Last Update:2004/01/13
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第130回
フロム・ソフトウェア
開発プロデューサー
谷口 篤士  さん
今回のクリエイターズ・トークは、フロム・ソフトウェア 開発プロデューサー 谷口篤士さん。現在、PS2『九怨-kuon-』開発の真っ最中。というわけで、今回は谷口さんの恐怖体験(!?)もお伺いしてきました!その内容は…。
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前回ご登場いただいた神(直利)社長からは、「フロム・ソフトウェアのプロデューサーとしては最も社歴が長く、回数・量ともに“最も多く”飲んでいるプロデューサーでもあります(笑)。」というご紹介を受けました。とても仲がよろしいのですね。谷口さんが神社長とお会いしたときのエピソードなどを、まず最初にお聞かせいただけますか?

  谷口氏
 第一印象は『飾らない人だなぁ~』ですかね。当時は社員数も少なく、新入社員の最終面談は社長がする場合がありました。私もその一人だったのですが、その面談とは今までに聞かれた事の無いような日常的な話ばかりで、「これは落ちたな…」と思っていました。ところが後日私のもとに届いたのは内定のお知らせ。絶対に間違いだと思って、電話で確認したのを覚えています。
 フロム・ソフトウェアには3Dモデラーとして入社し、数々のタイトルで下働きを経験した後、3年前に初のプロデュース作品『くりクリMIX』(PS2)をリリース。その後、ゲームキューブで『RUNE』『RUNE2』をリリースしました。現在はPS2で怪談アクション『九怨-kuon-』を製作しています。
 ゲーム作りについての考え方や進め方は、社長から教わった物ばかりですね。
 


なるほど。では、谷口さんがこの業界に入ろうと思ったきっかけはどのような事だったのでしょうか? 過去にちょっと変わった経歴をお持ちとお伺いしたのですが…。


  谷口氏
 前職は仮設住宅の製造販売を行う会社でCAD(※コンピュータで自動車や機械、家屋、橋などの設計を行うシステム。コンピュータ支援設計“Computer Aided Design”の略)のオペレーターをしていました。設計図面は二次元で描かれる物だったのですが、営業用資料や企画開発の場に三次元CADの波がやってきました。
 そこで三次元CADを覚える事によって、それまでは別世界の技術だった『バーチャファイター』のモデルを身近に感じ、単なる憧れであったゲーム業界が就職先の1つとして考えられるようになった事が、この業界に入ろうと思ったきっかけでした。
 


確かに、全く違う業種だったのですね。同じ技術であっても、目線を変えると違ったものが見えてくるといういい例かもしれません。それでは次の質問ですが、今までご自身が手がけられたタイトルの中で、一番思い入れが深いのはどのタイトルでしょうか?

  谷口氏
 初プロデュース作品の『くりクリMIX』は、やっぱり思い入れが深いです。今になって思うと、25歳の若造がラインを仕切るなんて危険な状態に社長はヤキモキしていただろうなぁ~と思いますよ。そんな事、本人は全く気にせずに自由にやらさせて貰いましたケド(笑)。
 個人的にも続編を作りたいのですが、国内の販売実績からすると厳しいです…。発売して三年、いまだにファンレターが届くタイトルも珍しいと思うのですが、ファンの方々には大変申し訳ないと思っています。ただ個人的には続編の開発を諦めたわけではないので、是非皆様で口コミの輪を広げてくださいませ!
 


「ユーザーに対して何かを残す」ということを、神社長も仰られました。3年もの間支えていただけるファンがいらっしゃるということは、確実に何か残せたという証拠だと思います。ファンの皆さんの力が、続編を生む力になるかもしれませんね!
話は逸れますが、現在谷口さんが製作されているタイトル『九怨-kuon-』は、日本の怪談をモチーフにしたゲームですよね。谷口さんご自身、何か「恐怖体験」はありますか?

  谷口氏

これは実際に私が体験した話です。

 高校の頃は受験勉強に息詰まると、気分転換にバイクで走っていました。受験勉強をするような時間なので当然深夜で真っ暗。昼間は沢山の車で賑わう国道も、走っている車は殆どいません。そんな中、いつものコーナーをいつものスピードで曲がる為にバイクを倒した瞬間、何故か前方に鈍く光る物体がありました。
 突然出現した発光体にフイを突かれた私は、目を凝らしながらも倒した体を立て直そうとしました。さほど運転も上手くないので体勢を戻すのは結構厳しかったのですが、なんとか体勢を戻し発光体を避けようとしたら…


『ヤカンじゃん!』


 気の抜けた私は体制を戻す気力も無く、そのまま横転。摩擦で火花が出ている自分のバイクが照らす先には、昔ながらの金色ヤカンが綺麗に映っていました。

 皆様、お願いですから道の真中にヤカンは置かないで下さい。

 


それはまた違った意味で怖いですね……高速の真ん中に、ヤカンが置かれているというのは異様な光景だったと思いますが、それに騙された(?)方はたまったものではないですね…。大事に至らず何よりです。皆さんも高速道路のヤカンにはご注意を!
残念ながら、そろそろお時間のようです。では最後に、「クリエイター・谷口篤士」の信念と意気込みをお願いします!

  谷口氏
 普段からどのくらい多くの事を気にしていられるかが必要な事だと思っており、その中で最も気にしている事は『自分の答が最高だと思わない事』ですかね。さらに『正しい事を押し通す事が正解では無い』とも思っているので、慎重に最良の答えを外さないようにしたいと心がけています。

 そういった視点で練りに練っている『九怨-kuon-』。このタイトルで表現したい『恐怖』を、日夜知恵熱を出しつつ努力しております。フロム・ソフトウェアから異色なタイトルばかりをリリースする谷口を、今後とも宜しくお願い致します。
 


ぜひこれからも、ユーザーから末永く愛されるゲームを、ひとつよろしくお願いします!といったところでお時間が来てしまいました。、次回のお友達を紹介していただけますでしょうか?

  谷口氏
 エンタ―ブレインの杉内賢次さんをご紹介させていただきます。イロイロな所でお会いするのですが、一緒に飲んだのは2~3回位ですね。今年こそ一緒に飲みましょう~というメッセージを伝えたくて、この場をお借りしました。
 

杉内さんは『RPGツクール』シリーズの開発に携わっていらっしゃいますね。「ゲーム製作」のツールソフトの製作現場にいらっしゃいますし、また色々面白いお話がお伺いできるのではないでしょうか。
谷口さん、今回はどうもありがとうございました。メッセージ、確かにお伝えします(笑)。