よう、兄弟! よろしくやっているか? ジーパラ編集部の【ピロタ】だ。今回は、みんなにゴキゲンなゲームを紹介したい。PS3『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』という作品だ。
コイツはまあ、簡単に言えば「お宝求めて大冒険!」ってな内容だな。主人公の財宝ハンター・ネイトが、ジャングルを舞台に伝説の黄金郷「エル・ドラド」を求めて奔走する。やがて、悪の犯罪組織や海賊一味まで巻き込んで、ドえらい騒ぎになっていく。
テレビCMで見たかもしれないが、「PLAYする映画」という売り文句に偽りのない、ハデな銃撃戦・ガチな格闘・命知らずなカーアクション等をふんだんに盛り込んだ、いかにも“B級映画”という雰囲気に仕上がっている。ああ、もちろん良い意味での“B級”だからなっ!
…うん? オーケー、オーケー。分かっているさ。「良い意味で“B級”」とか言われても、このゲームが本当に面白いのか信じられないっていうんだろう。ああ、そりゃ当然だ! ただし、オレとしてもこのまま引き下がるわけにはいかない。そこで、『アンチャーテッド』の面白さを、3つのポイントに絞って紹介していこう。しばらく付き合ってくれよな…。
※画面写真をクリックすると、拡大したものを見ることができます。
| ■「マ○オ」的な“命の軽さ”が、プレイヤーに火をつけるぜ! |
本作『アンチャーテッド』には、基本的に「ゲームオーバー」というものはない。「GAME OVER」という決まり文句の浮かび上がる画面が存在しないだけでなく、そもそもそういった概念がない。敵キャラクタに撃たれて死んでも、転がってくる大岩に潰されても、画面がフェードアウトした後、すぐに死ぬ直前から再開される。
主人公・ネイトは死にまくる。敵の砦で包囲されて集中砲火を受けることはザラだし、新たなアクションが要求される場面では慣れるまで何回も命を落とす。大ジャンプが届かないと滝つぼへ落下!ジェットスキーの運転をミスれば、川を流れるタル爆弾に吹き飛ばされる…。
そうやって何回も失敗して、死の直前から再スタートさせられている内に、「チクショウ…なんでだよ!?」という怒りが芽生える。失敗が重なるほどその怒りは増していき、やがて「次は絶対に、ここをクリアしてやるからな!」と意気込む熱血プレイヤーと化した自分に気付かされるわけだ。
「新たな操作方法やアクションは、死ぬことを前提に覚える」。
そんな、何回も挑戦して突破口を見出すというスタイルは、往年のアクションゲームが築いたものだ。
あの世界一有名な“ヒゲの配管工”を思い出して欲しい。彼は姫を救い出す道中で、何回くらい命を落としているだろう? プレイヤーは、彼が命を落とす度に少しずつ上達していく。「ココはBダッシュをすれば飛び越えられるぞ」「アレはしゃがんでかわすのか」と、いった具合に。
“ヒゲの配管工”も、本作の主人公・ネイトも、死んでは直前に復活し、再び命がけの難関に立ち向かう。プレイヤーが、コントローラを手放さない限りは何度でも。なんという“命の軽さ”だろうか! しかし、それこそが名作アクションの条件。知らず、プレイヤーはそのゲームにのめり込んでしまうのだ。
| ■“操作性が良い”からこそ、物語に没頭できるってもんだ! |
ゲームにおいて最も大事なものは、「操作性」だ。ゲームの中で、第2の肉体となるキャラクタが自在に動かせなければ、いかに素晴らしいグラフィックであろうと、感動を呼ぶストーリーだろうと、心底楽しむことはできないからだ。
自身で脚本を書き、映画的な手法を取り入れた“戦術潜入アクション”シリーズを手がける有名クリエイターが、「ゲームにおいて最も大事なものは?」とインタビューで尋ねられ、「操作性です」と答えたことがある。それは、全く意外な回答だった。映画並みのストーリーや演出を生み出すそのクリエイターならば、最も大事なものは「脚本」か「演出」と答えるだろうと、誰もが予想したから。
しかし、全ての基本である操作性が悪ければ、他の部分を楽しむことなんて不可能。「なかなか気付いてもらえないけど、一番“操作性”には気をつかっています」と、そのクリエイターは苦笑まじりに語った。
冒頭でも触れたが、本作『アンチャーテッド』は「お宝求めて大冒険!」というのが大筋。ゲーム中には、数々の銃撃戦や決死のアクションを要求される場面が多数盛り込まれている。いずれの場面でも感じるのは、「ヒーロー気分」と「適度なフォロー」だ。
「ヒーロー気分」とは読んで字のごとく。銃撃戦では、FPS風に銃を構えて敵を狙い撃つわけだが、リアルさをギリギリ残しながら、アクション映画のヒーローを演じる気分が味わえる。「ダイ・ハード」ばりにAKライフルを派手にブッ放すのも爽快だし、「ダーティ・ハリー」のようにマグナム銃で敵を葬るのも快感だ。
いっぽう「適度なフォロー」は、特に、ツタや壁のくぼみに手をかけて、壁面を昇っていく場面でこそ発揮される。一見、飛び移るのが無理そうな場所でも、方向とタイミングさえ合わせれば、ネイトは自動的にジャンプし、どんどんよじ登る。まさに「フリークライミング」のような感覚で、断崖絶壁を征服していくのだ。
以上のような場面を楽しめるのも、“全ての基本である”操作性が良いからこそ可能なこと。そして、そのストレスフリーな操作性は、“B級映画”風な物語の展開にプレイヤーを没頭させてくれる。
| ■おいおい、日本人なら当然そこは“吹き替え”だろうがっ!? |
みなさんは劇場やDVDなどで洋画を観る時に、字幕版と吹き替え版どちらを選ぶだろうか? 出演俳優の声を聞きたいなら前者、分かりやすさで選ぶならば後者といったところだろう。筆者は、時間が許せば両方観ることにしている。何故そんな真似をするのかといえば、解釈の違いを楽しみたいからだ。特に、吹き替え版での声優による独自の“アドリブ”は見逃せない。
本作『アンチャーテッド』にも、映画よろしく字幕版と吹き替え版が用意されているが、ぜひ吹き替え版でプレイすることをお勧めする。主人公「ネイト・ドレイク」役には、「プリズン・ブレイク」のスコフィールド役や、俳優ウィル・スミスの吹き替えで知られる東地 宏樹さん。相棒のヴィクター・サリバン役は、「北斗の拳」のナレーションや、「うる星やつら」のメガネ役が有名な千葉 繁さんが担当している。どちらも実力派のベテラン声優である。
メインキャラクタを担当する、東地さんと千葉さんの絡みは当然多い。そしてこのコンビは、多くの場面で“アドリブ”を織り交ぜながら、原語である英語や、字幕スーパーでは表現できないトンデモナイ面白さを生み出している。
●「ステージ3 ジャングルでの発見」より
ネイト「ジャングルの真ん中にドイツのUボートはつきものだろ?」
ヴィクター「いやあ真面目に言ってる」
……正直、意味が分からない。だが、このシーンに漂う「木曜洋画劇場」的な「アタマの悪さ」は、本作の世界観に実にマッチしているのだ。ほかにも、プレイヤーが操る「ネイト」は、決死のアクション場面で数々のバタ臭い名言(迷言)を披露してくれる。
●敵から銃撃されている真っ最中に
ネイト「チクショウ!」「やめろ!」「痛ぇ!」
●崩れ落ちる吊り橋から間一髪生還した後に
ネイト「ウオオオオ! サンキュウウウウ!! 神様あ!」
もちろん、敵キャラクタたちの「見つけたぞ! 八つ裂きにしてやる!」「グヘヘヘ! 地獄に墜ちろ!」といった、ベタな台詞も見逃せない。本当に、一瞬しか出てこない敵キャラクタの台詞にまで徹底して行われているローカライズ。「木曜洋画劇場」の予告ナレーションでニヤニヤしてしまう諸兄には、堪えられない仕様だろう。
| ■「アタマの悪さ」を受け入れろ! 骨の髄まで冒険野郎になれ! |
どうだい、兄弟! 少しはこのゲームの面白さを理解してもらえたかな? まあ、この『アンチャーテッド』をプレイしても、脳が鍛えられたりすることは万に一つもないだろうし、むしろ頭が悪くなるような気がする。だが、その「アタマの悪さ」こそが大事なんだ。ジャングルの中で雄たけびをあげながら、悪の一味と撃ち合い、断崖絶壁からバンジーして、お宝をGETする。そんな冒険野郎・ネイトと一体化することで、オレたちは退屈な日常から解放され、まるで映画の中で生きる気分を味わえるのさ。もちろん、映画と言ってもB級だけどな!

| 『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』 |
| ハード: |
プレイステーション3 |
| メーカー: |
ソニー・コンピュータエンタテインメント |
| ジャンル: |
アクションアドベンチャー |
| 発売日: |
2007年12月6日(水) |
| 価格: |
5,980円(税込) |