Last Update:2004/07/26

週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第152回
モノリスソフト
野村 匡 さん
グラフィックや音楽、プログラムといった様々な分野のクリエイターによって、ひとつの作品が生み出されます。ですが、多くのクリエイターは、タイトルを作り上げた時点で仕事が終了になります。その後、仕事を引き継ぐようにタイトルを一般に告知するのが“宣伝”の方々。今回のゲストは、そんな宣伝をご担当されているモノリスソフトの野村さんです。
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まず最初に、野村さんがゲーム業界に入ったきっかけや、これまでに携わられてきたタイトルについてお聞かせください。

  野村氏
 もともと、外資系のコンピュータ(ゲーム機じゃないです)メーカーで、学校にワークステーション(死語)を売って歩く営業をしていました。ところが当時は営業先の学校の先生にいじめられるのが辛くて(文系だったもので、コンピュータの中身のこととか良く分からなかったんです)、他の仕事ならなんでも良いから転職したいと考えていました。 そんなとき、たまたま求人誌で見つけたスクウェア(現スクウェア・エニックス)の中途採用試験を受けたら、受かってしまったんです。そこで、さしたる決心もなく「受かったから、それじゃあ…」くらいの気持ちで入社しました。
 その後SFCの黎明期からWSの終わり頃まで約12年間、ゲームの宣伝をしました。途中、いろいろあってSFC『バハムート・ラグーン』の開発部長をやったり、オンライン事業立ち上げの末席を汚したり、当時プレイステーションマガジン誌の編集長だった杉村さんと大喧嘩したりとか(笑)。もちろん、今は仲直りしていますよ(笑)。
 そして、ゲーム以外の宣伝もやってみたくなって友人の広告制作会社に移りました。小さな会社だったので営業も自分でやらなくてはならず、結局取ってくるのはゲーム関連の仕事ばかり。そんな状況に悩んでいたとき、モノリスソフトの社長杉浦に声を掛けられ、拾われたのが2003年4月。同社で宣伝をやったり、GC『バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海』(ナムコより発売)のプロデュースを引き継いだりしました。
 


前回ご登場いただいたステラヴィスタの野島さんには、どのような印象をお持ちですか。


  野村氏
 見た目(失礼)より繊細そうな印象を受けました。初めてお会いしたときに「あ、このヒトはモノを創るヒトだ!」と直感的に感じましたね。それで話をしていくうちに、「この人の創るモノを自分が売りたい」と思ったのを覚えています。実は、これは私のように人付き合いの幅の狭い者にとっては稀有なことなんです。
 野島さんとのお付き合いの中で、人にお話しして面白いエピソードはあんまりないんですが…。お互いそろそろいい加減オッサンなので、酔っ払うと毎回同じようなネタで盛り上がっているような気がします。
 


これまで、自分の仕事に影響を与えた映像、文学、音楽作品などはありますか?

  野村氏
 文学じゃないんですけど…。オリビエーロ・トスカーニという人が書いた「広告は私たちに微笑みかける死体」という本がありまして。私とは価値観がまるで違うし、言ってることも大抵ハナにつくんですけど、広告屋として参考にせざるを得ない何かが書いてあるんです。
 それと、音楽ですね。最近はCDを1日に1枚“何かしながら聴く”のではなく“ただ音楽を聴く”ように流しています。仕事に直接関係はないのですが、歳をとって散漫になりがちな集中力をなんとか取り戻したくて。
 あと、影響とはちょっと違いますが、仕事で煮詰まったときはタバコを喫って一時リラックスさせます。それでも駄目なくらい煮詰まったら、あきらめてサッサと家に帰ります。スイッチのオン/オフをハッキリさせるのが自分には合っているようです。
 


タイトルの魅力を様々な形でユーザーに届けるのが宣伝というお仕事だと思います。それでは、宣伝というお仕事において、大事なことは何でしょうか?

  野村氏
 プロデュースだの宣伝だのという仕事は華やかなイメージがありますが、実際には泥臭い現実をひとつひとつ積み重ねていくものだと思います。
 宣伝展開を考えている中でいろいろな案が出されますが、閃き一発のアイディアは大抵途中で頓挫します(笑)。通勤の電車の中で、くだらないアイディアとかが割と閃いたりしますが、そんな訳ですので駅に着く頃には忘れるようにしています(笑)。
 


今後、ゲーム業界はどんな方向に向かっていくとお考えですか? また、今後のゲーム業界を担うであろう読者に向けて、メッセージをお願いします。

  野村氏
 ジャンルとか作風は、ますます細分化されてそれぞれに尖った方向に向かうんじゃないでしょうか? クリエイターとしては挑戦的なモノ作りができるようになるんでしょうが、「それでご飯が食えるか?」というと…。難しい時期にさしかかっていると思います。
 これから社会人になる人たちに伝えておきたいのは、業界とは全然関係なく、「ありがとう」と「ごめんなさい」を素直に言えるようにするのが大切だということです。この2つが言えないと確実に損をします。でも、実際は言えない人ばかりなのでこれを言えると得をすることが多いんです。
 


作品の面白さをビジュアルやキャッチコピーで表現し、ユーザーの興味を高めていくお仕事を日々、続けられている野村さん。タイトルの中身を深く理解し、緻密な計算の基にプロモーションを展開されていらっしゃるのでしょう。もっとお話をお聞きしたいところですが、今回は残念ながらここまで。それでは、次回のお友達をご紹介いただきましょう。

  野村氏
ミストウォーカーの田中謙介さんをご紹介します。田中さんは会うたびに太ったり痩せたりする特技を持つ方です。ボチボチ、何かあるんじゃないですか?(笑)
 

ミストウォーカーは、『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親である坂口博信さんが在籍されているメーカーです。 これは面白いお話が聞けそうです。次回もお楽しみに! それでは野村さん、今回は本当にありがとうございました。