームが大好きなコアユーザーにゲームを提示していきたいですね。ゲームはブームではなく、文化になったので、昔みたいなゲームバブルは今後おこりませんから。あとお金をあまりにかけず、ゲームとして面白いものを提供したいです。今のゲームってゲーム以外のところにお金いっぱいかけてますから。

 今、一番興味があるのはゲーム作りです。まだ29歳なんで、ゲーム作りが楽しくて仕方がないです。ボクは非常に現場よりの人間なんで、現場でもっとがんばりたい。とはいえ現場の寿命がある(35歳くらいまででしょうか?)ので、それまではひたすら作りたいですね。あと、小規模でできる楽しいエンターテイメントがやりたいです。ゲームは作るのには100人の力が必要ですから。漫画の編集とか小規模な映像作品とかにすごい興味あります。

 仕事でもなんにでも言えることなのですが、特にエンターテイメントなものを作るのには「愛」が大切だと思っています(最近、確信しました)。
 作品を愛していないと一所懸命に仕事しないですし、そういったカロリーが少ないコトは、作品の出来、不出来に直結します。
 特に、我々プロデューサーというのは「作品の良さを伝える」のが仕事ですから、愛はめちゃめちゃ重要です。ボクの方程式では"作品の収益=ゲームの良さ×プロデューサーの愛"となってます。6月16日(木)に発売される『ドラッグオンドラグーン2』はそういう作品になっていると思うので、一度お試しあれ。

 


「作品に対する愛の大きさが出来、不出来に直結する」とおっしゃる柴さん。『ドラッグオンドラグーン2』は、そんな柴さんの愛情がたくさん詰め込まれた作品なのでしょう。まだまだお話をお伺いしたいところですが、今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。

  柴氏:
 松本良喜さんを紹介します。
 『ドラッグオンドラグーン2』の音楽COプロデューサーであり、テーマソングである「ひとり」の作曲家さんで、大のゲームファンです。中島美嘉さんの「雪の華」、RUI(柴咲コウ)さんの「月のしずく」などを作曲されていて、レコード大賞も取られています。
 

中島美嘉さんが唄う『ドラッグオンドラグーン2』の主題歌「ひとり」の作曲を務められた松本さん。一体どんなお話をお伺いすることが出来るのでしょうか。次回もお楽しみに。それでは柴さん、今回は本当にありがとうございました。