月9に見られるラブストーリーもゲーム的には斬新『TOL』
2005/08/23

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 ナムコが贈るRPG『テイルズ オブ レジェンディア』。8月25日(木)に発売を控えた本作を、一足お先にプレイ。その見所をレビュー形式でお送りする。
 『テイルズ オブ レジェンディア』のストーリーは、主人公・セネルとその妹・シャーリィが「遺跡船」に漂着するところから始まる。存在理由や製造者もわからず、数千年という時を漂流し続ける「遺跡船」。謎多きこの“船”を舞台にゲームは進んでいく。
 RPGの醍醐味である戦闘は、シリーズお馴染みの「リニアモーションバトルシステム」を継承。横視点の画面の中を最大4人のキャラクタがリアルタイムで暴れまわる、独自の戦闘方法だ。
 また、「スキット」と呼ばれるキャラクタ同士の会話も魅力のひとつ。シリアスからコミカルまで、声優陣による臨場感溢れる“やり取り”を聞くことができる。
 なお、本作は上記のような“シリーズお約束”以外にも、様々な新要素を取り入れている。はたして、それらはどのように作用しているのだろうか?
※画面写真をクリックすると、拡大画像が表示されます。
■とにかくしゃべって動く! 物語への印象が序盤から180°転換!

会話シーンの多くは、画面左右にキャラの顔が表示される
形。しかし、その間では3Dのキャラクタが動いている
 本作の導入部分は前述のとおりだが、序盤からストーリーはテンポ良く進む。「次、なにするの?」という疑問もストレスもほとんど感じない。キャラクタ同士の会話も『テイルズ オブ』シリーズならではのボリュームで、しかもキャラクタのモーションが、これまた良く作られている。重要なイベントシーンではキャラクタのイラストがアップになるので目立たないのが、本当にもったいない。
 しかし、ゲーム開始当初のセネルの、シャーリィへの言動にはちょっと違和感が。確かに、妹を思うゆえなんだろうけど、それにしては気持ちが強すぎないか? スタート直後から一方的な“気持ち”が前面に押し出されているような感じで、正直、ストーリーへの第一印象はさほど良くはなかった。

 また、場の雰囲 気を考えない 言動を繰り 返す 天気娘 ノー に、 他人を「ワレ」、 自分を「ワイ」と呼 ぶ上半身裸男モーゼスなど、個性的な各キャラクタにもやや“突っ走り感”が漂う。イベント及び会話シーンのほとんどに音声があてられているために、こうしたキャラクタの“お気楽”な様子ばかりが表に出てしまうのだ。なんだか、物語というか個々のシチュエーションが“浮いちゃって”いるんだよなぁ。
 しかし! こんなマイナスイメージも本当に序盤だけ。あるときを境に、印象は一変。いや、楽しいよ、このゲーム。盛り上がるよ、ストーリー。かわいいよ、ノーマ。いいヤツだよ、モーゼス。物語がシリアス調に変わり、深みと重みが増してくる。そして、それを一層、伝えてくれるのが声優陣とキャラクタのモーション。両者がキャラクタの感情をリアルに表現してくれることで、こちら(プレイヤー)も世界の存亡を賭けた戦いへの気持ちが強くなっていくのである。プレイを通して実際に、シャーリィに関する、あるイベントを契機に感情移入度が徐々に高まっていくのを強く感じた。
 また、スタートが唐突な分、ストーリーが少し進むだけでどんどん謎が明らかになってくる。これがその都度、驚愕と興奮を伴うから、困ったもの。どうしても“次”が気になってしまう。それにストーリーのテンポが良いものだから、ついついゲームを進めちゃう。それもこれも、よくしゃべって動くイベントのせい。見事に第一印象が覆ったよ。ちなみに、戦闘終了後の結果画面で表示されるキャラクタのアクションもクオリティ高し。良い仕事していますよ。
戦闘終了後にちょとした掛け合いがあるのもシリーズお馴染み。本作では、その際のアクションも充実。特に“コンビ”の動きとコメントが楽しい

いきなり歌い出す、フェロモン・ボンバーズ。登場時から、強いインパクトを与えてくれる。また、ただ歌うだけではなく、それなりの振り付けがあるのも印象的

 
■ダクトにパズルブース、新要素は親切だけど過保護!?

ダンジョンはとにかく広い。しかし、先に進むための“仕掛け”はパズルブース以外にはほとんど存在しないので、わりと気楽に進むことができる
 街から街へ、ダンジョンからダンジョンへ。RPGをプレイするうえで、フィールドマップ内の「移動」は欠かせない(一部、存在しないタイトルもあるが)。『テイルズ オブ レジェンディア』でも物語の進行に合わせて、いろいろな場所へ走って行くことになる。当然、その先にはダンジョンがあって、やっとの思いで最深部まで行って強大なボスと戦わなければならない。そのため「途中で買い物できたらなぁ」と思うことも多々あるはず。それをちょっとだけ実現させてくれているのが「ダクト」。主要なダンジョンなどの前に配置され、街へワープできるという代物だ。また、一度行ったことのある場所なら、街からそこへワープすることも可能。つまり、体勢を整えてからダンジョンに挑戦できるのである。まさに親切設計。不安だらけの初めて歩く場所を、改めて準備してから入っていけるのだから、これはうれしい。
 もうひとつ、システム面でうれしいのが「パズルブース」。ダンジョン内の特定の場所に設置されている特殊なスペースで、この中の仕掛けを解かなければ先に進むことはできない。しかし「パズルブース」内にはモンスターが出現せず、謎解きに専念することができる。細かいことだが、実はこれ、とても重要。なにせ、頭使っている最中に戦闘が入ると、考えを邪魔されてイライラしちゃうので。そのストレスを感じずに、探索は探索、謎解きは謎解きと、はっきり分けて考えられるのはプレイしていて楽しかった。
 しかし、緊張感を求めるユーザーには、どちらも親切すぎる要素かもしれない。特に「パズルブース」を設けたことによってダンジョン内の謎解きパターンが過去作品よりも少なくなった感があることは否めない(どうしてもわからないときは仲間が解いてくれるし)。謎解き大好き! というユーザーにはダンジョン捜索が物足りなく感じるかもしれない。

■現実にはよくある恋愛の姿だけど、ゲーム的には新しい!?
 本作のテーマは“絆”。親子間であったり、仲間同士であったり、師弟関係であったり。そしてその“絆”を深く感じながら、セネルたちは最終的に世界の命運を賭けた戦いに身を投じる。これが本作の大きなストーリーであることは間違いないが、実は別のテーマも持っている。そのひとつが、ラブストーリー。具体的に誰と誰が、というのには触れないが、なかなかおもしろいシーンを見ることができる。
 ゲームを進めていくと、「まぁ、こいつとこいつがくっつくんだろうなぁ」というのが見えてくる。ところが、これがそんな簡単な話ではないのだ。うまくいきそうなところで邪魔が入って、なんて話ではない。ある人物の気持ちを受け止める、もう片方の気持ちのありように問題があるのだ。
 この2人に関する決定的なイベントシーンは、きっと、現実世界では珍しくもなんともないシチュエーションなのだろう。気持ちの重さや細かい状況は抜きにして、似たような経験は誰しもある情景だと推測される。そういう意味では、取り立てて珍しい話ではないかもしれない。だが、ゲーム中の物語として描かれたことは少ないのではないだろうか。だからこそ、該当シーンに斬新さを感じた。しかも、この2人はこれで終わりではないのだ。結果的に2人がどうなるか、それはプレイしてのお楽しみ。
右はセネルと女性陣との会話シーン。仲間たちのなかでもウィルと並んで中心的な存在にいるセネルに、何かと意識する女性が多いようだ

■いつもの戦闘にタコ殴りの気持ちよさがプラス!
 シリーズのファンにはお馴染みの「リニア・モーション・バトル」システム。最大4人のキャラクタがリアルタイムでアクションを繰り広げる戦闘システムだ。同システムは本作にも採用されており、そのプレイ感覚も従来の作品と同様。適当にボタンを連打しているだけで連続攻撃を繰り出し、必殺技を使う。思いもよらず味方との連携が成立して、何十というコンボを叩き出すこともしばしば。アクションならではの爽快感も過去シリーズ作品と同様だ。難しいことを考えずに戦闘を楽しめるのも、本作の魅力のひとつと言えるだろう。
 さらに、本作では「クライマックスモード」という、その魅力を増幅させる新要素が加えられている。「クライマックスモード」は発動すると一定時間、相手の動きを封じることができるものだが、これが実にキモチイイ。みんなで寄ってたかって強大なボスをタコ殴りにするという行為が、これほどおもしろいとは! 時間にしてほんの数秒なのだが、コンボ数を稼ぐためにいつもよりも連打に力が入ってしまったり、仲間の行動に思わず「違うだろ~」と声を挙げたり。戦闘に関しては他にも「我流奥義」といった新要素が追加されているが、「クライマックスモード」の楽しさには見劣りしてしまう印象を受けた。
 ただし、そんな戦闘も楽しいことばかりではない。戦闘終了後の結果画面で表示される「GRADE」の数値がこれまで以上に厳しいような感じなのだ。初回プレイでは戦闘の難易度を「簡単」に設定して臨んでも良いかもしれない。きっと、そのほうがGRADEの蓄積に関してストレスを感じなくて済むはず。それと、もう一点。本作はシリーズ初の、「完全1人プレイ」になってしまったのだ。2人や3人で技や術をタイミングよく繰り出し、コンボ数の限界を目指すという楽しみが、本作では得られない。これまで、家族や友人で戦闘を楽しんでいたユーザーにとっては残念な仕様変更だろう。
鉄拳をはじめ、己の肉体で戦うセネル。リーチが短いのが難点だが、主人公だけあって使いやすい。また、倒れているキャラにダメージを与えられる「投げ」があるのも魅力 2人プレイこそできないものの、セネル以外のキャラクタを操作することは可能。慣れてくるとジェイなどクセのあるキャラクタが楽しくなってくる

■終わった!? まだまだ! キャラクタークエストが本作の真骨頂!
 本作は大きく2部構成となっており、本編終了時点で物語は一応の完結を見せる。しかし、本当の意味での“完”は訪れていない。
 仲間はそれぞれ、個人的な悩みや望みを持っている。それらは本編の中で、ある程度の進展を見ることができるが、完全ではない。そう、これらはキャラクタークエストで決着を見せるのである。クロエが追う両親の仇、ノーマが探し続けるエバーライトなどなど。当人のみならず、プレイしている身としても気になるこれらの物語を、キャラクタークエストでは楽しむことができる。なお、彼女たちの個別の物語は、どれも読み応え充分のボリューム。専用のアニメーションムービーも用意されていて、非常に充実した内容となっている。余談だが、個人的にはウィルとノーマのお話が感動的だった。親子愛とか師弟愛に弱い方はご用心。もしかしたら泣けちゃうかも。ちなみに、キャラクタークエストにもメインのストーリーが存在する。こちらのラストも感動モノ。仲間っていいなぁ。
 また、キャラクタークエストでは武器の「合成」ができるようになる他、新たな「料理(パン)」や「闘技場」が出てくるなど「やり込み」要素が増えてくる。合成の品の中には「フランベルジュ」「骸骨の仮面」なんて名前もある。もちろん、メニュー画面で表示されるグラフィックもアレと同じ。ちゃんと装備して使うこともできるぞ! 思わず、心ときめいちゃうファンもいるのでは?
 本編のプレイだけでも充分に本作を楽しめるが、キャラクタークエストにまで手を伸ばせば、より深く堪能できること間違いなし。ストーリー、戦闘、やり込みと三拍子揃った本作は、夏休みのシメとしてプレイする一品に最適だ!

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