Last Update:2003/02/24
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!

(C)2001 Nintendo / HAL Laboratory. Inc.Characters (C)Nintendo / HAL Laboratory Inc.Creatures Inc. / GAME FREAK inc. / APE inc .
>>第103回
ハル研究所
酒井省吾さん
これまでサウンドを手がけたゲームが50種類以上。最近では『大乱闘スマッシュブラザーズDX』をご担当したハル研究所の酒井省吾さんが今週のゲストです。

酒井さんがゲーム業界に入るきっかけ、またプロフィールをお伺いしてよろしいですか?

  酒井氏
 もともと作編曲家になりたくて音楽の修業をしていたのですが、ゲームというメディアの興隆期と重なり、そちらで力を出せるかもしれないと思い、こちらの世界に入りました。ゲーム業界に関わった最初のきっかけは、16年前にデータイーストに入社させていただいたのが最初です。その後7年前にハル研究所に入社いたしました。
 関わったゲームは、記念すべき最初の1本が『ドナルドランド(FC)』で、2本目が『ビーバップハイスクール』ここまでは覚えていますが、後はもう何が何だか分からないほど作りましたので、やや記憶喪失気味です。データイースト社史みたいな冊子で、自分の作品をチェックしたら40本以上あったことは覚えています。FC、GB、SFC、PCエンジン、メガドライブ、ネオジオ、サターン、PS、アーケード基板、筐体モノ・・・ほんとにいっぱい作りました。とは言え思い出深いゲームは『ヘラクレスの栄光4』これだけは印象に残っています。
 


40本以上...それもほぼ全てのゲーム機を経験されているとは...。おそらく多くの人が酒井さんのサウンドを耳にしたはず。では前回ご登場いただいたあしゅら紅丸さんと知り合ったきっかけをお教えください?

  酒井氏
 もう、、なんと言ったらいいか、、濃すぎる人で表現に詰まります。(笑)まず知りあったきっかけは、僕がハル研究所に入社し、MOTHER3のプロジェクトに配属されて、初めてお目にかかりました。その当時、「あしゅらさん=豹柄」だったわけではないですが、豹柄でなくとも充分にインパクトはありました。その信じられない豊富な知識量と、世界中に散らばる友人の数々に圧倒されました。実を言うとこのコーナーで、あしゅらさんの次に来る人は“ライ・クーダ”だとばかり思っていたんですよ。
 ただ“ライ”に行っちゃうと英語でしょ?だからやっぱりそれは止めて宮本茂さんだと思ってました。そしたら岩井さんで。・・・と思ったらそれが何で自分に廻ってきたのか?さっぱり分かりません。岩井さんを楽しみに期待していた皆さんごめんなさい。
 


そんなことありませんよ! それではテーマを変えましょう。これまでに人生の転機となった出来事や作品などについてお聞きできればと?

  酒井氏
 作品は何と言っても『大乱闘スマッシュブラザーズDX』です。開発している自分でさえ、しゃぶりつくせない奥深さをこのソフトは持っていますよね。音の方もオーケストラ録音に挑戦したり、発売後も新日本フィルハーモニーとコンサートを開催できたり、そのライブCDが日本、北米でもリリースされ、、、と、夢のような1本になりました。
 また桜井政博との出会いも大きな出来事のひとつです。同僚なので呼び付けです(笑)。自社の人間なのでこういうのはちょっと?なんですが、『ユーザーの視点へスライドして自分のアウトプットをチェックする』ことを教えてくれた、ということです。作り手はともするとひとりよがりになりやすいから気を付けなさいよ、と。言葉にするととても簡単なことですし、さも自分は既に身に付けたかのように言ってますが、それでもすぐにこのことを忘れている自分に気付かされます。はい、今も仕事でよく注意を受けます(笑)
 


では、これまでに感銘を受けたエンタテイメント作品、また棺桶まで持って行きたいと思うほどの大切な作品を教えていただけますか?

  酒井氏
 ゲームならば、『大乱闘スマッシュブラザーズDX』。全てにおいてゴージャス!もちろん音の面でも「これでもかっ!」っていうぐらい豪華絢爛!ちと宣伝に傾きすぎですが・・・・
 映画では「アマデウス」。モーツァルトに対する心からの愛、畏敬が監督にあるから。素晴らしい作品。オペラ「トスカ」少々マニアックでごめんなさい。プッチーニという人のオペラです。すごく好きなんです。ウィーンまでこのオペラを何度も観に行くぐらい好きです。
 


最後に、作品を制作される際に一番大事にしていること、心がけていることを教えてください。もし公表が可能でしたら、現在製作中の作品や新作に対する意気込みなども一言お願いします。

  酒井氏
 音楽って人の心の奥の方に作用するものだと思うので、手が抜けないんです。『感動』って人には強制できないし、作為的なものには、ユーザーは偽善をすぐさま嗅ぎ取ると思うし。だから結局自分が素直になって、作品を作るしかないと思っています。現在は『カービィエアライド(GC)』のBGMを作曲中です。自分と同世代の人が聞いても『いいね!』と言ってもらえる曲が作れた、と自負しております。
 


今から『カービィのエアライド』が非常に楽しみです。まだまだお話を伺いたいのですが、残念ながらお時間になってしまいました。それでは次のお友達をご紹介していただけますでしょうか。

  酒井氏
 もはや何の説明もいらないニンテンドーゲーム音楽の祖、『マリオ』『ゼルダ』の作曲者として有名な近藤浩治さんです。去年開催したスマブラのオーケストラコンサートの昼の部にゲストとしてお越し下さいました。僕は『スマブラ』の“マリオ”ステージ(地上面と地下面の混合曲)の編曲を担当したのですが、その監修を近藤さんにお願いしました。そうしたら、近藤さんから「凝ってますね」とおホメの言葉を頂けて、ポワァ~ンと天にも昇らん気持ちになりました。
 

あのお馴染みのサウンドはどのように生まれたのかとても気になりますね。今回はサウンドラブなお話をありがとうございました。次回もお楽しみに!