>>第156回 スクウェア・エニックス 石井 浩一さん
石井氏: 『FF I』の開発当初、世界観のイメージを膨らませるためにいつも天野さんの画集を眺めていたんです。ですから、僕には『FF』のイラストを頼むなら天野さん以外は考えられませんでした。なので実際に会えた時はすごく感動しましたね。ただのいちファン状態でしたから。 確かその時だったと思うんですけど、坂口さんから「今日、天野さんが来るけど、あくまでも仕事だから、みんなでサインをねだらないように」と警告されていたにも関わらず、天野さんに挨拶するやいなや僕がまっ先に画集にサインをしてもらってしまって。僕がきっかけで天野さんへのサイン会の列ができちゃいました。あの時の坂口さんのあきれた顔は今でも覚えています(笑)。
天野さんとのエピソードで一番印象深いのは、『FF XI』のワールドマップ製作の時の出来事ですね。僕が『FF XI』を担当することになり、ネットワーク内の世界を表現すると同時に『FF』の集大成と言えるような絵が必要だと考え、天野さんにイメージを伝え、描いて頂くことになりました。 後日事務所に行くと、タタミ4畳分の巨大な白い紙が並んでいて、何に使うつもりなのか天野さんに訊ねたんです。
石井:「なんですか、これ?」 天野:「うん。これに書こうと思って」 石井:(え??) 天野:「金箔も張るから、かなりの大仕事になるなあ」 石井:(ぐわっ)
天野さんと僕のスケールの違いを垣間見た瞬間でした。