Last Update:2004/02/02
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第131回
エンターブレイン
杉内 賢次  さん
今回は『RPGツクール』などコンストラクション系タイトルの金字塔、『ツクール』シリーズを手がけている、エンターブレインの杉内賢次さん。コンテスト審査員としてクリエイターの卵の作品を数多くご覧になっている杉内さん。将来クリエイターを目指す人は必見ですよ!
(C)2001 ENTERBRAIN,INC./空想科学
(C)2002 ENTERBRAIN INC,.

まず最初に、簡単な自己紹介をお願いします。杉内さんがゲーム業界を志したのは、いつ、どのようなことがきっかけだったのでしょうか?

  杉内氏
 1989年アスキーに入社。以降、関連会社のエンターブレインに転籍してからも、『RPGツクール』をはじめとする「ツクール」シリーズの制作に関わっています。このほか、戦車戦シミュレーション『PANZER FRONT』シリーズを担当しています。4月22日にシリーズ最新作、『PANZER FRONT Ausf.B』(PS2版)をリリース予定です。
 ゲーム業界に入る決心したのは高校生の頃ですね。当時(1986年頃)、MSXというパソコンを使って、雑誌に掲載されているゲームのプログラムリストを打ち込んで遊んだり、友達と一緒に簡単なゲームを作ったりしていました。そうこうしている内に、コンピューターを使ったエンターテイメントの仕事に携わりたいという気持ちが強くなってきたんです。
 そんなときにアスキーで働けるチャンスがあって、ソフト制作のアシスタントの仕事をもらいました。最初の仕事は『バカスカウォーズ』というPC9801用のシューティングゲームコンストラクションツールで、担当は主にデバッグ。少人数でやっていた上に雑誌の仕事と平行してやっていたので、体力的にきつかったですがとても楽しかったです。覚えたてのMMLで書いた曲もサンプルとして入れさせてもらえたし。
 


アスキー入社当初から、コンストラクション系のタイトルに関するお仕事をされていたのですね。では、これまで自分の作品作りに影響を与えた映像、文学、音楽作品などはありますでしょうか。


  杉内氏
 最近だと『ロード・オブ・ザ・リング』でしょうか。あの映像を見て自分だったらこういうゲームを作るのになあ、と思っている人は多いと思うんです。実際に原作が多くのゲームに影響を与えているのは有名な話ですよね。自分はその手伝いを、少しでもできればいいなと思って企画を進めているところです。
 音楽はYMOの『RYDEEN』でしょうか。作品として素晴らしいのはもちろんですが、自分にとってはコンピューターの可能性を見せてくれたことが一番大きいですね。当時小学生だった自分にとって、彼らの作品はどれも刺激的でした。
 


なるほど。では、杉内さんがこれまでに遊んできたゲームタイトルで、一番印象深かった作品を教えていただけますか?

  杉内氏
 『ゼルダの伝説』(FC/任天堂)です。僕が初めて買ったファミコンソフトでした。アクションゲーム全盛だった当時、自分にとってこのソフトは全てが新鮮で、寝る間も惜しんでハイラル中を駆け回ってました。血統を脈々と受け継ぐ続編はすべてプレイしています。
 


『ゼルダ』シリーズは、常に新しい「発見」がある作品ですよね。では次に、ご自身の手がけられたタイトルで特に思い入れが深い作品を1点挙げるとすれば、どの作品でしょうか。

  杉内氏
 『RPGツクール3』(PS)ですね。初めて北米圏で販売した『RPGツクール』だったんです。ゲームデザイン的には一世代前だったので、受け入れられるかどうかとても不安だったのですが、コアゲーマーを中心に予想以上に反響があってうれしかったです。
 


その『ツクール』タイトルを使ってゲームを作り、またクリエイターを目指す人も多いと思います。杉内さんは御社主催の「ソフトウェアコンテスト」審査員として選考会に参加されていますが、選考の際に評価しているポイントはどのような点でしょうか。またコンテストをはじめゲーム業界を目指しているユーザーに、一言メッセージをお願いします。

  杉内氏
 まず、「最後まで完成させているかどうか?」というところです。完全オリジナルから比べればツクールは技術的な力量はさほど要求されません。しかし、どんな短いゲームでも期間内に最後まで作り上げることはすごく大変なことなんです。まずは完成させたことを評価してあげたいですね。
 次に、「ワンポイントでもいいから新しいことにチャレンジしているかどうか?」というところでしょうか。それがゲームシステムでも登場人物のひとりでもいいと思ってます。最後はやっぱりゲームとして楽しいこと。奇抜なだけじゃだめです。この辺はかなり主観が入ったりするんで、何人もの審査員に見ていただいてます。
 コンテストに応募してくれている人以外にも、インターネット上で作品公開されている作者が増えてきて、とてもうれしく思っています。最近だと、海外版のユーザーと国内版のユーザーが交流を持っているケースも見られたりして、そのうち合作ができたりするんじゃないか? とひそかに期待していたりします。

 ゲーム業界は、北米、欧州、日本に加えて中国、台湾、韓国も含めた、世界を相手にしたモノツクリをしないとビジネスが成り立たなくなってきています。世界のクリエイター達と対等に競えるようになるために、様々な分野に目を向けて見聞を広めて欲しいと思います。
 


クリエイターを目指す皆さんにとっては、貴重な一言だったのではないでしょうか?これらのことは、ゲームだけでなく何かを「作る」人は忘れてはならないことですよね。まだまだお話を伺いたいところですが、残念ながらお時間がきてしまいました。それでは、次のお友達をご紹介していただけますでしょうか?

  杉内氏
 サミーの吉田 亨さんをご紹介します。アスキー時代の同僚です。最近すっかりご無沙汰しちゃってますが、花粉の季節が終わったら遊びましょ~。
 

吉田さんは『大戦略1941~逆転の太平洋~』などの作品でプロデューサーをされていらっしゃる方ですね。どのようなお話がお伺いできるでしょうか…?次回もお楽しみに!杉内さん、今回はお忙しいところどうもありがとうございました!