Last Update:2002/09/13
週に1回ゲームクリエイターにお話を聞いて、お友達まで紹介してもらっちゃうスペシャル企画だ!
>>第86回
松野泰己さん
『伝説のオウガバトル』、『タクティクスオウガ』、『ベイグランドストーリー』など、数多くの名作を世に出し、ファンも多いスクウェアの松野泰己さんが登場です!

前回登場の細江さんとはどういう関係なのですか?


 

松野氏:
 知り合ってからすでに7~8年だと思いますが、実は仕事を組んだことがまったくなく(笑)、ひたすら朝まで呑み続けるという酒呑み仲間です(爆笑)。社内では私もかなりの酒豪と呼ばれているのですが、細江氏はその上をいく人物でして、ウォッカやジン、テキーラなど、とにかくアルコール度の高い酒を好む大酒呑みです。呑む時は、バカ話や、時には重い仕事の話を酒の肴に朝まで呑み続ける(つぶし合うともいう)のですが、たいていの場合、周囲の連れたちがどんどん倒れていくという・・・ 例えば、「スピリタス」という90度程度のスピリッツがあるんですが、このお酒をふたりでひたすら一気呑みをしまして翌日、足腰たたなくなるというのがしょっちゅうでした。いやぁ、あのときは若かったですね、お互いに(笑)。・・・と冗談はさておき、さきほども述べたように細江氏とは仕事で組んだことがないんですよね、残念なことに。しかし私は彼の手がけた作品群は大好きでして、いつか一緒に組んでみたいと思っている作曲家さんの一人です。早くそうなるといいなぁ。

 


やはり、「お酒」つながりでしたか・・・(笑)。さて、気になる現在のお仕事を教えてください。


 

松野氏
 いくつかのラインをプロデュースしています。1つは、この冬に発売予定のGBA対応ソフト『ファイナルファンタジータクティクス アドバンス(以下、FFT-A)』のプロデュースですね。ほかは、来年発売予定の・・・今は言えないんですが、あるビッグタイトルのプロデュースとディレクションをしています。まあ、今は『FFT-A』の開発の大詰めで大忙しです(泣)。 『FFT-A』は、もう5年も前になりますが、PSで発売し全世界で約180万本を記録したシミュレーションRPGの『ファイナルファンタジータクティクス』の続編です。続編といっても前作の続きというわけではなく、新たなキャラクタ、新たな物語、新たなゲームシステムを詰め込んだ完全新作です。前作を遊んだことのない方でも、楽しく遊べるようになっていますので、ご期待くださいませ!

 


期待してますとも!今は公表できない・・・というソフトも楽しみですね。さて、松野さんが個人的に好きなゲームを教えてください。


  松野氏
 好きなゲームってたくさんあるんですが、その中で挙げるとしたら、まずは『ゼルダの伝説』。FC版、SFC版ともに非常に素晴らしいゲームだと思います。その完成度もさることながら、プレイヤーに少しずつヒントを出して導いていくという手法、そして物語と共にキャラクタが成長していくという手法、これらを一つの完成された答えとして提示された記念すべきゲームソフトだと思います。 ゼルダ以外では『ジ・アトラス』ですね。とにかく雇った船団の報告を信じるか信じないかという判断が世界地図を変えていくというシステムが素晴らしい。自分の判断が歴史を作るとでもいうのでしょうか、モンスターとの戦闘があるわけでもないし、美麗なCGムービーがあるわけでもない。にもかかわらず、エキサイティングな冒険を味わえるゲームだと思います。 あとは『ウルティマオンライン』。プレイを始めてすでに5年ですが、未だにアカウントを持っていて、ヒマがあると仮想世界のブリタニアへ入って遊んでいます。制作者の意図に従って物語を追うのももちろんアリなのですが、その世界で生活する、他のプレイヤーと共に自らが物語を作っていく、というオンラインゲームならでは自由度とそれ支えるゲームデザインが融合した見事な作品だと思っています。
 


今後はどんなゲームが流行ると思いますか?


  松野氏
 まったく想像がつかないですね。ただ、安直かもしれませんが、いずれすべてのゲームはオンラインになると思います。いやすべてが『ウルティマオンライン』や『ファイナルファンタジーXI』のようなMMORPGになると言っているわけではありません。インターネットも含めて、なんらかの形で世界中のプレイヤーと同じ情報を共有していく時代になると思うわけです。そんなとき、人種や言語、価値観などを超えて皆が共同で遊べるようなゲームがヒットする・・・いや、ヒットして欲しいなーって思います。
 

ゲームで世界がつながれば、ゲーム業界も変わってくるかもしれませんね!ぜひそのようなゲームが出てきて欲しいものです。さて、最後の質問になってしまいました。松野さんがゲームを作るとき、一番大事にしていることを教えてください。


  松野氏
 三つありますね。第一に「ユーザーが望むものを作ること」。自分が望むものではなく、ユーザーさんたちが望むものをできるだけ実現するよう努力するようにしています。もちろん、すべてのユーザーの意見をくみ入れることは不可能なんですが、できるだけ制作者側の視点ではなくユーザーの視点でモノを考えるようにしています。 第二に「新しいこと」。ゲームすべてが新しくなくてもいいんです。しかし、そこには必ず新しさがないとダメ。ユーザーにも飽きられてしまうし、制作する意味がない。制作したゲームが他の制作者にパクられるぐらいの作品作りが理想ですね。 そして第三に「満足な商品として認められること」。私は企業に所属するサラリーマンであると同時にプロジェクトを動かすリーダーでもあります。リーダーは3つのパートナーに対して「満足」させるという責任を持ちます。3つのパートナーとは「株主」「従業員」「顧客」です。「満足な商品として認められること」とは、株主に対して利益として還元できます。従業員に対してその職を保証し未来を作れます。顧客、すなわちユーザーに対して支払った金額に対してペイするだけの満足感を味わっていただくということです。 どれも当たり前のことなんですけどね。でも、なかなかこれができない。この当たり前が一番難しい。死ぬまでに実現できないんじゃないかって思います(笑)。
 

なるほど。お話ありがとうございました。さて、お友達を紹介していただけますか。


 

松野氏:
 弊社のゲームデザイナー、北瀬佳範をご紹介したいと思います。北瀬は、現在、私と同じ執行役員で、また第一開発事業部の事業部長を担当しております。これまで『ファイナルファンタジー』シリーズの『VII』、『VIII』、『X』などを手がけてまいりました。

 


これはまたまた楽しいお話が伺えそうですね!本日はどうもありがとうございました。みなさん、来週もお楽しみに!