Last Update:2004/09/21
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第159回
ケイブ
池田 恒基さん
今回のゲストは、『エスプガルーダ』『怒首領蜂』『怒首領蜂大往生』、そして最新作『虫姫さま』といった数々のシューティングゲームのプログラマーを務められている池田恒基さんです。池田さんにとってのシューティングゲームの魅力や、敵の攻撃が画面を覆い尽くす「鬼弾幕」が誕生したきっかけなどをお伺いしました。

(c)2002 CAVE CO.,LTD.
DEVELOPMENT AND DISTRIBUTION BY ARIKA CO.,LTD.
(C)2003 CAVE CO.,LTD. DEVELOPMENT AND DISTRIBUTION BY ARIKA CO.,LTD.


最初に、これまでの職歴や、現在携わっているお仕事などを教えてください。また、池田さんは、どんなことをきっかけとされて現在のお仕事に就く決心をされたのですか?

 

池田氏:
 最初に入社した東亜プランで『V・V』と『BATSUGUN』を担当しました。その後、ケイブでは『首領蜂』『怒首領蜂』『エスプレイド』『ぐわんげ』『プロギアの嵐』『怒首領蜂大往生』『ケツイ -絆地獄たち-』『エスプガルーダ』の開発に携わってきました。全てシューティングゲームですね。
現在は2004年秋のリリースを目指して開発している『虫姫さま』に力を注いでいます。『虫姫さま』に関してはハードも変わったこともあり、今までのタイトルとは違うパワーを感じてもらえると嬉しいですね。

 ゲームに携わる仕事を選んだのは、自分のアイディアを形にしたいと思ったからです。
 昔、ゲームを遊んでいるときに「ここがこうなら自分にはもっと面白いのにな…」というアイディアをよくメモしていたのです。ある時、ふと第三者的な意見が聞きたくて、まとめた自分のアイディアを「こんなゲームが出るらしいよ?」と言って友人に聞いてもらった時、以外と好感触だったことがきっかけだったような気がします。

 


なるほど、自分のアイディアを作品にしたいという気持ちが池田さんの将来を決定付けたわけですね。では、前回ご登場いただいたアリカの三原さんとのお付き合いのなかで、思い出深いエピソードなどありますか?


  池田氏:
 三原さんとは『怒首領蜂大往生』のコンシューマへの移植がきっかけでお会いしたのですけれども、移植にかける意気込みと世界最高記録をDVDに収録するという熱意に心を打たれました。
 DVDの収録時の思い出なのですが、当時のベストに近いスコアが出たにも関わらず、こちらの不手際で録り直しになってしまった事があったんです。しかもその時点で締め切りをすでにオーバーしていて。「二度と無理かもしれないが、もう少し頑張ってみます…」と三原さんはおっしゃっていたのですが、最終的にはそれを超える内容に仕上がっていてスゴく感動した憶えがあります。
 


『怒首領蜂』『ぐわんげ』などこれまで池田さんが携わってきた作品の中で、特に思い入れが深い作品を教えてください。また、池田さんの作品といえば、なんといっても「弾幕」が特徴だと思いますが、どの様なきっかけで「弾幕」を思いつかれたのですか?

  池田氏:
 やはり最初に作った『V・V』への思いは強いですね。
 当時、東亜プランに入社した同期の人間だけで初めてゲームを作ることになったんです。同期の人間だけですと上下関係が特にあるわけでもないので、自分の考えをとおすためには皆を言葉で説得しなければならない。そういったことを毎日続けていく中で、自分のゲームに対する考え方や思いが、いかに偏見に満ちていて狭いものかを実感させられましたね。作り手である以上、遊ぶ側と同じ視点に立っているだけではダメだということも、そのときにたっぷり認識させられました。

 「弾幕的撃ち方」のアイディアが浮かんだのはゲームをしている時でした。当時、『沙羅曼蛇』を遊んでいた時に「難易度的には大して差がないのに、場面によって弾避けの爽快感に差があるのはなぜなのか?」というのを常々思っていたんです。そして「弾避けの爽快感を意図的に演出できるのではないか?」ということを考え始めました。
 それが「弾幕的撃ち方」を考えた発端となりました。そのアイディアは、『怒首領蜂』以降にそれが盛り込まれた形になっています。

 


それでは、自分がプレイしたことのあるゲームの中で、「名作」と呼ぶべきゲーム作品を1タイトル挙げるとすれば何ですか? また、池田さんにとってシューティングゲームの魅力とはなんですか?

  池田氏:
 コナミの『沙羅曼蛇』です。その当時のビジュアルショックもさることながら、色々な角度から放たれる圧倒的な弾幕や喋りまくりのボイスなど、今の自分のゲームでも影響を受けている部分がたくさんあります。特に難易度の上げ方については、「こんな敵がこんなことをしてくる」的な要素が多く盛り込まれ、私の中の「高難易度=面白くない」といった図式を崩壊してくれた最初のゲームでした。

 シューティングゲーム最大の魅力は、単純な要素をリアルタイムで試行錯誤しながら遊ぶところですね。敵を狙って撃ったり、弾を避けたりとそれぞれは凄く単純なことですけれども、その組み合わせや状況によって「自分はどのように行動すべきか?」といったことを瞬間ごとに問われる、そんな部分が大好きです。

 


最後に、今後「こんなゲームをつくりたい」というご自身の希望と、これからゲーム業界を目指している読者へ向けて、ゲーム開発において一番大切だと思うことをお聞かせ下さい。

  池田氏:
 シューティングっていうのは、ある意味大きな変化が「許されない」ジャンルだと思うのですが、その限られた範囲の中でも、まだできることがあると思っています。しかし、その中で自分の欲求を全て満たすゲームを作るとなると、それには相応のハードパワーが必要だと思いますし、ジャンルとしての市場性から考えるとなかなか難しいというジレンマがありますね。

 ゲーム製作を仕事にするには「ゲームが好き」という気持ちが一番大事だと思います。この業界に入ろうとすると、よく「マニアの人はちょっと…」みたいなことを言われがちなんですけど、それでもこの気持ちの強い人は自分に自信を持って欲しい。この気持ちが強ければどんな状況であれ、どんなスキルであれ、それを乗り越えていけると思います。
 ゲーム業界には色々な職種がありますが、どんな職種においてもこの気持ちの強い人は良いものを作っていると思います。

 


 池田さんも、「ゲームが好き」という気持ちとゲームへの情熱を持ち、様々な困難を乗り越えてこられたと思います。シューティングゲームにかける“熱い”思いをこれからもどんどん形にしていっていただきたいですね。もっとお話をお伺いしたいところですが、今回はここまでです。それでは、次回のお友達を紹介していただきましょう。

  池田氏:
 スクウェア・エニックスの直良有祐さんを紹介します。ゲーム業界に入ったときの同期組の一人です。彼からはゲームの見方や考え方について、あまりにも多くの影響を受けています。親友でもありながら尊敬してやまない彼は、同期としても誇りに思っています。今後の活躍も多いに期待しています。

 

 スクウェア・エニックスの直良有祐さんは『アンリミテッド:サガ』『フロントミッション4』のキャラクタデザインを担当された方ですね。一体どんなお話をお聞きすることができるのでしょうか?それでは池田さん、今回は本当にありがとうございました。