新作紹介  
新作RPG『ワールド・デストラクション』開発版を試遊レポート
2008.06.02
関連URL:「ワールド・デストラクション」公式サイト
 
 2008年5月30日(金)に開催された報道陣向けプレゼンテーションにおいて、クロスメディア展開も含め、いよいよその全貌が明らかになりつつあるセガの「ワールド・デストラクション」。 
 中でも注目なのが、プロジェクトの根幹を成すニンテンドーDS向け新作RPG『ワールド・デストラクション ~導かれし意思~』(以下『ワールド・デストラクション』)。
 プレゼンテーションが行われた会場には、本作の試遊台も設置されており、開発途中のものながら本編をプレイすることができた。ここではそのレポートをお伝えしていこう。

※画面写真をクリックすると、拡大した画像を見ることができます。


撲滅か、救済か―― 「世界撲滅委員会」VS.「世界救済委員会」
 ゲーム内容に触れていく前に、『ワールド・デストラクション』の世界観とストーリーをかいつまんで説明しよう。 

 ゲームの舞台となるのは、一定の周期で破壊と再生を繰り返す、閉じられた世界。この世界は砂の海で覆われており、水や火というものが存在せず、特殊な砂がその役割を果たしている。また、人間が獣人に支配されている世界でもあり、歪んだ世界を撲滅したい人間側の「世界撲滅委員会」と、今の秩序を守りたい獣人側の「世界救済委員会」が対立し、争いを繰り返している。
 ある日、主人公・キリエのもとに、空から一枚のビラが舞い降りてくる。そこにはなぜか「バルニのキリエ、世界撲滅委員会入り!」と記してあった。訳も分からず撲滅委員会の一員となるキリエ。自分が世界撲滅のキーパーソンであると告げられ、撲滅委員会の仲間と共に、世界を撲滅するための旅に出ることになる。


 以上のように、『ワールド・デストラクション』の世界では、人間VS.獣人、「世界撲滅委員会」VS.「世界救済委員会」という対立構造があり、撲滅か救済かをめぐって、種族間での争いが繰り返されている。そんな中、主人公・キリエは現状の世界を撲滅する「世界撲滅委員会」側に参戦することになり、プレイヤーは「世界を撲滅すべく旅をする」という、本作独特の切り口を体験することになるのだ。

イベント、戦闘、ダンジョン探索までを一通りプレイ
 今回遊ぶことができたのは、ゲーム中で語られるイベント2つ。 
 まず、「世界救済委員会」の元に、本作のヒロインである「世界撲滅委員会」所属のモルテ・アーシェラが出現。救済委員会のメンバーであり、メインキャラクタのひとりナジャ・グレフ一向と対決するというもの。 
 もうひとつは、主人公であるキリエを操作して、村の近くにある洞窟の探索へ向かうという内容だ。


その1 「モルテVS.ナジャ・グレフ一向」
 ここでプレイヤーが操作することになるのは「世界救済委員会」側のナジャ。モルテとの対決前には、ナジャがオオカミ族と人間のハーフであることから、上司であるオオカミ長のラジフに侮辱されるシーンがある。2つの対立する種族の間に立つという、ナジャの複雑な立場を印象づける場面だ。

ナジャ・グレフ(CV:水嶋ヒロ)
獣人。世界撲滅を防ぐことを目的とする世界救済委員会の隊長格。オオカミ族(父)と人間(母)のハーフ。性格は外見どおり理知的。そして、世界を守るという理想のために努力する。しかし、融通の利かないところがあり、自分の考えを常に正しいと信じてしまうところがある。キリエを、世界を滅ぼす倒すべき敵としてみなし、キリエたちの前に立ちはだかることになる

モルテ・アーシェラ(CV:坂本真綾)
世界撲滅委員会に所属する、この物語のヒロイン。キリエを世界撲滅の旅に導くことになる。性格は、大胆で過激で明るくおおらか、なにより楽しんだもの勝ちという考え方だが、世界を撲滅しなければならない、という強い使命感も持っている。色恋沙汰については不得手で、そういう話をされると変な行動を取る。しかし、一度自分の気持ちに気づくと、あとは突っ走る


 ナジャとラジフのやりとり、及びモルテの台詞は、フルボイスで展開されるイベントとなっており、途中に登場する脇役の兵士にまで音声がアテられていることには非常に驚かされた。このイベントに限っていえば、据え置き機のタイトルに収録されるイベントシーンと比べても、音声の量という点では全く引けをとっていない。
 もちろん、ゲーム中の全イベントがフルボイスというわけではなく、その割合は現段階では全体の4割程度になっているという話だ。この4割という数字が多いかどうかはユーザーによるところだが、物語の重要な局面はほとんどがフルボイス演出で楽しめるということなので、インタラクティブ性にこだわる人でもある程度の満足感は得られるだろう。

 いよいよモルテがナジャたちの前に降り立ち戦闘へ。戦闘は完全なターン制となっており、左下に表示されるキャラクタのアイコンの順番に従って行動していく。順番は「すばやさ」によって決定される。今回は用意されていなかったが、仲間キャラクタのアイコンが並んだ時には連携技を使えるようになるらしい。補助効果のあるアイテムやスキルなどを使って「すばやさ」を調整し、連携技の発動を狙っていくような戦法もあり得るだろう 。


 攻撃(および行動)に関しては、自分のターンが回ってきた時に、画面上方のウィンドウにHPやSPと共に表示されている◆のマークを消費して行う。基本的にはどのキャラクタもXボタンには強攻撃、Yボタンには弱攻撃といった振り分けがされている。強攻撃は威力は大きいが隙も多く、相手に避けられる可能性が高い。また、◆の消費も多い。一方、弱攻撃は威力は低いが相手に複数回ヒットさせることが可能で、避けられることはあまりなく、◆の消費も少ない。


 今回のモルテ戦はある程度攻撃を加えると自動的に終了となった。戦闘パートの印象としては、じっくり戦略を練って戦う長考タイプのバトルになるほど面白いだろうということ。ターン制なので毎回じっくり考えて連携を狙うことができるだろう。


その2 「キリエで洞窟を探索」
 モルテと対決したイベントから一転、片田舎の村で日常生活を営むキリエが操作キャラクタに。依頼を受けて村の近くにある洞窟を探索することになる。
 

キリエ・イルニス(CV:宮野真守)
この物語の主人公で、世界撲滅のキーパーソンとなる存在。性格は温和。自己主張はあまりしないが、思ったことは素直に口に出す。一度交わした約束は、何があろうともやり遂げようとする。世界の情勢にまったく無関心だったキリエだが、モルテたちと行動するうちに世界のゆがみと美しさを同時に知っていく。そして、やがて自分の存在意義を知ることになる。


 キリエが依頼を受ける際のイベントシーンは音声が収録されておらず、なんとなくイベントのフルボイスか否かの基準は見えた。やはり、ここぞという盛り上がる場面にこそ音声収録を使用しているのだろう。ちなみに、今回の試遊ソフトでは、音声なしのイベントはスキップすることができたが、フルボイスのイベントは一切スキップすることができなかった。フルボイスの場面は重要なものが多いので、スキップするべきではないのはわかるが、何らかの形でスキップ機能は取り入れるべきだとは思う。製品版に期待。


 村の中に配置されているタルなどに近づくとキリエの頭に「!」が表示される。調べてみるとアイテムを発見。このように何かある場所は「!」で教えてくれるので、隠されたアイテムや仕掛けを見逃すこともないだろう。

 洞窟の中に入ると上画面にマップが表示され、自分の現在位置、通路、宝箱の位置まで最初からすべて明示される。極端な話、下画面の操作キャラクタを見ないでも、上画面に表示されるアイコンを移動させていけば洞窟内の探索はできてしまうほど精度は高い。
 上画面のマップに関しては、個人的にはちょっと便利すぎるかと思った。マップのナビゲージョンに従えば、ダンジョンの探索が割りとあっさり終わってしまい、冒険しているという感触が薄れるような気がするからだ。とはいえ、ライトユーザーには嬉しい機能だろうし、ここは設定でマップの精度を下げられるようにしてもらえるとベストではないだろうか。

 洞窟内をある程度進むとイベントで敵が出現し、戦闘へ。先ほどのナジャたちに比べると、キリエのステータスは低く、また行動する際に要する◆型のマークも1個しかない。どうやら、キャラクタが成長するに従って◆型のマークも増え、行動可能な回数も増えていくようだ。
 イベントで出現した敵を倒した後は、洞窟内を歩いていると敵と遭遇するようになる。敵との通常戦闘はエンカウント方式で始まるらしい。

 洞窟探索は途中だが、ここで今回の試遊は終了となった。

「RPGを遊んでおもしろい」 と思う要素への真剣な取り組み
 今回のテストプレイでは、とにかく作品に引き込まれた。フルボイスでのイベントシーンから戦闘、しかも相手は物語のヒロイン(その上、世界を“撲滅”する側)という、物語の始まりとしてはこれ以上ないくらいのインパクトである。製品版でもこれがプロローグにあたるのかは不明だが、開始早々のプレイヤーに衝撃を与えてくれる展開を期待したい。

 また、RPGといえば、「戦闘が楽しいか否か」が作品の評価を大きく左右する要素であることはもちろんである。上記では、「長考タイプほど面白い」としたが、これは本作の戦闘が遅いというわけではない。矢継ぎ早にコマンドを入力すればスピーディーな戦いとなり、細部まで作りこまれたドット画キャラクタの小気味いい動きと相まって、爽快感を得られる。

 この『ワールド・デストラクション』は、「RPGを遊んでおもしろい」と思う要素に真剣に取り組み、さらに進化させようとする製作側の熱意が感じられ、とても期待感が持てた。フルボイスイベントにスキップ機能がないことや、便利すぎるマップなど、システム的に多少気になる点を任意に設定できるようにすれば、より間口が広がるのではないだろうか。
 

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『ワールド・デストラクション ~導かれし意思~』
ハード: ニンテンドーDS
メーカー: セガ
ジャンル: RPG
発売日: 2008年9月18日(木)予定
価格: 5,980円(税込)
(C)SEGA