Last Update:2004/02/23
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第133回
フラグシップ
曽田 博久 さん
今回は『バイオハザード コード:ベロニカ』『鬼武者』のシナリオを手がけられたフラグシップの曽田 博久さん。なんと曽田さんはゲーム以外に「秘密戦隊ゴレンジャー」や「科学忍者隊ガッチャマン」のシナリオを担当されていらっしゃいます。それでは、多くの作品に携われた曽田さんに作家としての心構えをお聞きしましょう。
Composed by (C)Mamoru Samurasoch. Character Samanosuke Akechi by (C)Amuse/Fu Long Production  (C)CAPCOM CO., LTD. 2001 ALL RIGHTS RESERVED. Guest Creator.Takeshi Kaneshiro

まず、曽田さんが作家になられたきっかけと、これまでに手がけられた作品についてお聞かせください。

  曽田氏
 シナリオライターになったきっかけは、偶然のようなものです。実は大学4年生のときにいろいろあって「もう退学しよう」と考えていました。退学して宮大工になるか、古美術商を目指すか、それとも陶芸家を目指そうか、と次の進路を迷っていたんです。
 そんなときに立ち寄った本屋でたまたま「シナリオ誌」を手にとり、「これなら書けそう」と“勘違い”したんです。
 シナリオライターになった後は主に東映、東映動画、タツノコプロダクションの作品を執筆しました。戦隊シリーズの元祖「秘密戦隊ゴレンジャー」から始まり、「ジャッカー電撃隊」「バトルフィーバーJ」など馬鹿みたいに10年間も戦隊シリーズのメインライターをやりました。
 アニメでは「科学忍者隊ガッチャマン」から「タイムボカン」シリーズ、「未来警察ウラシマン」などですね。個人的にひそかに気に入っているのが「花の子ルンルン」。振りつきのカラオケは絶品で、その出来栄えには自信あります。特撮モノやアニメ以外では時代劇の「暴れん坊将軍」も書いています。
 長い間テレビ番組に関する仕事をしていたのですが、数年前にひょんなことからフラグシップに参画。『バイオハザード コード:ベロニカ』『鬼武者』などのシナリオを執筆しました。
 現在は某社と某社と某社のゲーム・シナリオを執筆中です。
 


30歳を超えた私にとって懐かしい作品がたくさん挙げられ、感動しています。特撮・アニメ・時代劇・ゲームと幅広い分野の作品をご執筆されていらっしゃいますが、印象に残っている作品やエピソードなどはございますか?


  曽田氏
 自分の執筆活動に影響を与えた映像作品として「泥の河」が挙げられます。「泥の河」は宮本輝氏の小説「蛍川・泥の河」を原作としたもので、小栗康平氏監督のもとに制作されて1981年1月に公開されています。戦後間もない昭和31年の大阪を舞台に、少年少女たちの交流が切々と描かれています。海外でも公開され、高い評価を得ているのでご存知の方も多いことでしょう。
 テレビのプログラムピクチャーのライターに慣れきってしまっていたときに東映の試写室でこの作品を見て、初心に返ろうと心を新たにさせてくれた作品なんです。作家は安定した生活に安住してはいけない。ゼニカネではない。志なくして、どうして作家と言えようか。そんな気持ちを思い出させてくれました。
 自分が携わった中では、まず映像作品の「刑事くん」。本数は書いていないのですが、TBSの局プロ(プロデューサー)が凄い人で、「ドラマとは何か」を叩き込まれましたね。
 ゲームでは『エルドラドゲート』です。このタイトルは当時畑違いのゲームの仕事で、「ゲームとは何か」を学びつつ作ったもの。僕にとっては「ゲームとは何か」を教えてくれた“先生”の作品です。
 


現在はゲームのお仕事が多くなり、ゲーム業界のクリエイターの方々とお会いになられる機会も多いことと思います。その中で前回ご登場いただいた吉田さんに出会ったときの第一印象はどのようなものでしたか?

  曽田氏
 吉田さんは雑誌の編集を経験されていただけに、モノ書きの気持ちや立場を判ってくれています。これは、シナリオライターとして非常にうれしいことです。なので、一緒に仕事をしていてとても安心できますね。ゲーム業界でいろいろな作品に関わって、多くの人々に接してきましたが、こんな人に出会ったのは初めてと言っても過言ではないです。それほど貴重な人材だと思っています。
 また、機関車みたいに(煙草の)煙を吐いていて、禁煙が励行されつつある世間に抵抗しています。これも印象のひとつですね。
 


現在曽田さんが興味を持っていることや、今後お仕事をされていくうえでの展望などをお聞かせください。

  曽田氏
 やはり作家になった以上、最終的には小説(時代小説)を書きたいですね。先ほども申し上げましたが、かつて時代劇の「暴れん坊将軍」を書いたこともありますし。
 ゲームではRPGですね。楽しく遊んでいるときにふと、しみじみと人生を感じさせる、そして深いところで心に響く、そんなRPGを創ってみたいです。
 


最後に、今後ゲーム業界を目指している読者へ向けて、作品作りにおいて一番大切だと思うこと、作品を世に送り出すにあたって心がけていることをお聞かせ下さい。

  曽田氏
 結局、人と人の出会いだと思います。ですが、出会いを良くするのも悪くするのも自分次第です。自分自身が魅力に溢れた人間になれれば、この“出会い”は良いものになるでしょう。そして、人を信じること。これに尽きるのではないでしょうか。
 


ゲームに限らず、幅広い分野でシナリオを執筆されてきた曽田さん。これまで多くの作品でユーザーを感動させ、そして今後も感動させてくれることと思います。そんな曽田さんの作品は、様々な人との“良い出会い”によって生まれてきたのでしょう。そうした出会いを重ねられるよう、自分を磨く方法についてもっとお聞きしたいところですが、残念ながら今回はここまで。それでは、次回のお友達をご紹介していただきましょう。

  曽田氏
 同じフラグシップのメンバーである宮下隼一さんをご紹介します。この人ほど沢山の映画を見て、そして同じ映画を何度も見るシナリオライターを僕は他に知りません。映画と酒と本と拳銃(モデルガンだけど)がよく似合う人です。
 

宮下さんと言えば4月に発売を控えている『探偵 神宮寺三郎 KIND OF BLUE』のシナリオをご担当されていらっしゃる方ですね。また、同作以外にもテレビアニメの「名探偵コナン」や「ルパン三世」なども手がけられたとか。次回もゲームだけでなく、いろいろなお話を聞けそうです。お楽しみに!曽田さん、今回はお忙しいところどうもありがとうございました。