Last Update:2004/04/12
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第139回
楽天
前田 靖幸 さん
今回は楽天でカジュアルゲームサイト「インフォシークゲーム」の制作に携わられている前田靖幸さんをお迎えしています。カジュアルゲームサイトは、インターネット上で手軽に遊べるソフトが多数用意されているサイト。そのため、短期間に次々と新しいラインナップを加えていくことが重要になるとのこと。同じゲームであっても、1本のゲームをじっくり時間をかけて開発するコンシューマゲームとは、手法が大きく異なるようです。それでは、前田さんにコンシューマの世界とは違う角度から“ゲーム”についてお話いただきましょう。
Copyright (c) 1997-2004 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.

まず、前田さんが現在のお仕事に就かれたきっかけと、これまでに携わられた作品についてお聞かせください。

  前田氏
 テレビゲームは、実はとても専門的な分野です。黎明期にこそ、努めてボトムユーザーを拡大する施策を打っていかないと、5年・10年先はニッチなマーケットしか残らなくなってしまいます。そこで、あらゆる人々に自然にゲームを身近なものにしていただきたいと考えました。そしてそのためには、失われつつある“ゲーム原体験の場”をきちんと設けることが大事ではないかと。また、オリジン(原点・起源)となる作品に、できるだけ触れてもらいたいとも思いました。
 これまでに携わった作品は『フロントミッションシリーズ・ガンハザード』『サガ・フロンティア』『チョコボの不思議なダンジョン2』『チョコボレーシング』など。1995年4月にスクウェアさん(現スクウェア・エニックス)に入社した後、これらのタイトルのプロデューサー及び宣伝プロデューサーをやらせていただいてました。
 その後2000年8月に、ジェイゲーム(Jgame=Javaゲームの意)を設立。ブラウザ上でネットワーク対戦が行えるゲームコミュニティの構築・ASP展開を開始し、現在に至っています。ですが設立から1年半は、その運用環境を維持するだけでとってもマッカッカ(赤字)で、人生をマジで悩みました(笑)。
 


前田さんはこれまでに幅広いジャンルのゲームに触れてこられたとおもいますが、過去に前田さんがプレイした、もしくは携わられたゲームの中で、思い出深いものはなんでしょうか?


  前田氏
 いちユーザーとして名作だと思うタイトルは、ジョブシステムが秀逸だった『ファイナルファンタジーV』や王位継承システムが楽しかった『ロマンシング・サガ2』など、時代ごとに多数存在しています。その中であえて1本選ぶとしたら、『ボンバーマン』ですね。どんなユーザーでもマニュアルなしで遊べる点と、テレビゲームが“子供のおもちゃ”だった時代に大人まで引き込んだ、功労者だと思いますので。
 自分が関わったタイトルの中では、特に思い出深いのが『サガ・フロンティア』です。フリーシナリオの河津さんの“マジック”を目の当たりにして、感激の毎日でした。そして、朝も夜も100万本売ろうと全霊を注ぎ、自分のツテというツテを使い尽くしましたね。
 


これまで、自分の作品作りに影響を与えた映像、文学、音楽作品などはありますか?

  前田氏
 いろいろありますが…。まず、周囲の人と情報共有を行った作品が「指輪物語」や「スター・ウォーズ」、そしてスティーブン・キングの映画や小説です。
 それと、文章的な部分で司馬遼太郎さんの「歴史と視点」。文脈の構成の仕方や文言の用い方は、非常に参考になります。
 また、エリヤフ・ゴールドラットの「ザ・ゴール」にも影響を受けています。コスト意識やワークフロー改善、目的達成への具体策の必要性を強烈に認識させられました。
 


今後、多くのユーザーを楽しませてゲーム業界を盛り上げていくために必要なことは何だとお考えですか? また、そのために挑戦していきたいことなどはありますか?

  前田氏
 ゲームは現在、「子供のごっこ遊びに近いもの」「大勢が集まるお茶の間や宴席で遊ぶと不思議と楽しいもの」「生活に馴染みすぎて、ゲームと感じられないもの」など、多種多様なカタチで日常に転がっていると思います。
 ですが我々は反対に日常の別の何かを糧にしてゲームを作っていて、その密着ぶりはどんなユーザーよりも深いものです。そしてあらゆるユーザーに、我々と同じくらいゲームを身近に感じてもらう必要があるでしょう。そのためには、失われつつある“ゲーム原体験の場”をきちんと設けることが大事だと思います。そこで私は、総合インターネットサービス業において、ゲームの親和性をいかに高めるか、を日々のテーマとしています。まだまだ仮説だらけですけど‥。
 また、もう一度、小学生から火をつけるべきでしょう。子供に、熱中してもらおうと努力する真摯な姿勢こそ、正しい大人の姿だと思います。
 


では最後に、これからゲームクリエイターを目指す読者に向けて、メッセージをお願いします。

  前田氏
 過去にこちらのコーナーに出演された方々が、いろいろなメッセージを残されたと思います。なので私は、簡潔に。「誰かが止めるまで、突っ走っていいかも」。
 


ユーザーにゲームをもっと遊んでもらうには、今以上にゲームを身近な存在にしてもらうことが必要だと語る前田さん。その手段のひとつが、前田さんが携わられているカジュアルゲームサイトなのでしょう。もっとお話をお聞きしたいところですが、残念ながら今回はここまで。それでは、次回のクリエイターをご紹介いただきましょう。

  前田氏
 ハドソンの高橋利幸さんをご紹介します。高橋さんはクリエイターとしてご活動されているわけではありませんが、とても有名な方です。私がゲーム業界に関心を抱くきっかけをくれた大先輩です。
 

ハドソンの高橋さんと言えば、ファミコン全盛時代に多くのユーザーに親しまれていた「高橋名人」ですね。現在は営業部に在籍され、名人とは違う形でご活躍されていらっしゃいます。名人ならではのお話をお聞きできると思います。次回もお楽しみに。では、前田さん、今回は本当にありがとうございました!