プレイレポート  
これがWiiの新ガンダムか!『機動戦士ガンダム MS戦線0079』レビュー
2007.08.08
関連URL:『機動戦士ガンダム MS戦線0079』公式サイト
   
 
 日本でFPSが流行らないのは「ガンダム」がまだFPS化されていないからだ! というのが僕の前々からの持論であって、個人的にはXbox 360で開発中という、通称「FPSガンダム」に大きな期待を寄せていた。……のだが、それより先に意外なところから別の「FPSガンダム」が姿を現した。バンダイナムコゲームスから2007年7月26日(木)に発売された、Wii専用ソフト『機動戦士ガンダム MS戦線0079』である。

  本作はWiiリモコンとヌンチャクを使い、ガンダムやザクなどお馴染みのモビルスーツ(MS)を操り「一年戦争」の裏側を体験していくFPS。WiiリモコンをFPSコントローラに――という狙いは、思えばWii発表時から提示されていたものだったが、それが見事に活かされ、これまでの「ガンダム」ゲームとは一線を画する爽快感を実現したタイトルとなっている。
■見える! 見えるぞ! Wiiリモコンで「狙う」楽しさ!

 最大の特徴はやはりその操作方法だろう。MSの移動はヌンチャク、照準および視点の移動はリモコンを使って行う。FPSをコントローラでプレイする場合の、左スティックがヌンチャク、右スティックがリモコンに置き換わったと考えればイメージしやすいだろう。

 この「リモコンで撃つ」という感覚がなかなか新鮮で気持ちいい。マウスやコントローラでFPSをプレイする場合、画面(視点)ごと照準を動かして撃つ必要があるが、Wiiリモコンなら画面内のどこでも、リモコンを向けた場所をそのまま撃つことが可能。また足を狙って機動力を低下させたり、右腕を破壊して武器を使えなくしたりといった部位破壊要素もあるため、ガンシューティングのような「狙いを定める」楽しさも一緒に楽しめる。特にスコープモードからヘッドショットを決めた瞬間の爽快感は格別で、気持ちを一層盛り上げるためにビームライフル型のアタッチメントがほしくなるくらいだ。

  またもうひとつWiiならではの要素として、ビームサーベルやヒートホークなどの近接兵器は、Wiiリモコンを「振る」ことで使用する――というのがある。別にMSが腕を振っているからといって、中のパイロットも一緒に腕を振ってるわけじゃないだろ! と思わず突っ込みたくなるのだが、これはこれで面白いのでOK。射撃武器に比べて、近接兵器の威力は絶大なので、ぜひ積極的に狙っていきたいところだ。

■連邦でもジオンでも! ボリューム感たっぷりのゲーム内容

 ストーリーモードは連邦側、ジオン側の2ルートが用意されている。いずれも本作オリジナルのキャラクタとなり、1年戦争の「裏側」を体験していくことができる。
 ストーリーはオリジナルとなっているが、どちらの軍を選んでも、独立小隊という立場上あまり最前線には立たせてもらえず、やや「裏方」的なミッションが多め。一応、アムロや黒い三連星など、原作の有名キャラクタとの絡みもスパイス程度には用意されているものの、ストーリー的にはまあ、可もなく不可もなくといったところだろう。ただしミッションクリア時の評価によってルートが分岐したり、MSや武器の収集要素があったりと、収集癖のある人にはかなり遊びごたえのある内容となっている。特にヘッドショットで敵を倒すことで、敵機体を鹵獲し、使えるようにするシステムは面白かった。

 なお「もっと原作キャラクタとの絡みを!」とお嘆きの人には、両軍のエースパイロットとなって原作のストーリーを追体験できる「エースパイロット」モードがおすすめ。最初はアムロとシャアしか使用できないが、ゲームを進めていくうちに「機動戦士ガンダム0080」のクリスやバーニィ、「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」のシロー・アマダ、「機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY」のユウ・カジマなど、他作品のキャラクタも次々追加されていく。どうでもいいけど、アカハナのストーリーまで用意されているところにスタッフのこだわりを感じた(笑)。

  そのほかのモードも、「チュートリアル」「バーサス」「サバイバル」「コンビネーション(2人協力プレイ)」「エクストラ(資料閲覧)」と豊富に用意されており、ボリューム感はかなりのもの。残念ながら対戦・協力プレイはまだ試していないが、気の合う友達同士で遊べばかなり盛り上がりそうだ。

■宇宙(そら)のないガンダム……それってアリ?

 登場MSは、ザクIからケンプファーまで、一年戦争期のものを中心に40種類以上を網羅。ブルーディスティニーやドワッジといったややマニアックなMSも収録されており、ファンも納得のラインナップ……と言いたいところだったのだが、ちょっと待て。ジオングは? ビグロは? ビグ・ザムは?

  実は本作、MSに限らず「宇宙」関係の要素は一切登場しない。そういえばストーリーモードも、エースパイロットモードも、ミッションはすべて地上戦だった(ジャブロー以降は、「地球居残り組」としてのオリジナルストーリーが展開される)。FPSというゲームシステムの関係上やむを得ない割り切りだったのだとは思うが、やはりソロモンもア・バオア・クーもない「ガンダム」ゲームというのはちょっと寂しい。存分に地上戦が楽しめればいいんだ! という人はさておき(筆者もどちらかと言えばこっち寄りの人間ですが)、納得いかねぇ! という人は注意してほしい。

■Wiiならではの「ガンダム」を示した一本!

 全体で見ると、射撃部分が面白いのに近接兵器の威力が高く、ヘッドショット以外での効果が低かったり、Wiiリモコンを振った後、油断しているとポインタを見失うことがあったりと、ちょっとした詰めの甘さも目につくのだが、テクニック次第でカッコよく遊べる自由度の高さと、「Wiiリモコンを使ったガンダムFPS」という方向性を示した点は多いに評価すべきだと思う。特にWiiリモコンで「照準を合わせる」楽しさは、いままでのFPSにも、ガンダムゲームにもなかったもの。とりあえずロックオンさえしてしまえば、あとはトリガーを引くだけ――という単調作業に飽きた人には、ぜひ一度遊んでみてほしいと思う。

 あとは願わくば、「宇宙編」も完全網羅して、さらにWi-Fiによる多人数対戦まで追加した続編を是非とも出して欲しいところですが、どうですか? バンダイナムコゲームスさん。

■『機動戦士ガンダム MS戦線0079』関連記事

【新作紹介】

● 2007.05.01  Wii『ガンダムMS戦線0079』は「一年戦争」を舞台にしたFPS!
● 2007.05.30  「一年戦争」を中心に名シーン再現!Wii『ガンダム MS戦線0079』
 
【スペック】
タイトル:機動戦士ガンダム MS戦線0079
ジャンル:3Dシューティングアクション
プラットフォーム:Wii
発売日:2007年7月26日(木)
価格:7,140円(税込)
メーカー:バンダイナムコゲームス
(C)創通・サンライズ