従来のシムシティシリーズから都市作りのコンセプトを大きく転換したことで話題となっている最新作『SimCity Societies』。E3会場に設置されたElectronic Arts社のブースでは、その開発中のバージョンを目にすることができた。
開発元がMaxis社からTilted Mill Entertainment社に変わった本作は、これまでの作品でお馴染みとなっていた“工業・住宅・商業の地区”や“電線・水道などのインフラ”といった要素を廃止。代わりに、“都市社会(人々の思考や慣習)”に大きく比重をおいた作りとなっている。これにより、経済都市ニューヨーク、ロマンチックなムードが漂うサンフランシスコ、宗教色の強いソルトレークシティなどのように特色ある都市を、プレイヤーが自由に作ることのできる箱庭シムになるということだ。
都市のカラーを出すために重要なのが、“societal energy(社会エネルギー)”と呼ばれる要素で、これにはProductivity(生産)、Prosperity(富)、Creativity(創造)、Spirituality(宗教)、Authority(権威)、Knwoledge(知識)の6種類が存在する。プレイヤーはさまざまな建物を建てることで、これらのバランスに影響を及ぼしていくのだ。前作まででも、警察・病院・消防署といった公共施設を建てることはできたが、本作ではこうした建物の種類が350以上と大幅に増えており、各々、住人(シム)のHappiness(幸福度)、財政への貢献度、病気や災害の発生率といった効果が用意されている。例えば、“質店(pawn shop)”を建てると、若干の経済効果は期待できるが、夜盗やスリといった犯罪も増え、自警団の結成を促すことになる。施設建設のほかにも、携帯電話などの製品や食品の開発を行うことにより、都市社会に影響を及ぼすことができるようだ。都市社会の変化は外見にも反映され、道路や建物の補修状態、空の色などが刻々と変貌して都市の雰囲気を形作っていく。
さらにプレイヤーは、『シムシティ4』のときのように、シムの行動を追跡することも可能だ。今回のデモでは、たまたま選んだシムが犯罪者で、“これからどんな犯罪を犯そうとしているのか”“銃は携帯しているのか”といった情報を見ながら、その動きを始終見守ることができた。このほかにも、道路をひっきりなしに走り回る自動車や、時間の経過とともに建物の影がゆっくりと動く様子から、1日の営みが実感できるようになっている。
ゲームコンセプトが大きく変わったことで少し戸惑う面もある最新作だが、今回のデモを見終わって、自由度の高い箱庭シムとしては、これはこれでかなり楽しめそうな印象を受けた。 |