Last Update:2005/01/17
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第173回

渡部 恭久さん
 今回のゲストは、数多くのアーケード作品の楽曲を手掛けてきたYack.こと渡部恭久さんです。最近では、2005年春に全国のゲームセンターで稼動を予定している対戦シューティングゲーム『旋光の輪舞』のサウンドを担当していらっしゃいます。タイトーに入社したことで、ゲーム業界へとお入りになられたそうですが、入社当初、サウンドとはまるで関係ない部署に配属されることになっていたとか。それでは、早速お話をお聞きしていきましょう。

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最初に、これまでの職歴、現在携わっているお仕事を教えてください。また、渡部さんが現在のお仕事に就く決心をしたのはいつ頃、どんなことがきっかけでしたか? その時のエピソードなどと合わせてお聞かせ下さい。

 

渡部氏:
 高校卒業後タイトーに入社、何故か音関係に興味を持ちまして、今の職業を生業としております。代表作という程大それた物ではありませんが、『サイバリオン』『メタルブラック』等、主にアーケードが中心の作品を手がけてきました。
 現在はフリーランスで活動中、『旋光の輪舞』の真っ最中です。2005年2月4日(金)には、稚拙ながら『旋光の輪舞』イメージアルバムを出させてもらう事になりました。曲を聴きながら色々とゲーム中の背景等を思いつつ、ざっくばらんに楽しんで頂けると幸いです。

 当時タイトーに入社が決まった際、実は工場への配属が決まってたらしく、「え? 何それ? わしゲーム作りたくて入ったんやけど」と、当時の人事部長に何人かで直訴した覚えがあります。 今思うとあの頃から無謀でした(笑)。
 実際に配属先が決まってからは、覚える事や訳わからない部分(例えば、どーやったら音が鳴るか等)がいっぱいでして、ただひたすらにノリとゲームに対する愛情だけで駆け抜けたおバカさんだったのだと、この質問に答えながらもしみじみとしてます。あ、今もあまり変わらないかもしれないですね(笑)。

 


もしも、渡部さんがそのまま工場に配属されていたら、Yack.サウンドに触れることが出来なかったかもしれませんね。それでは、前回ご登場いただいた、丸山さんと出会った時の第一印象はどのようなものでしたか?丸山さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。


  渡部氏:
 同僚から「ニフティでYack.ファンが曲にするどい突っ込み入れてる書き込みあるよ」と聞かされて、その文を見たのがある意味、丸山さんとの最初の出会いだったと思います。その後、それを書いたのが同じ会社の後輩だった彼、というオチが(笑)!
 タイトー在籍中は結局、同じ仕事をする機会が無かったのですが、その後、私がフリーになってから『BORDERDOWN』を経てご一緒させてもらってます。
 彼はソフト屋さんのロジカルな思考と、文系が得意とする情緒的なアプローチの両方を兼ね揃えてるので話が合いますね。 なにより、お互いゲーム好きという部分も大きいと思います。
 


これまで渡部さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品をいくつか挙げてください。また、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか?お教えください。

  渡部氏:
 これが一番です!というのは特にありません。すべてに思い入れとバックボーンが存在してますので、決めうちしたくないというのがあるからかもしれません。その割に最近は「うお? こんなん何時書いたっけ?」とボケも始まってます。
 ただ、辛いという所だけ追っかけてみると、案外毎回の様に「つれー!!」と座礁してる気もします。逆に言うとそれが無いと“やってる”感というか、達成感みたいな物が薄れちゃう様で…。仕事やってる時はマゾ入ってます。

 名作を1タイトル、という限定は出来ません。例えば昔のゲームを名作として挙げる事は可能なのですが、「じゃぁどれ?」という話になるとそれぞれに魅力があると思いますので。
 最近ですと、Bllizard社の創るゲームが好きですね。『Diablo』にしろ『WarCraft』、『StarCraft』とどれをとっても世界観といいますか、場の雰囲気を大事にしていると思います。自分が持ってる琴線にマッチしてるというのが一番の理由ですが。

 


これまでのお仕事の中で、“これは良い”と感じたアイディアが浮かんだ瞬間は、どんなときでしたか? また、そのアイディアがどういった作品でどんな風に使われたのか、可能な範囲でお聞かせください。

  渡部氏:
 仕事中、モニターに張り付いてる時よりも、打ち合わせの移動時とか車に乗っている時の方が「あ、これいけるかも!?」とアイディアが降りて来る事は多々あります。ただ、降りてきたアイディアを覚えていないと言う部分も又しかりですけれども(笑)。
 今思うと、どのジャンルをゲームを受け持ったとしても、“最初に思い描いたイメージが実は結論でした”というパターンが多いです。 散々ごね繰り回した挙句に初心に帰る、みたいな感じでしょうか。
 


それでは、渡部さんが今後挑戦したいことや、ゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望をお聞かせ下さい。また、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。

  渡部氏:
 今後は、海外の方ともっと触れ合っていきたいですね。遊びにせよ仕事にせよ、向こうではあたりまえの事が新鮮に映る。それだけでも毎回の様にワクワクしてます。
 自分の展望としては、焼き直しに頼らないタイトルを創っていきたいです。確かに売れて何ぼの商売なのですが、レールとか生産ラインに乗っかる事のない訳わかんない冒険をいつまでもして行きたいです。

 最近、特に目につくのですが、「誰それが良いというからやってみた。」で、「ああ、いいよね これ」が多い気がします。“自分を出そうとしない”と言いますか、先ほどもチラッと述べた“商業ベースに流されて結論を出しちゃってる”的な風潮が残念に思えます。あくまで個人的にかもしれませんが、自分が「こらいけるわ」と自信を持って物を創っていればそのうちに“誰かしらが共感してくれる”ぐらいの気持ちでやってます。大事なのは自分にウソをつかないという部分なのではないでしょうか。経験は後から付いてきますので、もっと自由に物事を考え、尚且つ他人を気遣う姿勢を忘れないでいて欲しいと思います。と、毎回の様に企画者さん方にわがまま言っている私が言うのもおこがましい話ですね(笑)。

 


 商業ベースに流されてしまっている現在の風潮が残念とおっしゃる渡部さん。いつまでも、持ち味を存分に出された素晴らしい作品を届けていただきたいですね。もう少しお話をお伺いしたいですが今回はここまで。それでは、次回のお友達をご紹介していただきましょう。

  渡部氏:
 効果音マンでマルチクリエイター、Babiこと石川勝久さんをご紹介します。
 元後輩ですが、彼もまたゲーム好き。タイトー時代は世代的に感銘を受けた物が被っていたせいか、流れる様にバカ話をしている毎日でした。最近では『武刃街』等の大きなタイトルを手がけております。
 

 石川さんは『武刃街』のサウンドディレクションや、『サイキックフォース2』の音楽・効果音を担当されたクリエイターさんです。一体どんなお話をおききできるのでしょうか?それでは渡部さん、今回は本当にありがとうございました。