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Last Update:2004/07/12

週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第150回
スクウェア・エニックス
植松 伸夫さん
ゲームミュージックの中で、名曲と呼べる楽曲は多数、存在しています。今回のゲストは、その中でも特にユーザーの記憶に残っているであろう『ファイナルファンタジーVIII』の主題歌「Eyes On Me」の作曲を手掛けられたスクウェア・エニックスの植松さん。他にも様々なゲームミュージックを作曲されてきた植松さんにとって、本当に楽しい仕事とは? 早速、お話を伺ってみましょう。
 

前回、ご登場いただいたスクウェア・エニックスの時田さんとの出会いは、どのようなものでしたか? また、植松さんから見た時田さんとは、どのような人物ですか?

  植松氏
 初めて会ったとき、彼は迷彩色の服を着てたかな? で、機関銃型のエレキギターを弾いたりしていたので軍隊マニアかと思いました。
 でも、絵も描けば音楽も演劇もやる…なかなかマルチな才能を持ったヤツです。誰か時田家に嫁いでやってください。
 


これまで、ご自身の楽曲作りに影響を与えた作品などはありますか?


  植松氏
 小学校6年生のときに聴いたルー・クリスティの「魔法」という曲。ポップスの楽しさを教えてくれました。これを手始めに僕は音楽にハマっていったのです
 


これまでの楽曲作りの中で、特に記憶に残っているアイディアが閃いた瞬間はどのようなときでしたか? また、仕事中のリラックス方法についてお聞かせください。

  植松氏
 曲のアイディアは、仕事帰りに駐車場に向かうときやお風呂上りに体を拭いているとき、夜1人でお酒を飲んでいるときなどによく閃くことがあります。閃いたアイディアはできる限りノートに書き記すことにしています。
 テレビアニメの「ファイナルファンタジー:アンリミテッド」の主題歌を作っているときもお風呂上りに「テクノ+フォルクローレ」のアイディアが閃きました。そこでクラフトワークっぽいシンセサイザーにチャランゴのカッティングを加えてデモテープを作ったのですが、この珍妙なアイディアはあっさりと却下されてしまいました。面白い音だったのになぁ…。
 あと、これまでの曲で特に思い入れが深いのは『ファイナルファンタジーVII』『ファイナルファンタジーVIII』『ファイナルファンタジーIX』。僕の中で、休みなしに作ったので、これら3作品は1作品扱いです。今聴いても勢いもあるし、楽しそうに作っているのがわかります。こういう仕事ばかりできるといいんですけどね。  その中で『ファイナルファンタジーVIII』の「Eyes On Me」がヒットしたのは嬉しかったです。「Eyes On Me」「Melodies Of Life」「素敵だね」の3曲を通して、自分はやはり歌を作ることが好きであることを再確認しました。
 それと、実は息抜きするのは苦手です。でも時間さえあれば、自宅と会社以外の場所へ行きたいと常に思っています。非現実を感じていたいのでしょう。オカルトが好きなのも同じ理由だと思います。
 ちなみに「Eyes On Me」は曲自体はすぐできたので、息抜きする必要はありませんでした。
 


今後のゲーム・エンタテイメント業界についての希望・展望をお聞かせください。また、現在興味を持っていることや挑戦したいことなどはありますか?

  植松氏
 個人的に、バトルのないゲームがもっとあってもいいと思います。武器や魔法を安易に手にして敵をなぎ倒していくシステムには、もううんざりです。うまく言えなくてごめんなさい。でも、僕が子供たちに伝えてあげたいのは「他人と競争して勝つこと」(これもときには必要だけれど)だけではなく、他人の気持ちを思いやれる心のゆとりを持つことなのです。
 バトル(闘い)というものは個を際立たせるけれども、共に思いやる気持ちは、すべてをひとつにできるのではないでしょうか? 私の中の名作は『MOON』なのですが、その理由のひとつが「バトルがない」ことです。素晴らしい作品です!  いずれにせよ、ここまでゲームが一般の人々に浸透してしまった以上、ゲームを作っている人や会社は自分たちの作品がユーザーに与える影響について責任を持つべきだと思います。
 それと、現在興味を持っていることはカヌーで、挑戦したいことは「チャクラを開く」ことです。
 


最後に、クリエイターを目指している読者に向けてメッセージをお願いします。

  植松氏
 難しく考えないで「ゲームが好きだからゲーム業界に入りたい」という単純な理由で目指してもいいと思います。
 ただ、ゲームを通して「自分が表現したい何か」、もしくは「大切にしたい何か」というものを根底に持っておいた方がいいでしょう。そうすれば、悩んだときに常にその初心に戻れば、迷わずに済みますよ。
 


ゲームが身近な存在になった現在、クリエイターたちには責任があると語る植松さん。ご自身も作曲生活を送りながら、その責任を日々感じていらっしゃるのでしょう。だからこそ、「Eyes On Me」のようなユーザーの記憶に残る名曲を生み出せるのではないでしょうか。もっとお話をお聞きしたいところですが、今回はここまで。それでは次回のお友達をご紹介いただきましょう。

  植松氏
 ステラヴィスタの野島一成さんを紹介します。野島さんは僕と同じく、ロックとプロレスと酒が好きなゲームのシナリオライターさんです。
 

野島さんは『ファイナルファンタジーVII』をはじめ、数々の『ファイナルファンタジー』シリーズのシナリオを手掛けられた方ですね。一体、どんなお話を聞かせていただけるでしょうか。次回もお楽しみに。それでは植松さん、今回は本当にありがとうございました。