Last Update:2004/10/05
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第161回
クラフト&マイスター
船水 紀孝さん
今回のゲストは、2004年春にカプコンを退社され「クラフト&マイスター」を立ち上げられた船水紀孝さんです。カプコン在籍時には『ヴァンパイアハンター』『バイオハザードアウトブレイク』『モンスターハンター』などの作品に携わられてきました。現在、プロデューサーやディレクターとして活躍されている船水さんですが、ゲームクリエイターとしての道を歩み始めたきっかけは驚くべきものでした。それでは、早速お話をお伺いしていきましょう。

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最初にこれまでの職歴や現在携わっているお仕事、そして船水さんが現在のお仕事に就くきっかけとなったエピソードを教えてください。

 

船水氏:
 1985年にカプコンに入社し、初めはアーケードゲームを主に担当しました。代表作としては、『スーパーストリートファイターII X』『ヴァンパイアハンター』『バイオハザードアウトブレイク』『モンスターハンター』などがあります。
2004年にカプコンを退社し、現在、クラフト&マイスターを立ち上げたところです。最新作は、残念ながらまだ公表できません。ごめんなさい。

 この業界に入ったきっかけは、現ゲームリパブリック社長で、当時カプコンに在籍されていた岡本吉起さんのキャッチボール相手として、カプコンでアルバイトを始めたことです。その後、うやむやのうちに社員になり大阪へ連れて行かれました。
 最初は、ドッターをしていましたが「そんなつもりで雇ったわけやない」と言われ、企画職に転向しました。『ヴァンパイアハンター』の頃から、なんとなくプロデューサーっぽい仕事をするようになり、その後はタイトルによって、プロデューサーだったり、ディレクターだったりしています。

 


岡本さんのキャッチボール相手がゲーム業界に入られたきっかけですか!?誰も想像ができない理由ですね(笑)。しかし、そのきっかけが無かったら『バイオハザードアウトブレイク』も『モンスターハンター』も誕生することは無かったかもしれませんね。では、前回ご登場いただいた、スクウェア・エニックスの直良さんとのお付き合いの中で、面白いエピソードなどがありましたらお聞かせ下さい。


  船水氏:
 初めて直良さんにお会いしたのは、漫画家・柴田亜美さんの誕生パーティーの席です。パーティーに参加していたスクウェア・エニックスの松野泰己さんに直良さんを紹介してもらいました(たぶん…そうだったはず…)。
 その時に直良さんと「今度飲みに行きましょう」と約束して、飲みに行くことになったんです。最初は二人で、という事だったのですが、当時アメリカへ仕事に行っていたイラストレーターの安田朗さんが帰国し、安田さんも一緒に行くことになったんです。
 その頃、安田さんがテレビアニメ「機動戦士ターンエーガンダム」の仕事もしていた関係もあり、富野由悠季監督を飲み会に連れて来てくれたんです。若者好きの監督は、すぐに直良さんと仲良くなっていましたね。
 


これまで船水さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品はなんですか?また、ゲーム製作中の思い出や、どんな時にゲームのアイディアが浮かぶのかをお聞かせください。

  船水氏:
 自分の作ったゲームには、全てに思い入れはありますね。それなりに…。

 ゲーム製作でつらかった事といえば、アーケードゲームを担当していた時、業績穴埋めソフトばかり作っていたので、クリスマスと正月、夏休みが全然取れなかったことですかね。ゴールデンウィークはありましたけど。
 うれしかったのは、カプコンでの生活の最後に、オリジナルのゲーム『モンスターハンター』を作れたことです。

 『モンスターハンター』には、他のMMORPGと一味違ったオリジナル要素を入れたいと常々考えていました。
 岡本さんに「一日は24時間あるんやでぇー」と物事を考える姿勢を教わり、人と雑談している時や会議中など、いつでもどこでも考える癖がついてしまいました。ですから、よく「人の話を聞いているのか」と怒られます。『モンスターハンター』の“肉焼き”も、そんな時に浮かんだアイディアのひとつですね。
 やっぱりアイディアを搾り出そうとしていると、煮詰まってしまう事もあるのですが、そんな時にはサッカーをして息抜きをしています。

 


「こんなゲームをつくりたい」「こんなゲームで遊んでみたい」など、今後のゲーム・エンタテイメント業界におけるご自身の展望をお聞かせ下さい。 

  船水氏:
 いつか作ってみたいのは、RPGですかね。もちろん得意ではないので、これからの話ですが…。
 以前は、RPGでヒットゲームをつくらない限り、ゲームクリエーターとして認められない、という強迫観念があったのですが、今は単純に「やってみたいな」と素直に思っています。

 近い将来の話では、「ニンテンドーDS」や「PSP 」といった携帯用ゲーム機へのタイトル製作ですかね。
 “携帯”というゲーム機がひとつのジャンルでもあるので。携帯ゲームには、僕が「ネットワークゲーム」という言葉を初めて聞いたときの思いに近い感じがありますね。
 ネットワークゲームといえばRPGやファーストパーソンシューティングぐらいしか無かった時、僕はひねくれて『バイオハザードアウトブレイク』や『モンスターハンター』を考えていたので、“そういうもの”を携帯ゲームでも作ってみたいです

 


最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、タイトル作りにおいて一番大切だと思うことをお聞かせ下さい。また新作への意気込みなどもあわせ、読者に向けてメッセージをお願いします。

  船水氏:
 一番大事なのは「常に問題意識を持って、物事を見て考えること」です。そうすることで、時代の流れやユーザーが望むものを見極められるのではないでしょうか。
 あと、会社を作って再認識したことですが、人と人のつながりはとても大事です。部屋に篭ってばかりいないで、人と接する機会をどんどん作っていって欲しいですね。

 新作について内容はまだ明かせませんが、クラフト&マイスターならでは、とみなさんに思わせる作品に仕上げるつもりです。期待していてください。

 


 24時間、いつでも、どこにいてもアイディアを考え続けているという船水さん。クラフト&マイスターでも、きっと素晴らしいアイディアが形になったタイトルを発表してくれることだと思います。まだまだ、楽しい話をお伺いしたいところですが、今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。

  船水氏:
 僕の親友であり、永遠のライバルでもあるイラストレーターの安田朗さんを紹介します。
 この男がいなかったら、ゲーム業界で仕事を続けていなかっただろうと思います。
 今は、ゲームの仕事をするのが嫌になっているみたいですが、その内、また一緒に仕事をしたいなと思っています。それまでは生き残れるよう、がんばろう。
 

 安田朗さんは『ストリートファイター』シリーズのキャラクタデザインやアニメ「機動戦士ターンエーガンダム」のキャラクタデザインを手掛けられた方ですね。どんなお話をお聞きできるのか非常に楽しみです。次回もお楽しみに!それでは船水さん、今回は本当にありがとうございました。