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前回ご登場いただいたフラグシップの竹本さんは土屋さんのことを「師匠」と呼ばれていました(笑)。どのような経緯で、竹本さんとのお付き合いがスタートされたのですか?
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土屋氏:
竹本くんとの出会いは、私がセガに在籍していた当時にデータイーストさんと『ウィンターヒート』を製作していたときです。彼はデバッグのアルバイトに来ていました。話をしたところ、「ゲーム制作者になりたいので企画を見てほしい!」と企画書を持ってきたので評価したんです。企画内容はよく覚えていないのですが、「ゲーム制作に対して、その辺のクリエイター以上に情熱があるなぁ」と思い、この業界に引っ張ってしまいました。本人にとって今が幸せかどうかは、恐ろしくて聞いていません(笑)。
また、彼は根っからの硬派なバイク乗りなのですが、実は最近、バイクの世界ではちょっと軟弱なビッグスクーター(BS)に乗っています。そして、その“世界”に引き込んだのも私です(笑)。
私はBSに乗ってもう7年目になるのですが、あるとき竹本くんが私と同じバイクに乗っていることを聞いたんです。彼はBSなんて一生乗らないと思っていたので話を聞いてみたら、「ちょっと羨ましかった」と言っていました(笑)。彼は最近2台目を購入したと言っていましたので、完全にハマっているようです。 |
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なるほど、確かに土屋さんは竹本さんの「師匠」ですね。仕事だけでなく趣味にまで大きな影響を与えているわけですから(笑)。では、土屋さんはどのようなきっかけで現在のお仕事に就かれたのですか? |
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土屋氏:
元々ゲームクリエイターを目指していた訳ではないんです。高校時代は「大学に行ったら遊んでやろう!」というモチベーションでしたし、大学に入ってもバイト・バイク・車・パチンコ・飲み・バンド・デートと忙しい学生時代を過ごしていたので、将来について特に考えたことはありませんでした。
それでも漠然と理科の教師というイメージがあったのですが、それに挫折し、就職戦線からも脱落していました。“どこにも就職先がない!”と感じたときに立ち返って考えたのが、「ゲーム」との関わりでした。
ビデオゲームが世の中に登場する以前の幼少の頃から、デパートの屋上でアーケードゲームを遊び、学生時代はいわゆる「溜まり場」としてゲームセンターを活用していました。自分の側には常に「ゲーム」の存在があったんです。そしてそこでなら、自分にも何かできるかもしれないと考えました。
就職先をセガに決めたのは、体感ゲームの『アウトラン』をゲームセンターで見て、「これが作れる会社にしよう!」と思ったからです。
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ゲームクリエイターになられた直接のきっかけは『アウトラン』ですが、根幹にはビデオゲーム以前のアーケードゲームへの想いがあった、ということでしょうか? |
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土屋氏:
そうですね。子供の頃初めて遊んだ数々のアーケードゲームは自分のゲーム作りに強い影響を与えていると思います。
当時は「フリッパー(ピンボール)」に代表されるような、アナログゲームしかありませんでした。その他、100円を入れてラジコン戦車を操るゲームや、魚雷を戦艦に向けて発射するゲームに興じていました。今では映像技術が進歩しているので色々な演出が簡単に表現できますが、当時のタイトルはそうではありません。でも、表現できない部分を自分の中でたくさん補完して遊んでいました。たとえばヘリコプターに棒が付いていて飛んでいる様に見せているゲームも、私には本当に飛んでいるように見えました。アナログゲームの物理的に納得せざるを得ないゲーム性と、世界観を自分で想像しながら遊ぶと言うゲーム性が、“遊び”としてはそれで十分完結していたように思います。いや、むしろ“遊び”という概念の中では、アナログゲームこそが最も面白く遊べるのではないかと今も思っています。
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最近は何かとデジタル化が叫ばれていますが、土屋さんにとってはアナログゲームも大事な存在なのですね。トレーディングカードを使用して遊ぶ『WCCF』も、そのような意識から生まれたのでしょうか? |
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土屋氏:
ええ、『WCCF』は私のすべてが詰まった作品だと言えますね。このタイトルは、私が仮面ライダーカードにハマったり、ゲームをプレイした後にオマケが出てくるゲームにハマったり、通い詰める溜まり場を形成できたり、操作がアナログであったりと、自分のオリジナリティーが出尽くしたような作品です。なので、思い入れは特に強いです。過去にいろいろなゲームを作りましたが、『WCCF』が初めて“子供”に見えた作品です。
もちろん他にも、アナログ的な遊びを盛り込んだタイトルを作っています。昔の作品ですが、『ジャンボ尾崎スーパーマスターズ』もそうです。これは、自分が初めてディレクターを務めた業務用の作品です。稼動していたのはもう10年以上も前なので、今のユーザーの中で知っている人はほとんどいないと思います。「システム24」という基盤を使用したゴルフゲームで、コントロールパネルにゴルフスイングをするクラブを持った人形が付いているソフトです。クラブを引っ張ってタイミング良く放してボールを打つのですが、野球版をイメージして作っています。企画とディレクションを1人で兼務したので、辛いこともありましたがその分楽しかったですね。また、デザイナーが疑似3Dのキャラクターを2Dで描きあげるとき、パースがずれないようにセガの屋上に設置してある給水ポンプの上からスイングを8方向分カメラで撮影したりと、“力技”の部分が多かったのが印象に残っています。 |
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では、最後に今後のゲーム・エンタテイメント業界についての希望や展望をお聞かせ下さい。 |
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土屋氏:
今までブームにはなっていないのですが、昔から廃れずに続いている遊び場がいくつかあると思います。たとえば、釣り堀、バッティングセンター、スポーツバー、サーキットなどですが、これらを何とかアレンジして、もう少し足を運びたくなるような遊び場にしたいと思っています。「実際遊んでみると楽しいのに、なかなか行く気になれない」そんな印象を持っているユーザーが多いような気がします。でも、それはすごくもったいないですよね。自分自身が楽しみたいと思っているので、何とかしたいと画策しています。
あとは、「ゲームセンター」の存在です。自分にとっては溜まり場であり息抜きできる憩いのスペースですが、今でもきっとそんな場所を必要としている人がいることでしょう。それを想定して、ゲームを作っていきたいです。 |
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| CGに代表されるように、最近のエンタテインメントは何かとデジタル化への道を進んでいます。そんな状況の中、「アナログこそが面白い」との信念を持って独自のタイトルを作り続ける土屋さん。アナログの魅力をもっとお聞きしたいところですが、今回はここまで。それでは次回のお友達をご紹介いただきましょう。 |
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土屋氏:
光遊社の仲村浩さんをご紹介します。仲村さんとは『ラストブロンクス』のころからお付き合いさせていただいています。趣味と仕事の両面でゲームを語り合える飲み友達です。そして、彼は『WCCF』のファンです(笑)。 |
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光遊社さんは家庭用ゲーム機から携帯電話コンテンツ、アーケードのメダルゲームと、多種多様なタイトルを手掛けられていらっしゃるメーカーさんですね。特に『かまいたちの夜2~監獄島のわらべ唄~』のグラフィックにも携わられていらっしゃいます。そして仲村さんは、なんと社長さんです。そこで次回は、社長さんの素顔に迫りたいと思います。土屋さん、今回はありがとうございました。
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