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アイディアは秀逸だが、やりすぎ!?『ペーパーマリオ』プレイレビュー
2007.05.08
関連URL:『スーパーペーパーマリオ』公式サイト
   
 
 Wii本体の発売から約5ヶ月、ようやくWiiでも『マリオ』が遊べる日がやってきた。任天堂が4月19日(木)に発売した『スーパーペーパーマリオ』は、その名のとおり紙のようにペラペラな「ペーパーマリオ」が活躍する、ちょっと変わったアクションアドベンチャーゲーム。本家『スーパーマリオ』とはちょっと毛色が違うものの、「ペラペラ」であることを活かしたユニークな演出や、アドベンチャー色の強い謎解き要素など、本家とはまた違った味わいが楽しめるシリーズだ。
   一応、ペラペラマリオシリーズとしては、N64の『マリオストーリー』、GC『ペーパーマリオRPG』に続く第3作目にあたる本作。今回はそんな『スーパーペーパーマリオ』のレビューをお届けしてみたい。  

※画面写真をクリックすると、拡大したものを見ることができます。

■プレイ感覚は『マリオ』+『ゼルダ』?

 今回の敵・ノワール伯爵は、「コントンのラブパワー」によって世界の消滅をたくらむ強敵。目の前でクッパやピーチ姫たちを連れ去られ、一人残されてしまったマリオは、不思議な妖精アンナとの出会いによって、異次元の街・ハザマタウンへと案内されることになる。
  伯爵の計画を食い止めるには、8つ世界に眠る「ピュアハート」をすべて集めるしか方法はない。かくしてペラペラマリオと妖精アンナの、8つの世界をめぐる大冒険が幕を開けたのであった――。

 完全なRPG形式だった前2作とは異なり、今作はジャンプで敵を踏んづけて戦っていく、いつもの横スクロールアクション形式。ただし、スコアを貯めてマリオのレベルを上げたり、集めたコインで買い物をしたりと、随所にRPGの要素も残っているのが特徴だ。ステージの構成も、アクションより謎解きがメインとなっており、遊んだ感覚としては『マリオ』というよりも『ゼルダ』に近い印象。たとえば冒険を進めていくうちに、マリオは敵やモノを掴んだり、ヒップドロップやハンマーで攻撃できるようになったりと、次々に新しいアクションを身につけていくのだが、アクションが増えることで今まで行けなかった場所へ行けるようになったりするあたりは、まさに『ゼルダ』の感覚。いつもの『マリオ』を期待していた人は、このへんちょっとびっくりするかもしれないが、反面、謎解き好きにとってはたまらない仕掛けが満載となっている。特にこの謎解きを面白くしているのが、次で説明する「次元ワザ」の存在だ。


■“常識”を覆す!?「次元ワザ」で“二次元のウソ”を暴け!
 今回の冒険のキモとなっているのが、マリオが使う「次元ワザ」。普段は平面の世界を横へ横へと進んでいくのだが、WiiリモコンのAボタンを押すと、マリオがくるっと90度回転。画面が3Dに切り替わり、今までは見えなかった「奥」の世界が見えるようになる。
  このシステムがとにかく新鮮で面白い。たとえばステージ1-2。巨大なドッスンが行く手を塞いでいて、どうしても先へ進めない所があるのだが、こんな時は次元ワザの出番。ちょっと視点を変えてみると、実はドッスンはペラペラのハリボテで、奧ががら空きになっていることがわかる。あとはそのままドッスンの奧をすすっと通り抜ければ、見事難関突破! となるわけだ。
 こんな具合に、ひとたび視点を変えてみることで、一見先に進めなさそうな所でも、意外な抜け道が見つかったりする。いつもは当然のように受け入れてしまっている「二次元のウソ」を、ボタンひとつでばんばん暴いていく感覚はかなり痛快だ。
 余談だが、この仕掛けの秀逸なところは、横スクロールアクションというジャンルが確立されて以来、20年以上にわたってゲーマーの頭にすり込まれてきた「ドカンに裏側なんてない!!」という常識を、逆にネタにしてしまったことだろう。

 ドカンはあくまで飛び越えるものであって、間違っても奧や手前を通り抜けようとしちゃダメ! というのが20年来の「ゲーマーの常識」だった。にもかかわらず、このゲームではドカンの奧も手前も自由に歩き回ることが可能。幼いころからずっと信じてきた「常識」が、ボタンひとつでいとも簡単にひっくり返されてしまうからこそ、きっとこの「次元ワザ」は痛快なんだと思う。

■ユニークな演出は健在。でもちょっとやりすぎ感も……!?
 次元ワザと並ぶ本作のもうひとつの特徴が、そのユニークなグラフィックと演出だ。2Dと3Dをうまく組み合わせた「飛び出す絵本」のようなグラフィックはもはや「ぺらぺらマリオ」シリーズの恒例だが、あらためて見てもやっぱりイイものはイイ。
  加えて本作で驚かされたのが、どのステージもちゃんと実際は3Dでデザインされているのに、横から見るとちゃんと平面に見えてしまうところ。「横から見ると見慣れた階段ブロックなのに、角度を変えて見ると実は高さの違う柱が互い違いに並んでいるだけだった!」とか、「3Dで見るとただのハリボテなのに、2Dではなぜか上に乗ることができる足場」とか、「二次元のウソ」をこれでもかと活かしまくったステージデザインは、全編がよくできた「だまし絵」のようで、見ているだけでワクワクさせられる。
 また、オヤジ世代にとって嬉しかったのが、あちこちに歴代『マリオ』シリーズへのオマージュが盛り込まれていたこと。たとえばワールド1-1のマップはそのまんま初代『スーパーマリオ』の1-1だし、スターを取るとマリオが巨大な「ドット絵マリオ」に変身するなどの演出も、ドット絵好きな世代にはたまらない。ステージの背景も、一部あえてドット絵っぽくしているところがあったりして、新しいのにほどよくレトロな感じに仕上がっている。

 出てくるキャラクタや会話内容などは、全体的にコロコロボンボンチックな感じでやや低年齢向けに感じたのだが、「家族みんなで遊べるWii」だけあって、ちゃんとUターン世代へのフォローも完備しているところはさすがの一言だ。

 ただ、発売後すでに一部のユーザーの間では話題になっていたが、ボスキャラの「カメレゴン」など、思わず「ちょっとやりすぎでは……?」と思ってしまうような演出も多々あった。たとえばこのボスが、ピーチ姫を見て言ったセリフがこれ。

 「どどど…どうしよう……!?
  リアルなオンナのコがボクの部屋に!
  あらわれるなんて~~!!!」

 ちょ、おまえホントに『マリオ』のキャラクタか!? さらにステージの途中で、このボスの日記を読むシーンがあるのだが、ここでも、

 「今日は 天気が よいので ひさしぶりに
 「すいーと☆ぷりりん」を 全話見る

 りょうしつの シナリオに
 はぎれのよい えんしゅつ
 まさに けっさく アニメーション
 とても たのしかった

 ただし それも 2クールまでで
 カントクが こうたいしてからは
 ださくとしか いえない」

 ――など、『マリオ』の世界観を根底からぶち壊すような、マニアックなネタが次々溢れ出てくる。まぁ、ルイージを「緑のヒゲ」扱いするなど、ちょっとやりすぎ感溢れるブラックユーモアも『ペーパーマリオ』シリーズの魅力ではあるのだが……さすがにこれはちょっと「やりすぎ」の方向が違うように感じてしまった。


■Wiiで久々にゲームに戻ってきた「Uターン組」は楽しめるのでは

 全体として感じたのは、低年齢層からUターン組(DSやWiiでふたたびゲームにカムバックした人たち)まで、幅広く遊べるよう工夫されているな、という印象。もともとN64やGCで展開されてきたシリーズだけあって、作品全体の雰囲気はあくまで子供向け。しかし一方で、あえてドット絵を前面に出した演出や、「二次元のウソ」を暴く「次元ワザ」などは、低年齢層よりもむしろWiiやDSでゲームに戻ってきた世代が遊んでこそ真価が味わえる部分だろう。終盤になって急にシリアスになってくるシナリオも、いい大人の涙腺を刺激するには充分なクオリティがある。クリア後には「100部屋ダンジョン」のような“やり込み要素”も用意されていて、ボリュームも決して少なくない。
  ただ一方で、残念な部分も目につく。序盤から中盤にかけてのシナリオはどうしても子供っぽさが鼻につくし、謎解きやアクションも歴代『マリオ』や『ゼルダ』を乗り越えてきた世代としてはあまりに物足りない。せっかくの次元ワザも「とりあえず困ったら次元ワザ」の域を出ておらず、頭を使って「駆使」している感覚は薄い。うーん、最近すっかりこらえ性がなくなってきたオジサンとしては、なかなかツラい展開だ。

 とは言え、あくまで低年齢層またはUターン組をターゲットに据えたソフトだと考えれば、全体としては非常によくできた作品だと感じた。特に、Uターン世代にはどうしても敷居が高くなりがちな「3Dアクション」を前面に出さず、あくまで横スクロールアクションの補助として使っているところもウマい。このゲームをきっかけに、ほかの3Dのアクションに手を出してみようかな、と思う人もきっといるはずだ。
  ゲーム初心者やUターン組が、アクションや謎解きの楽しさに触れるのに、これ以上の作品はないと思う。アクションゲーム、アドベンチャーゲームの入門作として、「Wiiで久しぶりにゲーム買ったけど、結局『Wii Sports』しかやってないよ!」という人にこそオススメしたい1本だ。

【スペック】
タイトル:スーパーペーパーマリオ
ジャンル:アクションアドベンチャー
プラットフォーム:Wii
発売日:2007年4月19日(木)
価格:5,800円(税込)
メーカー:任天堂
(C)2007 Nintendo / INTELLIGENT SYSTEMS
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