次元ワザと並ぶ本作のもうひとつの特徴が、そのユニークなグラフィックと演出だ。2Dと3Dをうまく組み合わせた「飛び出す絵本」のようなグラフィックはもはや「ぺらぺらマリオ」シリーズの恒例だが、あらためて見てもやっぱりイイものはイイ。
加えて本作で驚かされたのが、どのステージもちゃんと実際は3Dでデザインされているのに、横から見るとちゃんと平面に見えてしまうところ。「横から見ると見慣れた階段ブロックなのに、角度を変えて見ると実は高さの違う柱が互い違いに並んでいるだけだった!」とか、「3Dで見るとただのハリボテなのに、2Dではなぜか上に乗ることができる足場」とか、「二次元のウソ」をこれでもかと活かしまくったステージデザインは、全編がよくできた「だまし絵」のようで、見ているだけでワクワクさせられる。 また、オヤジ世代にとって嬉しかったのが、あちこちに歴代『マリオ』シリーズへのオマージュが盛り込まれていたこと。たとえばワールド1-1のマップはそのまんま初代『スーパーマリオ』の1-1だし、スターを取るとマリオが巨大な「ドット絵マリオ」に変身するなどの演出も、ドット絵好きな世代にはたまらない。ステージの背景も、一部あえてドット絵っぽくしているところがあったりして、新しいのにほどよくレトロな感じに仕上がっている。
出てくるキャラクタや会話内容などは、全体的にコロコロボンボンチックな感じでやや低年齢向けに感じたのだが、「家族みんなで遊べるWii」だけあって、ちゃんとUターン世代へのフォローも完備しているところはさすがの一言だ。
ただ、発売後すでに一部のユーザーの間では話題になっていたが、ボスキャラの「カメレゴン」など、思わず「ちょっとやりすぎでは……?」と思ってしまうような演出も多々あった。たとえばこのボスが、ピーチ姫を見て言ったセリフがこれ。
「どどど…どうしよう……!?
リアルなオンナのコがボクの部屋に!
あらわれるなんて~~!!!」
ちょ、おまえホントに『マリオ』のキャラクタか!? さらにステージの途中で、このボスの日記を読むシーンがあるのだが、ここでも、
「今日は 天気が よいので ひさしぶりに
「すいーと☆ぷりりん」を 全話見る
りょうしつの シナリオに
はぎれのよい えんしゅつ
まさに けっさく アニメーション
とても たのしかった
ただし それも 2クールまでで
カントクが こうたいしてからは
ださくとしか いえない」
――など、『マリオ』の世界観を根底からぶち壊すような、マニアックなネタが次々溢れ出てくる。まぁ、ルイージを「緑のヒゲ」扱いするなど、ちょっとやりすぎ感溢れるブラックユーモアも『ペーパーマリオ』シリーズの魅力ではあるのだが……さすがにこれはちょっと「やりすぎ」の方向が違うように感じてしまった。 |