Last Update:2005/04/11
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第185回
キャビア
岩崎拓矢さん
今回のゲストは、『エースコンバット』シリーズ、
『GUN SURVIVOR4 BIOHAZARD HEROES NEVER DIE』『ドラッグ オン ドラグーン』など、数多くの作品に携わられてきたキャビアの岩崎拓矢さんです。ゲーム業界で仕事をしようと気持ちを固められたのは業界に入られてからだという岩崎さん。そのきっかけとなったのは、自分が携わった作品に対して送られてきたアンケートはがきだったそうです。それでは、早速お話を伺っていきましょう。

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最初に、岩崎さんが現在までに携わってこられたお仕事を教えてください。また、それらの作品において、思い出深い出来事などはありましたか?

 

岩崎氏:
 最初に在籍したナムコでは、主に『エースコンバット』シリーズを担当していました。
 その後、キャビアで『GUN SURVIVOR4 BIOHAZARD HEROES NEVER DIE』『From TV animation ONEPIECE ナナツ島の大秘宝』『ドラッグ オン ドラグーン』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』などのプロデュースを手がけています。
 最新作としては『スチームボーイ』『ドラッグオンドラグーン2 -封印の紅、背徳の黒-』がもうすぐ発売される予定です。

 実はナムコでゲームの開発を行なうようになってから、この仕事を続けようという気持ちが固まりました。
 正直それまでは、"サブカル好きのアートかぶれ"だったんですが、『リッジレーサーレボリューション』や『エースコンバット』を担当した際に、さまざまな世代の人から頂いたアンケートはがきを読んで、モノづくりの楽しさを知ったんです。

 


前回ご登場いただいた、丸田さんと出会った時の第一印象はどのようなものでしたか?また、丸田さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。


岩崎氏:
 こんなことを話すと失礼かもしれませんが、モノづくりに対する情熱とビジネスとしての戦略を両方持っておられるように感じました。エラそうでごめんなさい。
 あと、恋愛の話を臆することなく、ストレートに話してくれたのが印象的でした。そういうのは、ちょっとうれしかったりします。


これまで岩崎さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品を教えてください。また、名作と呼べるタイトルをひとつ挙げるとすればなんでしょうか?

  岩崎氏:
 思い入れが強いのは『ドラッグ オン ドラグーン』ですね。それまでシリーズタイトルの開発が多かったので、職人として「ある世界観」を守ってきたんですが、『ドラッグ オン ドラグーン』は初めて担当するオリジナル作品だったんです。初めてオリジナル作品に携われるという反動で沸き起こるリビドー(衝動)を、商品として抑えつつバランスをとることに苦労しました。結果、制作者のエゴが強い混沌とした作品になりましたが、それでも買って最後まで遊んでくださった人には本当に頭が下がります。

 『ディグダグ』『MOTHER』『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のどれかと悩んだあげく、『ディグダグ』を名作に挙げます。何事も原点が大事ですから。
 テレビゲームの表現としていろんな制約がある中で、そこにある「自律性」のようなものを感じさせてくれるタイトルが好きですね。

 


これまで、自分の仕事に影響を与えた映像、文学、音楽作品などはありますでしょうか。また、これまでのお仕事の中で、様々なアイディアが浮かばれたと思いますが、どんなときにどんなアイディアが生まれるのでしょうか?

  岩崎氏:
 スティーブン・スピルバーグ監督の「E.T.」、これにつきます。この作品で味わえる、主人公になりきって物語を体験したときの心地良い充足感。それこそ、エンターテインメントだと思っています。

 アイディアが思い浮かぶのはゲームをしている時と、普段知り合わないような人と会った時ですね。
 ゲームをしている時には、システマチックな面白さのアイディアが思い浮かびますが、人と話している時はゲームが社会に与える影響力として、もっと観念的なものを考えてしまいます。『ドラッグ オン ドラグーン』が持っているユーザーに対して挑戦的な部分は、そういったことから生まれたような気もしますね。

 


今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望や、業界全体への希望、岩崎さんが今一番興味を持っていることを教えてください。そして最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて心がけていることを教えて下さい。

  岩崎氏:
 これからのゲーム業界はプラットフォームが多様化され、業界そのものが再編成されていく中で、それぞれのカテゴリーでの「面白さとは何か?」がもっと突き詰められていくように思います。
 その中で、僕自身が楽しんできたものを解釈して、その時代性にあった形で提供できるようにしていきたいです。発明家ではなく制作者として、日々精進していきたいと思います。

 最近、子供が生まれたんで一番興味あることは育児ですかね。ちょっと個人的すぎて恥ずかしいですが…(笑)。
 毎日子供の目の動きとかを追っていると、だんだんいろんなことに興味が増えてきているのがわかって面白いんです。とにかく、テレビゲームを本気で好きになってもらうように育てたいと思います。その方がきっと話が合いますし。

 ゲームを作るのに必要なのは「いろんな人と話すこと」だと思います。映画やテレビ、本から教わること以上に、人とのコミュニケーションで得られることは大きいです。インターネットや携帯電話などメディアが発達して、コミュニケーションの機会も増える一方で「人との深い関わり」に疲れてしまう人が多いような気がします。一緒に制作するスタッフ、遊んでくれる人たちなど、いろんな人と対話して「より面白いゲーム」を作っていきたいと思います。

 


人とのコミュニケーションから面白いゲームを作っていくヒントを得るという岩崎さん。人と話すことで新しいアイディアが生まれたり、アイディアが洗練されたりしていくのでしょう。もっとお話をお伺いしたいところですが、今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。

  岩崎氏:
 『ドラッグ オン ドラグーン』を一緒に作った仲間、スクェア・エニックスの柴貴正さんを紹介します。
 

柴さんは岩崎さんとともに、『ドラッグ オン ドラグーン』に携わられたスクウェア・エニックスのプロデューサーさんです。一体、どんなお話を聞くことが出来るのでしょうか?次回もお楽しみに。それでは岩崎さん、今回は本当にありがとうございました。